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本 編
18. ジェイが悪い ★
しおりを挟むシャワーを浴びた後、いつものベッドに運ばれて俺に覆い被さって来たジェイに、上から見下ろすように見詰められる。
俺の好きなエメラルドの眼が、喰い入るように俺だけを見ることに愉悦を感じる。
「ジェイ……俺、ジェイの番に為る。俺をジェイの番にして……?」
ジェイの両頰に手を添えて、彼のエメラルドを見返す。
「ああ、勿論だ。雪乃が俺の番だ」
ジェイの大きな手が、俺の手の上に重なった。
「ジェイが好き……凄く、好き……ずっと、俺のアルファに為って欲しかった。まだヒートは来ないから、ちゃんと番にはなれないけど……ヒートが来たら番にして……」
ジェイは、俺の両手首を握って顔から外すと、俺の顔の横に縫い留めた。
「雪乃、俺が欲しいのは雪乃だ。俺のオメガは、お前だけだ。……必ず、雪乃を番に為る」
ジェイの唇が降りて来て、俺の唇を喰んでから口内に舌が潜り込んで来る。
何度しても、飽きずに絡め合う舌。美味しいから、何度でも味わいたくなる。
一頻り絡め合って離れる。
お互いの首筋に懐き合って、互いの匂いに酔いしれる。本当に、良い匂い……
ジェイの唇が首筋を喰んで、吸い付いて、軽く噛まれる。時々、キツく吸われて、さわりとする。
耳も舐められ、吸われて、甘噛される。
ピチャ……という小さな水音に、ゾクリとする。舐められるせいなのか、その水音のせいなのか……身体がゾクゾクと震えた。
「ぁ……ぁ……」
ジェイの首に腕を回して縋り付く。顔や耳、顎や喉、首筋から鎖骨へ……ジェイの唇がどんどん移動して行く。二の腕の内側に吸い付かれたり、腋に鼻を埋められて嗅がれたときは、擽ったさと恥ずかしさで身体を捩った。
ジェイの手が腰から脇腹を撫で上げ、胸を撫でて来る。
既に勃ち上がっている小さな乳首の上を何度も通り過ぎて……もどかしい……
そして、漸く乳首を構い始めた。親指で両方の乳首を撫でる。
「ん……」
クリクリと転がしながら、ジェイの唇が乳首の斜め下辺りにキツく吸い付いて来た。
乳首ではなく、性感から外れた場所を吸われて、もどかしい……それなのに……ジェイは、そこばかりにキツく吸い付いて来る。
「ぅ~……ジェイ……」
ジェイのくるくるの髪を撫でながら、つい、不満気な声が出てしまう。
ジェイは、少しだけ顔を上げて上目遣いに俺を見る。
「お返し。これで、雪乃にも俺の名が付いた」
胸を見下ろすと、吸い付かれた場所に……歪なJのアルファベットが刻まれていた。
「後で、写真を撮ろうな」
ジェイがにこにこして不穏なことを言いながら、直ぐ側の乳首をキツく吸い上げた。
「アッ……!」
思わず、甘えた声が上がった。
「真っ赤な乳首の側に……Jの文字……最高だな、雪乃?」
俺が付けた、キスマークの仕返しだ……
ジェイは、俺が付けたキスマークを凄く喜んでくれて、スマホで撮影するほどだった。
まさか……俺まで撮影するつもりなのか……?
