30 / 66
本 編
J−ⅩⅣ Loneliness and Overwhelmed by Anxiety 【孤独と焦燥】
しおりを挟む雪乃が目覚めない……
雪乃を思う存分抱き潰した後、一緒に寝落ちてから目が覚めたのは夜だった。
二人共、身体の汚れが酷い。雪乃の胎内にスパームを出したままだと思い出し、眠っている雪乃を慌てて抱き上げ、バスルームへと連れて行った。
寝台に乗せて、シャワーのお湯を掛ける。
お互いのスパームが乾いてこびり付き、雪乃のアナルの入口も、俺の乾いたスパームで糊付けでもされたみたいに固くなっている。
無理に指など入れたら、雪乃のアナルが裂けてしまいそうだ。
本当は、体力を消耗しているから湯に浸かるべきではないが、アナルを傷つけるよりはマシだと思い、バスタブに湯を張った。序でに、泡風呂にした。
湯が溜まるまでは、雪乃と俺の髪を先に洗う。
まだ、浴槽の湯は半分も溜まっていなかったが、バスタブに雪乃を抱えながら入る。スポンジで身体を撫でるように洗いながら、乾いた汚れがふやけて来るまで待つ。
雪乃のアナルを指で撫でるように汚れを落として行き、胎内に入った分も丁寧に掻き出す。
散々、出し切った後だったから欲情せずに遣り切ることが出来た。
それからは、雪乃に服を着せて髪を乾かす。一旦、ソファに寝かせ、シーツと毛布、枕も変えて雪乃をベッドへ寝かせる。
雪乃はその間、一度も目覚めることはなかった。
夕食を一人で摂り、雪乃に経口補水液を口移しで飲ませ、その後は雪乃を抱き締めて眠りに落ちた。
次の日の昼を過ぎても、雪乃が目覚めない。
熱を測ってみると、高熱ではないが微熱よりは高かった。
流石にまずい気がして、狼王……コーガに連絡を取る。
コーガは、神田を連れて直ぐに訪ねて来た。
「お前……」
コーガの低い低い声と共に、凍てつきそうな強烈な威圧が浴びせ掛けられる。
「くっ……!……やめろ……同意の上だ」
雪乃にベッタリと着いた俺の匂いで、セックスしたことが分かったんだろう。しかも、何度も雪乃の中に出したから匂いは強烈だ。
「ほう……?」
雪乃が眠っているので、俺だけの言葉では信用がないらしい。
「……雪乃が俺の子を欲しがった……責任は取る」
眼を眇めて睥睨していたコーガは、暫くの間、俺を見据えた後に大きく溜め息を吐いた。
「神田先生、雪乃を診て貰えるか?」
コーガは、神田に視線を逸らした。
漸く、重苦しい本気の威圧から解放される。
「分かりました」
神田が近付いて来て、予め、ベッドの端に移動させていた雪乃を診察し始めた。
「コーガ……雪乃はオメガだろう? 何か、病気なのか? 何故、フェロモンの匂いがしない?」
コーガに近付いて問い質す。
「――雪乃が、オメガだと言ったのか?」
コーガの灰色の目が鋭く、ギラリと光ったような気がした。
その目はまさに、狼王と呼ばれるに相応しいものだった。
「ああ。熱で朦朧としていたけどな。雪乃が運命の番と、番わなかったことも聞いた。そのせいで、眠ったと言っていた。何が眠ったんだ?」
コーガは、俺を無言で見据えてから漸く話し出した。
「雪乃は、運命の番との繋がりを絶ち切って、オメガの機能を全て眠らせたんだよ」
「そんなことが……出来るのか?」
驚いて、コーガの顔をまじまじと見詰めた。
「普通は、出来ないよ」
神田が話に加わってくる。
「自らの意思で、オメガの機能全てを……本脳の塊でもあるヒートまで押さえ込めるオメガなんていないよ。前例もないしね」
神田は、俺達の側に来て苦笑した。
「雪乃の容態は?」
コーガが尋ねると、神田は難しそうな顔をする。
「今は、何とも言えません。――ただ、雪乃くんがオメガ機能を止めた時と似ている気がします……もしかしたら、暫く眠り続けるかも知れません。検査の為にも、病院に入院して貰いたいですね」
神田の言葉に、コーガも難しそうな顔で頷く。
「ならば、直ぐに手配を」
