運命の番に為る

夢線香

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15. 誘惑 ★

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 目を覚ますとジェイの部屋だった。

 何だか、この部屋が自分の部屋のように感じられる。そう錯覚するほどに馴染んでしまった。

 夢なのか現実なのか、ジェイといっぱいキスしたような気がする。夢と現実……どっちだったんだろう……

 仰向けで眠るジェイに、寄り添うようにくっ付いて彼のお腹を抱き込むように腕を乗せていた。

 傍に在ることが、当たり前のように感じてしまう。


 いつまでも、くっ付いていたい……


 どのくらい、眠っていたのかな……? 今日は、何日だろう。

 ジェイとこうして居られるのは、後、何日だろう……

 何となく、ジェイのお腹を撫でていると……彼が目を覚ました。

「雪乃……起きたのか?」

 ジェイは、寝惚けた声で言いながら俺の頭を撫でて来る。

 気持ち良いけど……髪がべと付いている気がしてジェイの手を掴んで握った。

「おはよう、ジェイ。……今日って何日?」

 尋ねると、ジェイと身体を繋げてから二日も経っていた。

 ジェイと一緒にいられるのは、今日と明日しかない。

 ヒートはないけれど、ジェイにもっとスパームを貰わないと……子供が出来る確率は、もっと低くなる……

「起きられそうか?」

 ジェイに聞かれて頷く。

 重怠い身体を起こすと、経口補水液を渡された。

 礼を言って受け取り、ゴクゴクと飲み干す。

 思っていた以上に喉が渇いていたみたいだ。

「ジェイ、シャワー浴びたい……」

 べと付く身体が気持ち悪くて、お風呂に入りたかった。ジェイは頷いて、俺を抱き上げた。俺も、反射的にジェイの首に腕を回して抱き着いてから、首を傾げる。


「……一人で、入れるよ?」


「駄目だ。碌に食べていなかったんだから、ふらつくだろ? 危ない」


 ジェイは先にトイレに連れて行ってくれて、その後はバスルームに連れて行ってくれた。

 背が百八十もある俺を軽々と抱っこするジェイに、なんの疑問も抱かずに当たり前のようにしがみ付いてしまう。

 脱衣所で当たり前のように服を脱がされて、ジェイも恥ずかしがることなく全裸になる。そして、また抱き上げられてバスルームの中に連れて行かれた。

 向かい合って抱っこされたまま、ジェイが慣れた手付きで身体や髪を洗ってくれる。

 暇だったので、俺はジェイの髪を洗ってあげた。

 ジェイのくるくるの髪の毛がお湯で濡れて、益々、くるんくるんになった。それも凄く似合ってて、指に絡めて遊んでしまう。

 ジェイの子供が出来たら、その子も……くるくるの髪なのかな……いいな……可愛いだろうな……

 出来ないかも知れないけれど、もっとジェイのスパームを貰って、少しでも可能性を上げたい。その為にすることは……

 そうだ……後ろも洗っておかないと……

「ジェイ……後ろも、ちゃんと洗って……?」

 ジェイに顔が見えないように、首に抱き着きながらお願いした。顔が赤くなる。恥ずかしいお願いだけど、こんなことで恥ずかしがっていたら、スパームは貰えない。

「後ろ? 背中か?」

 ジェイは背中のことだと勘違いをして、泡の付いたスポンジで洗ってくれる。

 その腕を掴んで、撫で下ろすように手首まで手を滑らせ、お尻の間にジェイの手を誘導する。

 ジェイの耳に頬を擦り寄せて、囁く。


「……なかも、ちゃんと洗って……?」


「ッ……!?」


 ジェイが驚いて息を詰めた。

 でも、引かない。俺は、映画やドラマのセクシーな女優を思い描きながら、仕草を真似る。

 俺の顔を着けている反対側、彼の頬を思わせ振りに手で撫でながら、首筋をソロソロと辿り、胸の上を滑り落ち、お腹をなぞってジェイの陰茎を触った。

 ジェイの耳を唇でなぞり、ペロリと舐めると、彼の身体がピクリと跳ねる。

 ジェイが、ゴクリと唾を呑んだ。


「ね……お願い……ジェイ……」


 う……凄く……恥ずかしいっ……!!


