僕はただの妖精だから執着しないで

ふわりんしず。

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森の奥深くに綺麗な場所があるという。皆が身振り手振りでその場所を教えてくれて、

暇な子達とピクニックをする事になった。

『うわぁ!!皆が言ってた場所ってここ?凄い綺麗っ!…泉、だよね?』

お昼ご飯は各自持参で、1番先頭を歩く蟻さん達。その後を続く土竜。空を飛ぶ鷹と烏。真ん中に僕で、後ろを着いてくるヒヨコさん達。

目的地に着くまで歌を歌ったり、談笑したり。終始賑やかだった団体が、ふと足を止めたのは、

森の中だと言うのにそこだけ陽の光が当たり、キラキラと輝く泉の前だった。



『この森の中にこんな場所があったなんて知らなかった…』

角度を変えて見てみても水面が澄んだ水色で、まるで宝石が一面に敷き詰まっているみたい。

思わずテンションが上がる僕

そんな僕を見てか、後ろにいたヒヨコ達も大はしゃぎ。




『ふふっ。もしかしてここ皆のお気に入りなの?』

ちょっと離れた場所にいる土竜さんもソワソワしているし、烏と鷹も空中をクルクルと旋回した後、直ぐに降りて来て土竜さん同様にソワソワ。

まるで秘密基地を案内してくれた小さな子供みたい。


『みんなのお気に入りの場所、教えてくれてありがとぉ』

ふにゃりと笑えば、1番前にいたはずの蟻さんが嬉しそうに僕の身体に頬ずりをした。





(昨日皆にもらったプレゼントのお返し、今日あげるつもりだったけど…また皆に素敵なプレゼント貰っちゃったなぁ)

目の前に広がる綺麗な景色に目を細めながら、僕は昨日丸1日悩みに悩んで選んだ…

というか決めたものを、いつ渡すか

また悩む事となった。


(喜んでくれるかな…)

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