ジェイしか見ないのなら、別にいいけど……
「写真よりも……実物を見た方が良くない……?」
「当たり前だ。俺だけに許された特権だからな。でも、写真も欲しい。雪乃のものなら、何でも欲しい……」
ジェイは、言いながら乳首を舐めしゃぶる。反対の乳首は指で軽く摘んで、優しくコリコリと磨り潰すように転がされて、身体に甘い疼きが生まれる。
「ㇷ……ッ!……ぁ……ジェイ……」
舐められていた方も摘まれて、乳首の先端を舌先でチロチロと舐められて、もどかしいような疼きが溜まっていく……
擦り寄せた脚にジェイの陰茎が触れた。俺ばかりが攻められるのも癪だから、膝でぐりぐりと刺激する。
「っ……!……雪乃……そんなに欲しいのか……?」
両方の乳首を少しだけ引っ張り上げられ、クリクリっとされて強い刺激に胸を反らす。
「ァ……アッ……!……ぅンンッ……!」
ジェイのエメラルドが俺を喰い入るように見詰めながら、乳首を交互に舐められて吸われる。
「ぅっ……!……ジェ……イっ……!」
身体がピンっと張り詰め、胸から下腹部へと繋がっているような感覚がして、何かが込み上げてくる。
片方の乳首から手が離れ、俺の陰茎を撫でられて腰が跳ねた。
先走りが出ていたのか、濡れているみたい……
ジェイの唇が胸を離れ、お腹を啄むように吸い上げながら下に下りていく。
「……雪乃……良い匂いだ……」
ジェイが蕩けた顔で俺の陰茎の先に吸い付いた。
「ッ!……ジェイッ……!」
俺の両足を開いて身体を割り込ませながら、先端を舐め上げられる。
気持ち良いけど、そこじゃ足りない……熱が燻るだけで……イケない……
「ジェイ……ジェイ……っ……」
腰を捩りながら、ジェイの名を呼ぶ。
「ん……足りないのか? 雪乃は、こっちじゃイケないもんな」
俺がもの足りないのが分かっていたのか、ジェイが顔を上げてニヤリと笑った。
ジェイは、俺の陰囊をパクリと食べて、舌と上顎で揉みしだく。会陰を指でなぞりながら、後孔の入口を撫でてくる。
「ンっ……ジェイッ……!……ジェイ……ッ……!」
ジェイのくるくるの髪に指を差し込んで握り締めた。
「……雪乃のここ……ちょっと、濡れてるな……」
言われると同時に、ジェイの指の先がほんの少し中に入って来る。
オメガ性が起きたから、濡れるようになったんだ……
でも、まだ本格的に濡れるわけじゃないみたいで、滑りが足りない。ジェイは、予めベッドに転がしておいたローションを手に取り、俺の腰を膝の上に大きく抱え上げた。
そうされると、身体が『く』の字になって、ちょっと苦しくなる。
この体制だと、俺の後孔にジェイが指を挿れるところがすっかり見える。それが、恥ずかしいけど……どうしても目が行ってしまう。
ローションを少しずつ垂らしながら、ジェイのゴツゴツした長い人差し指が俺の中へと埋め込まれる。ヌチヌチと小さな音を立てて、出し入れされる。
その音が……何だかとても厭らしくて……興奮する……
「ふうぅ……ぅ……ン……っ!……ハッ……ハァ……ァ……!」
息を荒げた俺の……厭らしく漏れ出る声と、小さいけどよく響く……ヌチヌチ……チュクチュク……と鳴る、粘度のある水音……そして、ジェイの興奮した荒い息遣いだけが、部屋の中に響いている。
指が増やされて行く度に、濡れた音は……グチュリ、グチュリと大きくなって行く。
時々、前立腺を刺激されてビクリと身体が跳ねた。
「ジェイっ……!……ま、だあぁ…ッ…!?……ジェイ……早くッ……なかにっ、……きて……ぅあんッ……!」
早く、俺の胎内に来て欲しい。ジェイのその大きいもので、俺の胎内をみっちりと埋めて欲しい……
だって……そうして貰えると、ジェイを一番近くに感じられるから……だから……早く……
「っ雪乃っっ……!」
ジェイも早く入りたかったのか、あっと言う間に指を抜いて、俺の後孔に陰茎の先端を充てがうと、焦らすことなくズブズブと入って来た。
ミチミチと俺の胎内を拡げながら、止まることなく押し入ってくるっ……! だけどっ……!!