 ジェイの耳朶を、ちゅっ……と吸って、彼の首筋を唇でやわやわと喰んでいく。

 握ったジェイの陰茎がどんどん大きくなって来た……

「ゆっ……きの……!」

 ジェイは俺を掻き抱いて、泡だらけの指を俺の後孔につぷりと入れて掻き混ぜるように動かしだした。

「ンっ……!」

 ジェイの唇を奪うように、口付ける。

「ゆきっ……フッ……!」

 最初は戸惑っていたジェイが、貪るように喰い付いて来た。

「ンん~~……っ!」

 お互いを貪るようなキスをしながら、俺を抱いたまま、ジェイが立ち上がった。

 マッサージ用の寝台に寝かされて、ジェイが覆い被さってくる。

 ジェイは俺とキスをしながら、ゴソゴソと何かをしていたけど、俺はキスに夢中で気にしていなかった。

 そうしたら、後孔に細いヌル付く固いものを入れられて、中にお湯のようなものを流された。

「ん゙ん゙ん゙ッ~~~っ!?」

 湿布のような匂いにワセリンだと気付く。お腹の中にどんどん入ってきて、体験したことのない感触に慌てた。だけど、ジェイは唇を離してくれない。

 お腹がいっぱいになったような感覚と、入り切らなくて出ていく感覚……まるで、粗相をしているような感覚に、羞恥心で顔に血が集まって、燃えるように熱くなる。

 ジェイの肩を掴んで引き離そうとするけど、びくともしない。

「ん゙ん゙ッ!……ん゙ん゙ん゙ッッッ……!!」

 唇を離そうとしても、奥深くまで舌で嬲られて離せないっ……!

 漸く、後孔に入れられたものが出て行って、口を離された。

 はあっ……はあっ……はあっ……!

 二人で荒く息を吐きながら、俺の首筋にジェイが顔を埋めて来て、ぴったりと身体を密着させて抱き締められる。そうされると、俺のお腹にジェイの体重が乗って圧迫され、中の液体が恥ずかしい音と共に押し出された。


「ヤアアッ!? イヤァダアアァアあ~~ッッ!!!!」


 あんまりにも恥ずかしくて、涙がボロボロと溢れる。音を掻き消したくて、有りっ丈の声で絶叫した。

 ジェイの片腕が離れて行って、身体にシャワーのお湯が降り注いだ。

「雪乃……洗えと言ったのは、雪乃だぞ?」

 ジェイに囁かれて、益々、涙が溢れた。

「だ……だってッ……!!」

 だってっ……! こんな風にされると思わなかったっ……!

 こんなだったらっ……! 一人でしたのにっ……!!