コーガが同意すると神田は、頷いてスマホを取り出し、俺達から離れて行った。
「雪乃を入院させるのか? なら、俺も行くぞ」
雪乃から離れたくない。
コーガは、腕を組んで考え込んだ。
「ジェイデン。お前、雪乃とどうなるつもりなんだ?」
コーガの灰色の眼が銀色に輝いたように見えた。その、強く鋭い眼に見据えられる。
「俺の運命は、雪乃だ」
コーガの目が、スッと細められた。
「どういう意味だ? 自分が雪乃の運命の番だとでも言うつもりか?」
「俺の運命の番など知らん。俺は、雪乃に惹かれているし、惚れている。愛してる。俺は、雪乃と絶対に番う。――よろしくな、Dad」
ニヤリと笑って見せると、コーガの頬が引き攣った。
「……やめろ……まだ、お前のDadじゃない。もし、お前の運命の番が現れたらどうするつもりだ?」
コーガは、顔を顰めて俺を見た。
「俺がもし、雪乃を捨てて運命の番を選びそうになったら、コーガが狼共を引き連れて、俺を雪乃の元に連れ戻してくれ。鎖に繋いででもな。頼むよ……Dad……」
これは、俺の本心だ。万が一、俺が運命の番に心変わりしたのなら、雪乃の元に連れ戻して欲しい。
その後は、雪乃が俺をどうするか決めればいい。
俺は、真剣な目でコーガを見据えた。
「ほう……いいだろう。雪乃がお前と番うことを望むのなら、私は口を出さない。それと……まだ、お前のDadじゃない」
「Cheers ! Daddy!」
満面の笑みで礼を言うと、コーガの蟀谷に青筋が浮き出た。
「だが、今回は同行を認めない」
気を取り直したコーガが、きっぱりと言い放つ。
「……何故だ?」
俺は、笑みを引っ込めてコーガを睨んだ。
「雪乃が最近体調を崩すのは、お前が原因じゃないのかと思うからだ」
「ッ……! それは……」
否定出来なかった……
雪乃が最初に熱を出したのは、俺とキスしてからだ。俺の唾液を飲んだせいかも知れない。
雪乃にペニスをしゃぶられた時、俺のスパームを大量に飲んだ後も高熱が続いた。
雪乃と初めてセックスした時も、その後に高熱を出した。
そして、今回も……
「……手は出さないから、連れて行け」
側に居るだけでいいんだ。
「駄目だ。大人しくここで待て、ジェイデン」
コーガにバッサリと切り捨てられる。
「コーガっ……!」
ギリッと歯を喰いしばって、コーガに強い威圧を放ってしまった。
「チッ……! 威圧をやめろ。くそガキっ……! それを病院でやられたら大迷惑なんだよっ!」
コーガは舌打ちして忌々しそうに顔を歪め、俺に威圧をぶつけ返してくる。
ハッとして、威圧を引っ込めた。
「~~~ッ……!」
俺が何も言い返せずにいると、コーガがデカい溜め息を吐いて鼻を鳴らした。
「退院したら、一度、雪乃を連れて来てやる。それまでは、大人しくここで待っていろ」
コーガは、そう吐き捨てて雪乃を抱え上げようとした。俺は、咄嗟に雪乃とコーガの間に身体を滑り込ませる。
「――何の真似だ?」
銀色に光る目に、鋭く刺すように睨まれた。
「――車までは、俺が運ぶ……」
拒絶されない内に雪乃を抱き抱える。いつも通り縦抱っこだ。
「――いいだろう」
コーガは、俺を一瞥して先に立って歩き出した。
俺は、その後をノロノロと付いて行く。
少しでも長く、雪乃と居る為に……
コーガは遅れがちな俺を何度か振り返ったが、何も言っては来なかった。
雪乃を車に乗せて頬を撫でる。
なかなか離れない俺に、コーガが痺れを切らして威圧をぶつけて来るまで、雪乃の頬を撫で続けた。
遠ざかって行く車をずっと見詰め続け、見えなくなっても……その場を動けなかった。
部屋に戻った俺は、ベッドに倒れ込む。
酷い喪失感が襲って来る。
雪乃と出逢って、九日位か……十日も経っていない。
なのに、ずっと一緒に居たような気さえして来る。
ぼんやりと、自分の隣を眺める。
そこに、雪乃の姿はない……
このベッド、こんなに広かったか……?
