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推しと推しが結婚するまであと3秒!!××side

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朝起きてSNSをチェックして、LINEをチェックするのが私の日課。1日の活力は推しと推しの推し…つまり推しさん2人の存在です

どうもオタクです。え、正式名称はヲタク?

ごめんなさいどうでもいいです。

「今日も□□さん、あくあさんのお陰で私の心は平和です」

自作のイラスト(□□さんがあくあさんを抱擁している、の図)に向かって三礼三拍手一礼。最初の挨拶は内心、大声で叫ぶのがお約束。

(萌えぇえええええええええええ!!!)

これがないと私の1日は始まらない。













学校の課題を午前中に済ませて、スマホをチェックしていると…。

「ふがっ!?」

配信アプリから新着で通知が届いた。

ただの、◯◯さんが配信しました。だけのメッセージなら、私はきっと鼻なんて鳴らさない…。そう、つい、うっかり…

推しさんと推しの推しさんが2人で、ツーショットをサムネイルに貼った画像のまま配信が始まったからだ。

カメラ配信ではなく、画像(写真)のみの配信だが、顔には□□さんのSNSで使用されているアイコンが貼られ、また、あくあさんも同様に顔にアイコンのイラストが貼られていた。


もう雰囲気だけでも尊い…って、いやそうじゃない。そうだけど!そうじゃない。

大事なのは、ツーショット!ってところだ

にしても2人とも距離が近いな!?


興奮して震える指先で通知をタップすれば、配信ページへと飛び。

まず最初に耳にしたのは…□□さんの声だった



あくあさんの枠で、□□さんのお声。

コラボ枠を見るもコラボ自体出来ない様に設定されていて…、

あっ、…あ、…ぁっ、これデキてますやん

たらり、と垂れる鼻血を他所に、私は今から明かされるであろう報告に耳を傾けた。



「えー、っと。あくあさんの枠からこんちにわ。□□です。今あくあさんちょっと席を外してるんで、混乱されるかもですがあくあさんの自枠で間違いありません」

(でしょうね!?あくあさんの通知飛んだら□□さんがいらっしゃるなんて…ご褒美すぎるんだが。つまり2人は、)

「えっと、今、俺…あくあさんの自室にお邪魔しています」

(でしょうねっ!)



「この間の俺のお願いが今日、叶っちゃいました。で、2人で配信しようって事になったんだけど…、あっ、おかえりあくあさん」


落ち着いた声音の後ろら辺で、ドアが閉まる音がして。足音と共に、どさり、と座る音がした。

お、おっ…おかえ、り

おかえり、ってゆった。もう夫婦じゃん?え?違う?…一緒だよっ!

混乱する頭でただひたすら、スマホから聞こえる彼らの声、音に耳を澄ませた。



小さな音でも聞き逃しちゃいけない。

擦れた音や水音は、

違う意味で想像力を膨らませ、私たちの、いや。私の生きる源になる


『ん。ただま。ほい、飲み物。さっきと一緒で麦茶な』

「ありがとうございます!あくあさん、今日は何します?」

『んー。何したい?』



「じゃあ、質問コーナーした後Switc◯しませんか?」



『いいな、それ。あ、でもSwitc◯俺の分しかねぇけど』





楽しげに紡がれていく会話に合掌し、思わず天を仰いだ。

生きてて良かった。

推しさんが…、2人のわちゃわちゃが尊い

声や音でしか聞けないが、妄想は膨らんでゆくばかり。きっと優しい目であくあさんをみているのだろう。

そんな□□さんに気付いたあくあさんは照れながらも、気を紛らわしたくて…


きっと明るく振る舞っているのだ。

そして配信が終わった後、高揚感のまま


2人はそっとキスをする。

「うふふ腐腐腐腐、結婚3秒前」

思わず呟いた言葉は誰の耳にも届く事は無かった。が、SNSでは似たようなツイートが多発し、またまた2人がトレンド入りしたのは言うまでもないだろう。










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