 ジェイの首筋に顔を埋めて、彼の首と肩の境目に、がじがじと齧り付く。……かなり、強めに。

「イッっ……!」

 ジェイが苦痛の声を上げたけど、無視してガブガブ噛んでやった。

 ジェイは、痛ッとか痛い、痛いッ……! とか言いながらも、俺を無理矢理引き離すことはしなかった。

 僅かに血の味がして、やり過ぎた……と思って、今度は噛み跡をそっと舐める。
 
 ジェイは俺が落ち着いたのを見計らって、もう一度身体を洗い始めた。

 ジェイの首にしがみ付いて、ジェイが洗い難そうにしていても離してあげなかった。今は、顔を見られたくない。

 俺の身体と自分の身体を洗ったジェイは、俺を抱き抱えてバスルームを後にした。

 身体を拭いている時も、髪を乾かす時も、服を着せてくれる時も、片腕でジェイの首を抱き込んで顔を見られないように抱き着いたままでいた。

 凄くやり難かっただろうけど、ジェイは文句を言ったりしない。


「……雪乃……」


 全部終わった後に、ジェイが低い声で押し殺すように俺の名を呼ぶ。


「……雪乃……そろそろ……俺のペニスを離してくれ……」


 ジェイが歯を喰い縛りながら、唸るように言う。


「……やだ……」


「~~~~ッ!?」


 俺が拒否すると、ジェイは声にならない声で唸っていた。

 そう、俺はずっと片方の手でジェイの陰茎を握り締めていた。

 ジェイの陰茎は大きくて長いから、ジェイの臍にくっ付いて勃ち上がり、長さは臍を越えている。

 要するに、俺が掴み易い位置にある。

 手の中に収まらないけれど、凄く、掴み心地が良いのだ。

 俺が掴んでいるせいで、ジェイはちゃんと服を身に着けられず、下着とスウェットのパンツは半ケツ状態だ。

 そんな格好でも、似合っているのが凄い……

「~~~兎に角……!……食事が先だッ……!」

 ジェイの奥歯が、ギリリッと軋む音がした。



 部屋のソファに移動すると、料理が置かれていた。

 ジェイは、只管ひたすら無言でチキンヌードルスープをせっせっと俺に食べさせてくれた。

 勿論、手の中のジェイは離さない。

 だって、触り心地が良いから……時々、ピクピクと震えるのも何だか可愛くて、離せない。ピクピクと震えるたびに撫でてあげる。

「~~~~ッッ!」

 撫でてあげる度に、ジェイの奥歯がギシギシと軋んでいた。

 俺に食べさせてくれるジェイの眼が、どんどん凶悪になっていって……ちょっと怖い……

 ジェイは、俺に食べさせながら、自分もバクバク食べて食事を済ませた。

 元々、怠かった身体にバスルームでの羞恥の出来事で体力を使い、お腹もいっぱいになってしまって、眠くなる。

 ジェイに全体重を預けて凭れ掛かり、うとうととしている内に眠ってしまった。

「……雪乃……?……おい……雪乃……?………………嘘だろっ……!?」

 意識が途切れる瞬間に、ジェイが何かを言っていたけれど、俺は眠くて……そのまま寝てしまった。



 フゥー……フゥー……フゥー……

 荒い息遣いに、意識が浮上して来る……

 グチュ、クチュと濡れた水音がする。

 身体が変……もどかしいような……焦れったいような疼きがある……

 自分の呼吸が上がっていることに気付く。

 胸にふにゃりと柔らかいものが吸い付いて来て、濡れた肉質のものに舐められて、ざわりとした。

「あ……ぁ……」

 鼻に掛かったような、甘えた声が漏れた。

 眼を開けると、黄金色のくるくるの髪が目に入った。

「ジェイ……?」

 ジェイの髪に指を通して触れると、彼が顔を上げる。

 そこには、興奮しきったオスがいた。 

 首を傾げてジェイのエメラルドを見詰めていたら、グチュリ、と水音がして胎内を掻き混ぜられた。

「うっ……ぅんッ……!?」

 不意の刺激に、おかしな声が出てしまう。


「フゥー……フゥー……起きたか?……雪乃……?」


 荒く呼吸を乱しながら、今にも噛み付いてきそうな鋭い視線で射抜かれ、その強い視線にゾクリとした。


「悪いが……もう……限界だ……挿れるぞ」


 ジェイは、宣言すると上半身を起こした。

 バキバキに勃起して、血管が浮き出たジェイの陰茎に目がいく。


「雪乃は、酷いな……こんな状態の俺を放置して眠るなんて……」


 ジェイは、恨みがましく呟きながら、コンドームを装着しようとしている。

 それを見て思い出す。

 そうだ。ジェイを散々、煽って……眠ってしまったから……

 もしかして、ずっと射精しないで我慢させていた……?

