親衛隊総隊長様は攻略されそうです

ハッピーエンドｰR18なしｰ

③

愛おしそうな顔で、チャラ男…いや、黄賀崎　麗央は甘く優しく蕩けるような顔で微笑んだ。

砂糖よりも甘く、
蜂蜜よりも蕩けてしまいそうな…そんな顔



「俺に柚くんを頂戴…他の誰かじゃなくて、俺に全部。

––––––––柚くんの特別、奪っていい？」



壊れ物を触るかの様にそっと、

抱きしめられる。

逞しい腕と、硬い胸板が服越しに当たって…



フリーズ思考停止していた俺も、流石に我へと返った。

布漉しに伝わる体温と、
彼が纏うほんのり甘い匂いに、

今まで感じたことのない…目眩の様な、立ちくらみみたいなクラクラした感覚が俺を襲う


けれど決して不快感はなく、寧ろずっとこうしていてほしいと…思ってしまった。



「柚くん」

『ぁ…、』


密着していた体を少しだけ離した彼は俺の顎を片手で固定し、

彼へと視線を合わせられる。


身長は俺のが少しだけ。ほんの少しだけ低いから体勢的には見上げる形になる、のだが…


「好きだよ」

「大好き」




「愛してる」



髪を優しく撫でられ、そのまま頬へと手が滑り落ち…

そしてそのまま唇を指でなぞられた。

つぅ、と、ただ撫でられただけなのに。


ただ指が触れただけなのに、


瞬間、
身体が沸騰したかの様に熱くなる。バクバクと騒ぐ心音がやけに煩い。

顔が、身体が…熱い




彼の真っ直ぐ過ぎる想いに、俺はどうしたらいいのか分からなくて…

顔を逸らしたいし。なんなら逃げ出したい

彼に告白を受けていいのは



俺じゃないのに––––––－－－－－－－－







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現実だと分かっていても本当に漫画や小説の中と同じ世界観で、だから俺はただモブに。あるいは脇役に徹して彼らを見るのが好きだった。そこに恋愛感情なんてあるはず無かった


無かった…筈だった。


彼、生徒会メンバーの会計チャラ男、




黄賀崎　麗央おうがさき　れお





彼が俺の世界に色をつけ始める前までは。彼も彼らも俺にとってBLのストーリーに沿った様な人物達にしかすぎなかった。