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彼等

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転生して3日目の夜。僕が住んでいる森に1人の少年が迷い込んだ。

(知らない気配…動物?)

葉を布団がわりに被っていた僕は、覚えのないマナにそろりと身体を起こした。人間の身体と違って睡眠は必要ないけど、生前が人だったこともあり寝ることは習慣となっていて。陽が昇れば起きて、沈めば就寝すると言う、健全な生活を送っていた。

寝床としているのは古い大木で、樹皮が剥がれいい感じに穴が開いていたからそこで生活している。たまに鳥が遊びにくるけど、意地悪な事はされなくて寧ろ逆に懐かれた。

どうやら妖精と動物の相性はいいみたい。



ひょこっ、と樹洞から顔を出せばまだ太陽は昇っていなくて森の中は暗く。朝も夜も動物の鳴き声で賑やかなこの場所が、珍しくも静寂に包まれた。

まるで何かに警戒する様に。

(…なんだろ、鉄みたいな匂い)

不安が半分
興味が半分。


取り敢えず様子だけ見て回ろうか、そう思い

ぺたりと垂れ下がっていた羽をパタパタと動かして、

身体を浮かせ、寝床から飛び立った。


ふよふよと慣れない動きで浮遊する。

時折バランスを崩して地面に落下しそうになった僕を、鳥が助けに来てくれたり

狐や狸が心配そうな顔で見守ってくれた。

うちの子、みんないい子。と、ちょっと感動しつつ、嗅ぎ慣れない鉄の匂いを一生懸命探し、



そして、だいぶ離れた森の奥深く、

人間の子供が血まみれで倒れていた。
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