「んん゙ん゙ぅぅッ~~!?……ヤアァぁああッ……ぬ、……抜いてっ……バカッっ……!……ジェイのっ……!……バカァぁぁっっ!!」
「ハアァ゙……!?」
ジェイの胸をベチベチ叩きながら、グイグイと押しやる。だけど、ジェイの身体は動かない。両手首を掴まれてベッドに張り付けられる。
その動きのせいで、より深くジェイのソレが奥まで入って来た。
「ん゙あ゙ぁ゙あ゙あ゙ぁ゙ぁ゙っ!!」
「雪乃っ……! 早く挿れろと言ったのはっ……! 雪乃だぞっ!?」
憤ったようにジェイに言われて、腰を振られたっ……!
「ヤダッ……!…ヤだっ……!…ん゙あ゙~ッッ!! 抜いてっ……!! ジェイのじゃっ……ないっっっ……!!!!」
「チッ……!……クソッ……!!」
凄く、凄く、凄く、嫌だった。
半狂乱になって泣きながら暴れ喚く俺に、ジェイも戸惑って舌打ちしながら、ズルリと引き抜いてくれた。
ジェイが俺に覆い被さって来て、キツく抱き締められる。
「雪乃っ、雪乃っ……! 何が嫌なんだっ……!?」
今にも噛み付きそうな押し殺した声で、ジェイが問い掛ける。その声には、怒りが滲んでいた。
「だっ……だってっ……!……ぅ゙ぅ゙……ジェイがッ……悪いっ……!!」
俺が泣きながら反論すると、ジェイのエメラルドが見たことがない鋭さで俺を睨みつける。
「俺のっ、何がっ、悪いんだっ!?」
怒りの混じった強い口調で言われて、怯みそうになる。
「ぅゔゔ~……! ゴムなんか着けるジェイが悪いっ!!」
「っ!?」
俺が叫ぶと、ジェイがぐっと言葉に詰まった。
「……ジェイの感触じゃなかったからっ……! 凄く、気持ち悪くて嫌だったっ……!! ぅ゙ぅ゙ぅ゙~……!」
「…………」
俺が泣きながらジェイを睨みつけると、ジェイの顔が……どんどん変な顔になっていった。
「……ア~……うん……俺が……悪かったよな……?……うん……俺が、悪かった……泣くな……雪乃……ほら……ゴムは取るから……」
困り顔のジェイは、慌てたようにゴムを外して俺を抱き締めて、頭を撫でて来る。
「うぅ゙!……ジェイがっ……欲しかったのにっ……!!」
「アー……うん、そうだな…………悪かった……一応……あれも、俺なんだけど……」
「っ!? ゴムの感触だったっ……!!」
ジェイの言葉に喰って掛かる。
ジェイとゴムは、全然違うっ!
「うんうん。そうだな。俺の感触じゃなかったもんな? ごめんな?」
困惑顔だったジェイは、何故か俺を宥めながらニヨニヨと笑っていて、頻りに謝ってくる。
「雪乃が欲しかったのは……こっちだもんな?」
ジェイは優しく言いながら、俺の胎内に生身の陰茎をズルるるっと埋めて来た。
「ンん゙ん゙あ゙あ゙あ゙っッ!!」
一度、拡げられた俺の後孔は、容易くジェイを受け容れた。間違いなくジェイの感触がすることに、身体が歓喜した。
「ごめんなッ……!! 雪乃ッ……! もうッ……二度とッ! ゴムはッ! 使わないよッ……!!」
「はぅッ……ん゙あ゙ッ……!……アァァァッ!!……ジェイッッ……!!」
興奮したジェイに容赦なく腰を振られて、スパームを押し出されるみたいに、何度も何度もイかされた。
それからは、何度も何度も……ジェイの名前を呼んで、胎内にジェイのものを注がれて身体が震えた。
それでも、興奮したジェイは止まらなくて、腰を振り続ける。イキ続けている俺は、訳が分からなくなって、俺の胎内をみっちりと埋めるジェイの陰茎と、お腹の中に溜まるジェイのスパームに、凄く幸せを感じた。
その内に……体力の限界が来て、眠るように意識を落とした……
目覚めると、ジェイの腕の中だった。
何だか……身体が熱い……お腹がジンジンする。
ジェイの匂いに……ムラムラする……
昨夜、したばかりなのに……
でも、まだ番になっていない。