雪乃と居た時間は、夢だったような気がして来た。
自由に外の世界に行けないことも、一人でいる時間も、退屈だとは感じていたが、寂しいと感じたことはなかった。
それなのに今は……凄く、寂しい……
ずっと、傍にあった温もりが……今はない……
何もする気が起きなくて、そのまま眠りに落ちた。
それからの毎日は、寂しさと焦燥の日々だった。
何もする気が起きない。焦りのような苛立ちが収まらない。
一日に何度もコーガに連絡して、雪乃の様子を聞いては怒鳴られる。
それでも、しつこく連絡をしていたら、雪乃の幼い頃の写真がスマホに送られてきた。
急いで、パソコンに落としてバックアップを取り、高画質で印刷して写真立てに収め、部屋に飾った。
もっとないのかと、コーガに連絡したら……また怒鳴られた。それでも、しつこく連絡をしたら何枚か送られて来た。全てバックアップを取り、印刷して部屋に飾った。
でも、今の雪乃の写真がない。
雪乃は、まだ目覚めないんだろうか……?
雪乃の容態を知りたくて、やっぱりコーガに連絡する。そして、怒鳴られるの繰り返し。
そうしたら、一つのアカウントとアプリが送られて来た。
アプリにそのアカウントを使って入ってみると、病院のベッドで眠る雪乃の姿が映し出された。
コーガに連絡を入れると、ブロックされた……
Shit……! Wolf Kingめッ……!
まあ、いい……
どうやら、リアルタイムらしい雪乃の映像が見られるのなら、オヤジに用はない。
大画面のテレビにも映せるようにして、眠る雪乃をずっと眺める。
日に三度、点滴を受けているようだ。
二日に一度、女性の看護師が雪乃の身体を拭く。その度にイライラが募る。
コーガにはブロックされたから、今度はジーノに連絡を取る。
雪乃の身体は俺が拭くから病院に連れて行け、と、ゴネた。
『巫山戯るな』
ジーノは、一言だけ言って電話を切った。
そうしたら、ジーノの番からテーマパークで撮ったらしい、俺と雪乃の写真が一枚送られて来た。
ジーノの番、確かフミトだったか……いい奴だな……
俺が狼のパペットにキスをして、雪乃が見惚れている写真だった。当然、バックアップを取って部屋に飾った。
今度はジーノに何度も連絡していると、ジーノにブロックされた。
Shit……! Devil Wolf めッ……!
ミーノとゼーノにも同じことをして、ブロックされた。
ミーノとゼーノは、日本に帰ってしまったから国際電話だった。時差のことを忘れていた……
『何時だと思ってるのよっ……!?』
『夜中に電話してくるなっ……!!』
ミーノとゼーノに怒鳴られた。
だが、あいつ等の番から写真を貰えたのは良かった。ジーノ達はともかく、あいつ等の番……フミト、ランカとセレイアは良いやつらだ。今度、何か贈っておこう。
そうやって気を紛らわせていられたのも、二十日までだった。
雪乃は……目覚めない……
リアルタイムで映し出される雪乃は、ピクリとも動かない……
シャワーを浴びるたびに、雪乃が付けた噛み跡をなぞる。本気で何度も噛み付いてくれたお陰で、薄くはなったが……まだ消えそうもない。
この噛み跡を見るたびに、雪乃の存在を感じられて安心する。
この噛み跡が消えてしまったら…………
…………雪乃に会いたい。
意識がなくてもいい。傍に居て、抱き締めたい。
雪乃に会いたい気持ちが、どんどん膨らんで来る。
雪乃……雪乃……雪乃……
堪らなくなって、感情を抑えられなくなって、急いでバスルームを出て服を身に着けた。
髪も乾かさずに走り出し、玄関に向かった。
外に出て、車を停めているガレージに向かう。
「Hey! Emperor、どこに行く?」
マティーロに声を掛けられた。
「……雪乃に会いに行く」
口早に答えると、マティーロが慌て出した。
「Goddessに……!? 冗談だろッ……!?」
駆け寄って来るマティーロを無視して、足を速める。
「Hey!! Emperor!! 止まれッ……!!」
強い口調で制止してくる、マティーロ。
俺は、無視して先を急ぐ。
邪魔するな。俺は、雪乃に会いに行くんだっ……!
「Shit……! 悪く思うなよ……!? Emperor……!!!!」
マティーロがやけくそ気味に叫んだ後、バシュッ! という、サイレンサー付きの銃声の音がしたと思ったら、背中に針を突き立てられたような痛みが奔り、その場に足元から崩れて倒れ込んだ。
頭がグラグラして、意識が途切れた……
目を覚ますと、悪酔いしたみたいに気分が悪かった。
自分の部屋のベッドに寝ていた。
混濁する頭で記憶を辿る。
確か……雪乃に会いに行こうとしていたはずだ……
「雪乃……」
起き上がろうとしたが、身体が思うように動かない。
そういえば……マティーロに撃たれたんだったな……
麻酔弾か……?
