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□□side
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ダメ元で言った、お宅訪問はまさかのOKで。正直自分で言ったものの、あくあさんが『ん。…いいけど』と許可を出した時は自分自身の耳を疑った。
幻聴か。聞き間違いか、
どっちだ?なんて真剣に考えていた俺はリスナーのコメントで夢じゃないと実感出来た
ーえ、□□さんのお願い事かわちぃ
ー家デートゲット出来てよかったね!
ーもうこれはあれですか匂わせですか好き
流れるコメントを見ながら人生で最大級に顔が緩んでいる自覚はあるが、
ニヤニヤが止まらない。
その後、浮かれまくる気持ちをなんとか押さえつけて最後まであくあさんと一緒に配信を終える事が出来た。
最初から最後まで賑やかなコメントと、
時折リスナーに翻弄されるあくあさんが可愛らしくて、
この時間が大切だな、と思えた
□
■
□
そしてあくあさんのお宅訪問当日。
約束の時間より少し早めに家を出て、待ち合わせ場所として指定された場所、コンビニへと向かった。
コンビニが視野に入った時には、
無意識ながらも駆け足で、コンビニへと入り
そして会いたい人を見つける事ができた。
(俺、服装変じゃないよな…)
一瞬自分の身につけている白黒のシャツを見た後、
流行る気持ちのまま、彼の肩に手を乗せた。
振り返った彼はSNSで上げていた写真以上に細身で、俺より少しだけ身長が低く
気にしているのか厚底の靴を履いていた
(この靴脱いだら…もっと身長低いって事かぁ。そういえば身長の話とか配信の時、触れてなかったな…あれは意図的だったのか)
脳内ではあくあさん情報が随時更新され続けていて、止まることは無い。
サイトでは顔を晒して居なかったから
なんとなくこんな感じかな。あんな感じかな、と想像をしてはいたが…
実際目の前にいる彼はアイドル顔負けで。
住む世界が違うのでは、と真剣に考えてしまった。
そんな俺を知ってか知らずか、
コンビを出た後、あくあさんが『□□さん、なんかかっこいいね!びびったー』
なんてお世辞を言うものだから…、
心臓に悪い。
ちょっと困り顔で、頬を赤らめているだけなのに
やましい気持ちになるのは…何でだろうか
(取り敢えず、今あくあさんが吐き出した空気を俺が吸っちゃったかもしれないんだが…お支払いはしなくていいんだろうか)
自分だけがこんなにご褒美をもっていいのか
ちょっと躊躇ってしまうのは、
1ファンから…もしかしたら、今日、
友達、くらいには仲良し度がレベルアップするかもしれない…
という下心があるからだ。
『じゃあ行くかぁ、俺ん家』
「あ、はい。お邪魔します」
『まだ家着いてねぇけど!?気が早いって』
肩を並べて歩き出す。
彼が一歩一歩、歩く度さらりと揺れる蜂蜜色の髪から甘い香りが香ってきて、
不意打ちのそれにドキドキが増した
好きが…止まらないってこう言うこと、なのか
1つ1つに胸が躍って、
ちょっとした事が宝物になる、
「俺あくあさんに出会えて良かったです」
『ど、どうした…?大丈夫、か?』
「はい。今、噛み締めてました」
『何を!?』
歩きながら俺が思わず溢した言葉に、何故かびくつくあくあさんが…愛おしい
この時間が続けばいいのに、
と、そう願ってしまったのはここだけの話し
□
■
□
あくあさんの住むマンションを見上げて、ついうっかり
「聖地巡礼」
などと呟いたとか呟かなかったとか。
幻聴か。聞き間違いか、
どっちだ?なんて真剣に考えていた俺はリスナーのコメントで夢じゃないと実感出来た
ーえ、□□さんのお願い事かわちぃ
ー家デートゲット出来てよかったね!
ーもうこれはあれですか匂わせですか好き
流れるコメントを見ながら人生で最大級に顔が緩んでいる自覚はあるが、
ニヤニヤが止まらない。
その後、浮かれまくる気持ちをなんとか押さえつけて最後まであくあさんと一緒に配信を終える事が出来た。
最初から最後まで賑やかなコメントと、
時折リスナーに翻弄されるあくあさんが可愛らしくて、
この時間が大切だな、と思えた
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そしてあくあさんのお宅訪問当日。
約束の時間より少し早めに家を出て、待ち合わせ場所として指定された場所、コンビニへと向かった。
コンビニが視野に入った時には、
無意識ながらも駆け足で、コンビニへと入り
そして会いたい人を見つける事ができた。
(俺、服装変じゃないよな…)
一瞬自分の身につけている白黒のシャツを見た後、
流行る気持ちのまま、彼の肩に手を乗せた。
振り返った彼はSNSで上げていた写真以上に細身で、俺より少しだけ身長が低く
気にしているのか厚底の靴を履いていた
(この靴脱いだら…もっと身長低いって事かぁ。そういえば身長の話とか配信の時、触れてなかったな…あれは意図的だったのか)
脳内ではあくあさん情報が随時更新され続けていて、止まることは無い。
サイトでは顔を晒して居なかったから
なんとなくこんな感じかな。あんな感じかな、と想像をしてはいたが…
実際目の前にいる彼はアイドル顔負けで。
住む世界が違うのでは、と真剣に考えてしまった。
そんな俺を知ってか知らずか、
コンビを出た後、あくあさんが『□□さん、なんかかっこいいね!びびったー』
なんてお世辞を言うものだから…、
心臓に悪い。
ちょっと困り顔で、頬を赤らめているだけなのに
やましい気持ちになるのは…何でだろうか
(取り敢えず、今あくあさんが吐き出した空気を俺が吸っちゃったかもしれないんだが…お支払いはしなくていいんだろうか)
自分だけがこんなにご褒美をもっていいのか
ちょっと躊躇ってしまうのは、
1ファンから…もしかしたら、今日、
友達、くらいには仲良し度がレベルアップするかもしれない…
という下心があるからだ。
『じゃあ行くかぁ、俺ん家』
「あ、はい。お邪魔します」
『まだ家着いてねぇけど!?気が早いって』
肩を並べて歩き出す。
彼が一歩一歩、歩く度さらりと揺れる蜂蜜色の髪から甘い香りが香ってきて、
不意打ちのそれにドキドキが増した
好きが…止まらないってこう言うこと、なのか
1つ1つに胸が躍って、
ちょっとした事が宝物になる、
「俺あくあさんに出会えて良かったです」
『ど、どうした…?大丈夫、か?』
「はい。今、噛み締めてました」
『何を!?』
歩きながら俺が思わず溢した言葉に、何故かびくつくあくあさんが…愛おしい
この時間が続けばいいのに、
と、そう願ってしまったのはここだけの話し
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あくあさんの住むマンションを見上げて、ついうっかり
「聖地巡礼」
などと呟いたとか呟かなかったとか。
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