ストーリーが終わった後のキミと俺ー最初から好きなのはアンタだけー

ふわりんしず。

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拒絶

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“先生と1つになりてぇ”

たったその一言で身体がかっと熱くなる。

自分の身体の変化に一瞬、驚愕したものの呆けている場合じゃない事だけは分かった。

ここから逃げなくては
ここにいたら…喰われる

雑食動物がついうっかり肉食動物にでくわした時の気分はまさに、今、俺が体験しているんじゃないだろうか

嫌な汗がだらだらと伝い、上手く酸素が吸えない



逃げ出したいのに身体が言うことを効かない、

それでも渾身の力を振り絞り、ルドルフの身体を突き飛ばし…

逃げ道であるドアへと手を掛けた。


今日逃げ出せば彼とはもう会うことはない。
ルドルフは卒業生で
俺は社会人。

職員室に逃げ込んで、それから…さっき聞いた告白は無かった事にすればいい。


こんな展開はあってはいけないし

これはただのバグ。気の迷い、魔が差しただけの感情だ。

直ぐにルドルフも正気に戻って、そして…


ストーリー上のレールを歩き出す。

それがいい。そうであってほしい、と思うのに。



なんで俺、胸がじくじく痛むんだろう。


「メウリア」

『…っ!』

「行くな」

ルドルフの口から初めて聞く俺の名前に、かぁぁ、っと頬が朱色に染まった。動きも、思考も止まった俺の身体を、まるで宝物みたいに優しく、そっと包み込まれた。

逃げないと。そう思っていた筈なのに…

ドアへと伸ばしていた手を、
俺は下ろした。

ルドルフの気持ちを受け入れたいとか、
想いを返してあけたい、なんて

よく分からなかったけど。ただ俺を抱きしめる手が微かに震えていて、

そんなルドルフをここに1人残して逃げる事が出来なかった。



回された腕に手を乗せれば、それが合図だったかのようにして俺たちはキスをした。













ルドルフによってスラックスから下着まで剥ぎ取られ、あられもない格好のまま

彼に尻を突き出すような形で、ドアに手を付いた状態で立たされていた。告白をしてきた本人、ルドルフは

『あっ、ぁっう、…んっ、』

「まだ指1本なんだけど痛いか?」

『んっ、…っ、』


秘部を解す様にして、骨ばった男らしい指が中を出入りする。

奥に入っては指を引いて。また奥へと指を埋められる。

気持ちいいというよりかはただただ異物が入っている、という認識。

出すところであって入れるところではない場所に指が入っているせいもあり、

きゅ、っと指を締め付ける。


「もう少し拡げるから我慢な」

『ふっ…ん、…ぁっ、』

やたら色気のある声音に、胸が鳴る。

さっきから…なんかいい香りがして、頭はぼぅっとするし、

身体全体に力が入らない。なんだっけこの匂い。


嗅ぎ覚えのある香り、
甘くはなくて、どちらかといえば爽やかで尚且つ雄らしい匂い

(あっ…––––––––この香り、)

ふと、思い出すのはルドルフと過ごした放課後の記憶

肩が触れそうな距離で勉強を教えていた時に香った…匂い。



身体を包む様にして香る匂い

ルドルフが指を奥へと動かすたび、

身体が近づくたびに香る匂い、


この香りが誰のものなのか意識した瞬間、

『んっ、…ぁっ、あっ、…!』

俺は前を弄られる事なく達していた。
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