雇い主を撃つとは、いい度胸だ。
「起きたのか? Idiot Emperor」
心底バカにしきった声で話し掛けてきたのは、ジーノだった。
「……何で、お前が居る……?」
ぼんやりとジーノを見上げる。
「お前が単身で病院に乗り込みそうだと、連絡が来た。手術中の患者だっているんだぞ? 生死が危うい患者だっている。お前の威圧で、何人も死者が出たらどうするつもりだ? マティーロに感謝しろ」
ジーノが言うことは、もっともなことだった。だから、言い返せない……
「……雪乃に……会わせてくれ……点滴を打つだけなら、ここでも出来るはずだ……」
ジーノに懇願する。まさか、Devil Wolf に懇願する日が来ようとは……
「……雪乃に……会いたいんだ……頼む……」
涙が出そうになって、目元に腕を乗せて隠した。唇が震えそうになって、噛み締める。
意外にも、ジーノにしては柔らかい声で、ボソリと呟いた言葉が聞こえた。
「――まるで、運命の番を求めているみたいだな……」
944
お気に入りに追加
1,491
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」
洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。
子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。
人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。
「僕ね、セティのこと大好きだよ」
【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印)
【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ
【完結】2021/9/13
※2020/11/01 エブリスタ BLカテゴリー6位
※2021/09/09 エブリスタ、BLカテゴリー2位
【BL】こんな恋、したくなかった
のらねことすていぬ
BL
【貴族×貴族。明るい人気者×暗め引っ込み思案。】
人付き合いの苦手なルース(受け)は、貴族学校に居た頃からずっと人気者のギルバート(攻め)に恋をしていた。だけど彼はきらきらと輝く人気者で、この恋心はそっと己の中で葬り去るつもりだった。
ある日、彼が成り上がりの令嬢に恋をしていると聞く。苦しい気持ちを抑えつつ、二人の恋を応援しようとするルースだが……。
※ご都合主義、ハッピーエンド
婚約破棄?しませんよ、そんなもの
おしゃべりマドレーヌ
BL
王太子の卒業パーティーで、王太子・フェリクスと婚約をしていた、侯爵家のアンリは突然「婚約を破棄する」と言い渡される。どうやら真実の愛を見つけたらしいが、それにアンリは「しませんよ、そんなもの」と返す。
アンリと婚約破棄をしないほうが良い理由は山ほどある。
けれどアンリは段々と、そんなメリット・デメリットを考えるよりも、フェリクスが幸せになるほうが良いと考えるようになり……
「………………それなら、こうしましょう。私が、第一王妃になって仕事をこなします。彼女には、第二王妃になって頂いて、貴方は彼女と暮らすのです」
それでフェリクスが幸せになるなら、それが良い。
<嚙み痕で愛を語るシリーズというシリーズで書いていきます/これはスピンオフのような話です>
【短編】旦那様、2年後に消えますので、その日まで恩返しをさせてください
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
「二年後には消えますので、ベネディック様。どうかその日まで、いつかの恩返しをさせてください」
「恩? 私と君は初対面だったはず」
「そうかもしれませんが、そうではないのかもしれません」
「意味がわからない──が、これでアルフの、弟の奇病も治るのならいいだろう」
奇病を癒すため魔法都市、最後の薬師フェリーネはベネディック・バルテルスと契約結婚を持ちかける。
彼女の目的は遺産目当てや、玉の輿ではなく──?
出来損ないのオメガは貴公子アルファに愛され尽くす エデンの王子様
冬之ゆたんぽ
BL
旧題:エデンの王子様~ぼろぼろアルファを救ったら、貴公子に成長して求愛してくる~
二次性徴が始まり、オメガと判定されたら収容される、全寮制学園型施設『エデン』。そこで全校のオメガたちを虜にした〝王子様〟キャラクターであるレオンは、卒業後のダンスパーティーで至上のアルファに見初められる。「踊ってください、私の王子様」と言って跪くアルファに、レオンは全てを悟る。〝この美丈夫は立派な見た目と違い、王子様を求めるお姫様志望なのだ〟と。それが、初恋の女の子――誤認識であり実際は少年――の成長した姿だと知らずに。
■受けが誤解したまま進んでいきますが、攻めの中身は普通にアルファです。
■表情の薄い黒騎士アルファ(攻め)×ハンサム王子様オメガ(受け)

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。
記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話
甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。
王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。
その時、王子の元に一通の手紙が届いた。
そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。
王子は絶望感に苛まれ後悔をする。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる