配信ボタン切り忘れて…苦手だった歌い手に囲われました！？お、俺は彼女が欲しいかな！！

コラボ申請

『え？□□さん来てくれたんすかー！！うれしいなぁ』

苦手とは言えそれを表に出す事は許されない

今のご時世何がどうなって炎上に繋がるか分からないし、配信をしている以上は多種多様な人と関わる事になるわけで…、

それをいちいち避けていてはキリがない。

『俺の枠に来てくれたのこれで2回目じゃーん！超嬉しいんだけど』



あの日、『好きです』と言われて、

彼がこの枠に来たのはたったの2回・・だけ





毎回来てくれるリスナーは認知しているし、なんなら同業者も、大体何回くらい来てくれたか把握している。

入室時にリスナーの名前が出る訳では無いが、コメントやアイテム、あとサポートしてくれているかで俺のリスナーかどうか分かるのだ。

でも□□さんは俺のSNS、配信アプリすらフォロー、サポートすらしてくれなかった



ただその場のノリで簡単に告白できる人、

そう人柄が分かった時…、

なんとも言えない感情が込み上げた。あの日、何気に言ったのかもしれない一言に俺は…、


嬉しくて。浮かれてしまった。

後から振り返るとかなり滑稽で馬鹿だった、といえる。配信者がよくやる手口だったのに

リスナーが聞いているから相手を煽てるだけ

運良くリスナーが自分側に付いてくれればラッキー、それが配信者あるあるだ


俺たちは声で勝負しているとも言える、

いつリスナーを取られてもおかしくはない世界





実際、あの日、□□さんが俺の枠に上がってきて最後に告白めいた言葉を言った後、

枠のコメントは凄い勢いで流れ、
また彼のフォロワー数が増えた。

俺はいいように利用されただけだと知ったのは…、


かなり後だった。






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落ち込みかける気持ちとは裏腹に、リスナーはテンションが上がっているのかコメント欄は止まることを知らず、

終いには、

ｰ□□さんとコラボしてほしぃ！

ｰ推し×推し



なんていうコメントが流れた時には、盛大に頬が引きつった。

『あー…じゃあ、□□さんさえ良かったら上がる？無理だったら無理しなくても、』



出来れば断ってくれ、

そんな願いは、秒で踏みにじられることとなった。

コメントで返事が来るかと身構えていたのだが、いきなりコラボ申請が届き…


うっかり白目になりかけたのはここだけの秘密だ。