まだ……俺のものになっていない。
ジェイの胸に額を付けながら視線を下げると、くるくるの下生えから、ポロンと横たわる陰茎が見えた。
凄く……可愛く見えた……
陰茎なんて可愛いはずがないのに……ましてや、ジェイのサイズとなると……尚のこと、可愛いはずがない。
だけど……コロンと力なく寝ているそれは、とても愛らしい……
吸い寄せられるように、ジリジリと下に下がって行く。
ジェイの身体も俺の身体も、昨夜の汚れがない。お風呂に入れてくれたのかな……シーツも綺麗になっているし。
ジェイのお腹の辺りまで下がって、じっと陰茎を観察する。
触ると、ふにゃりとして気持ちが良い。その感触が楽しくて、ふにふにと握って遊ぶ。
俺にも同じものがあるけど、他人のものを触る機会などない。……当たり前だけど。
こんなに、ふにゃふにゃなものがあんなに大きく勃起するなんて……人間の身体って凄いな……
そんなことを考えながら弄んでいると、ちょっとずつ大きくなって来た……
直ぐに、育ってしまった陰茎が硬くなる。硬いけど、肉の柔らかさもあって、やっぱり触り心地が良い。それに――
――凄く、美味しそうな匂いがする……
何だかその匂いを嗅いでいたら、俺の後孔が落ち着かなくて……濡れてきた……?
匂いに堪らなくなって、ジェイの先端にパクリと喰い付いた。勿論、歯は立てない。
先端をチロチロと舐めると、美味しいものが滲むように出て来た。
頭が……ぼーっとする……
もっと、美味しいものが欲しくて、ちゅうっと吸い上げる。太い竿部分を両手で掴んで、ちゅうちゅうと吸い付いていると、陰茎がピクリと震えた。
何だか……小動物のようで可愛い……
夢中で舐めて吸っていると、陰茎がピクピクと震えたと思ったら、頭上から息を詰めるジェイの声がして、口の中にたくさんのドロリとした美味しいものが吐き出された。
美味しいから、必死に飲み込んだ。
一滴たりとも零さないように舐めとり、全部寄こせと言わんばかりに吸い上げた。
萎えかけていた陰茎は、直ぐに力を取り戻し立ち上がる。
「ン……ンン……」
ジェイが呻いて身体を身動がせ、仰向けになった。舐めていた陰茎が遠ざかる。
ジェイの顔を見上げると、目を閉じて眠っていた。
昨日、眠っていた時よりも、目の下の隈は薄くなっている。良かった……
起きる気配のないジェイを見詰める。後孔から……トロリ……と何かが流れ出る感触がした。
慌てて触れるとヌル付いていて、触れた指先を確認する。……透明なもので濡れていた……
俺の……愛液……?
何か……凄く疼く……この、匂いのせい……?
目の前には、欲しいものが硬くそそり勃っている……ゴクリと唾を飲む。
欲しい……あれが欲しい……俺の後孔にアレが欲しい……
気が付けば、ジェイの身体の上に跨がっていた。
頭の中は、ジェイの陰茎でお腹を満たすことしか考えられなくなっている。
ジェイの陰茎を掴んで、後孔に押し当てる。
愛液でヌル付く後孔にゆっくりと陰茎を沈めていった。昨夜したばかりだったお陰か、目一杯拡がる感じはするけれど、簡単に呑み込んで行く。
「フゥ……っ……ァアアッ……!……ン……ンンッ……!」
ミチミチとお腹の中を拡げられて行く感覚と、前立腺を潰される感覚に……身体がふるふると震えて、甘い声が勝手に漏れ出る……
欲しかったものが、身体の隙間を埋めるようにミッチリと俺の胎内に収まった。
お腹の中の大きな存在感に、満足する。
ずっと、ここに居れば良いのに……
お腹を撫でると、ゾクゾクとした甘い疼きが奔る。
はぁ……と、熱い吐息を溢す……
――こちらを見るエメラルドと、目が合った……
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