 何だか、凄く申し訳ない気分になった。

 でも、そもそも、ジェイのスパームを貰うことが目的だったんだ。

 ジェイが性急にゴムを装着した瞬間に、俺は上半身を起こし、その勢いを利用して無防備だったジェイの肩を両手で掴み、ベッドへと勢い良く押し倒した。

「なッ!?」

 突然のことに驚いたジェイが、呆気に取られた顔で目を見開いて俺を見る。

 ジェイに覆い被さって、至近距離で彼の顔を覗き込み見詰め合う。


「ごめんね……? ジェイ……辛かったよね……?」


 ジェイの唇を柔らかく喰む。

 
「……いっぱい……気持ちよくなって良いからね……?」


「……雪乃……」


 ジェイの眉根がキュッと寄った。


「でも……これはダメ……」


「何……?」


 ジェイの陰茎に手を這わせると、彼は、強張った顔で俺を見た。


「これは……ダメ」


 ジェイの陰茎に、ピッチリと装着された淡桃色のコンドーム。その先端の僅かな突起を指で摘み、引っ張る。ローションの付いたゴムは摘み難かったけど、爪を立てて何とか摘めた。

 中の空気を抜いて嵌めたゴムは、ジェイの陰茎に吸い付いて取れない。真空状態だ……


「ゆっ……雪乃っ……!?」


 ジェイのお腹に張り付いていた陰茎は、引っ張られて天に向かって直立した。

 引っ張られて痛いのか、ジェイが顔を歪める。

 摘んだゴムは、三十センチ以上は伸びていた。陰茎の根元、ゴムの口を人差し指の爪で引っ掛けて空気を入れてやると、パシュンッ、とゴムが外れて、ジェイの陰茎が、ベチンッと彼のお腹を叩いた。

「ッッ……!?」

 ジェイが息を詰めて、歯を喰い縛った。

 奪った、しぼんだ風船みたいなゴムをベッドの外へ放り投げる。

 もう一度、ジェイの上に覆いかぶさり、頬同士を擦り合わせて彼の耳元に声を潜めて囁いた。


「全部、俺の中に……ちょうだい……?」


「雪乃ッッッ……!!!!」


 その途端、俺は、あっと言う間にベッドに押し倒されて、両脚を高く担ぎ上げられ、ズブブブンッッ……! と、ジェイに杭を打たれた。


「はぅッッ…!?…ㇵアあ゙あ゙ぁ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッッッ……!!!!」


 突然、胎内に埋め込まれた杭の太さに、お腹がミチミチと苦しくなる。前立腺を強く刺激されたせいで、身体の中を強烈な痺れが、ゾクゾクと駆け巡った。一気に汗が吹き出して、息が止まりそうになる。頭の中と目の奥に、白くチカチカと光が奔って灼き尽くされる……身体が、壊れたみたいにガクガクと痙攣して……止まらない……

 ……俺は、吐精しながら激しくイッてしまった……


「雪乃ッッッ……!!」


 そして、ジェイも俺の中へとスパームを注ぎ込んで、身体を震わせてイッていた。

 二人でぶるぶると打ち震えながら、快感が通り抜けるのを待った。

 ジェイがゆるゆると腰を動かすたびに、身体をゾクゾクしたものが奔って……脳を突き上げる。

 もう、何がなんだか分からない程に……全身を強烈な快楽の刺激が駆け巡って、なかなか戻って来れなかった……

 漸く、落ち着いてきた辺りで、ジェイが担いでいた俺の脚を下ろしてくれた。

 ジェイは俺に覆い被さって来て、ぎゅむぅ~っと抱き締めて来る。

 弾む息を零しながら顔中にキスを落とされて、深く口付けられては離れてを繰り返す。


「はあぁ……雪乃……いっぱい、気持ち良くなってもいいんだよな……?」


 何だか……ジェイの微笑みに不穏なものを感じるけれど、彼のスパームが欲しいから頷いた。


 ジェイは、意地悪な顔でニヤリと笑った。


 俺は、ジェイを散々煽ったことを後悔することになった……




 







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