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突然のDM
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なんとか謝罪配信兼煽り配信を終えたその夜
DMが来た。
喜んでいいのか泣いていいのか分からないがあの放送事故後、裏でリスナーだけでなく同業者…つまり配信者からも絡まれる様になりDMは追いつかないほど来ていた。全部を読めるのか、いや気合いで読むのだが
何年かかるだろうか…、
思わず遠目になりつつ、今きたばかりのDMをタップする。アイコンに見覚えがあった、とか。知り合いだったから。ではなく、
真新しく来た順で見ていこうとして開いたのが…、
□□さんだった。
俺はこの人のことを四角四角さんと呼んでいるのだが…未だに読み方が分からない人で。
駆け出し歌い手ユニットメンバーの1人でもあり、ユニットを組んで爆発的に人気が出たグループの副リーダーだ。
とは言っても、いちいちアイコンなんて覚えてるはずも無く、
特に気にもせずに開いたDMの内容に俺は…
一瞬アホ面を晒す事となった。
□
■
□
“突然のDM失礼致します。ディラのメンバーで、□□です。
明日企画をするのですがあくあさんに参加して頂きたくお声掛けさせていただきました。今、パソコンが壊れているとの事なので、スマホからの参加で大丈夫です。
良き返答を期待しています。追伸ディス○の番号は––––”
『…まじか、』
DMを読み終わり、ぽろりと呟いたのはその一言だった。安定の語彙力?ほっとけよ。どうせ語彙力低いですよーだ。…にしても、だ。
(急だなぁ…、)
認知はしていた。
急激にファンが増え、オリジナル曲まで発表し、なんならつい最近グッズまで出し始めた売れっ子歌い手グループ。
□□は副リーダーで、人気は常に1位か2位をキープしているイケボ男子で、
歌い声を聞いたリスナーは『耳が孕む』なんて良くSNSで呟いている。
俺もこっそり聴きに行った事はあるにはある、が…
如何せん俺が彼を苦手、というか。
なんだろうな。1回絡んだ時が色々と濃ゆかったからだろうか、
つい身構えてしまうのだ。
“俺…あくあさんが好きです”
あの日、イヤホン越しに聞こえた声に俺は…
なんとも言えない感情が胸を締め付けられた。それからというもの、彼とは極力関わらないようにしてきたのだが…、
まさかのDMである。
(好き、なんていくら営業でもゆーなよな)
開いていたDMと軽く睨めっこをした後、
俺はポチポチと文字を打っていく。
その指に迷いはなかった。
DMが来た。
喜んでいいのか泣いていいのか分からないがあの放送事故後、裏でリスナーだけでなく同業者…つまり配信者からも絡まれる様になりDMは追いつかないほど来ていた。全部を読めるのか、いや気合いで読むのだが
何年かかるだろうか…、
思わず遠目になりつつ、今きたばかりのDMをタップする。アイコンに見覚えがあった、とか。知り合いだったから。ではなく、
真新しく来た順で見ていこうとして開いたのが…、
□□さんだった。
俺はこの人のことを四角四角さんと呼んでいるのだが…未だに読み方が分からない人で。
駆け出し歌い手ユニットメンバーの1人でもあり、ユニットを組んで爆発的に人気が出たグループの副リーダーだ。
とは言っても、いちいちアイコンなんて覚えてるはずも無く、
特に気にもせずに開いたDMの内容に俺は…
一瞬アホ面を晒す事となった。
□
■
□
“突然のDM失礼致します。ディラのメンバーで、□□です。
明日企画をするのですがあくあさんに参加して頂きたくお声掛けさせていただきました。今、パソコンが壊れているとの事なので、スマホからの参加で大丈夫です。
良き返答を期待しています。追伸ディス○の番号は––––”
『…まじか、』
DMを読み終わり、ぽろりと呟いたのはその一言だった。安定の語彙力?ほっとけよ。どうせ語彙力低いですよーだ。…にしても、だ。
(急だなぁ…、)
認知はしていた。
急激にファンが増え、オリジナル曲まで発表し、なんならつい最近グッズまで出し始めた売れっ子歌い手グループ。
□□は副リーダーで、人気は常に1位か2位をキープしているイケボ男子で、
歌い声を聞いたリスナーは『耳が孕む』なんて良くSNSで呟いている。
俺もこっそり聴きに行った事はあるにはある、が…
如何せん俺が彼を苦手、というか。
なんだろうな。1回絡んだ時が色々と濃ゆかったからだろうか、
つい身構えてしまうのだ。
“俺…あくあさんが好きです”
あの日、イヤホン越しに聞こえた声に俺は…
なんとも言えない感情が胸を締め付けられた。それからというもの、彼とは極力関わらないようにしてきたのだが…、
まさかのDMである。
(好き、なんていくら営業でもゆーなよな)
開いていたDMと軽く睨めっこをした後、
俺はポチポチと文字を打っていく。
その指に迷いはなかった。
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