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「忘れ物はアンタだ。…貰いに来た」
普段の声音で告げられた言葉に、ピクリと眉が上がる。普段よりも落ち着いた雰囲気に、何故だか嫌な予感が走った。
雑に掻き上げられた艶やかな銀髪が、窓の隙間風で前髪がはらりと垂れ落ちる。
その前髪から覗く、一見冷たく見える瞳が俺を移して、
『…なに、いって、』
俺の鼓動を加速させた。
■
□
■
慌てて背を向けて逃げようとした俺を背後から奴が抱き締めたのはほぼ同時で、
脳内で…警告音が鳴り響く
「逃がさねぇよ。ずっと我慢してたんだ」
『ま、…まて、ルドルフおちつ、…んっ』
振り返って静止を掛ける俺を、まるで待っていたかのように顎を掬い
キスを落とされた。
ちゅ、っと唇と唇が触れるキスから唇を食む様なキスに変わり、そして執拗に唇を舐められ、
身体の力が抜けてゆく
「選べ」
『…?』
「無理矢理犯されるのと同意の上で喰われるの、どっちがいい?」
逃げれる唯一の扉は目の前にあるのに、憎らしくも俺を抱きしめている男の片手が…
逃げてを防いでいる。
ドアとルドルフに挟まれて、逃げ場を無くした俺は…、
縋るように彼を見た。
『–––––––––正気、なの…か?』
普段の声音で告げられた言葉に、ピクリと眉が上がる。普段よりも落ち着いた雰囲気に、何故だか嫌な予感が走った。
雑に掻き上げられた艶やかな銀髪が、窓の隙間風で前髪がはらりと垂れ落ちる。
その前髪から覗く、一見冷たく見える瞳が俺を移して、
『…なに、いって、』
俺の鼓動を加速させた。
■
□
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慌てて背を向けて逃げようとした俺を背後から奴が抱き締めたのはほぼ同時で、
脳内で…警告音が鳴り響く
「逃がさねぇよ。ずっと我慢してたんだ」
『ま、…まて、ルドルフおちつ、…んっ』
振り返って静止を掛ける俺を、まるで待っていたかのように顎を掬い
キスを落とされた。
ちゅ、っと唇と唇が触れるキスから唇を食む様なキスに変わり、そして執拗に唇を舐められ、
身体の力が抜けてゆく
「選べ」
『…?』
「無理矢理犯されるのと同意の上で喰われるの、どっちがいい?」
逃げれる唯一の扉は目の前にあるのに、憎らしくも俺を抱きしめている男の片手が…
逃げてを防いでいる。
ドアとルドルフに挟まれて、逃げ場を無くした俺は…、
縋るように彼を見た。
『–––––––––正気、なの…か?』
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