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本 編
09. 遊戯
しおりを挟む次の日、朝早くに起こされて、父さんと母さん、仁乃兄さんと史人さんと一緒にジェイを迎えに行った。
ジェイの邸宅が近付いて来ると、母さんと史人さんは自分の番に擦り寄った。
「本当に、凄い気配ね……」
「皇帝という、二つ名が付いた理由が分かりました……」
母さんと史人さんがそんなことを言う。
「――何か、感じるの?」
俺が首を傾げると、二人は苦笑した。
「敷地内の外にまで、皇帝の気配が溢れ出しているわ。上位オメガならまだ平気だけど……下位のオメガだと、この時点で失神しているかもね……」
母さんが教えてくれた。
「そうだな。上位オメガなら、あいつの側までは行けるが、そんなに長くは側に居られない。一時間持つかどうか……触れられれば、あっと言う間にヒートを起こして失神するぞ」
仁乃兄さんが説明してくれる。
「え、だったら皆……一緒に行って大丈夫なの……?」
そんなに強烈な気配なら、他のオメガ達が大変なことになるんじゃないの?
「雪乃が側に居れば、大丈夫だ。あいつの腕を離しちゃ駄目だぞ? 今日の雪乃は、猛獣使いだからな。リードは、しっかりと握っておくんだ」
父さんが、真剣な顔で言い聞かせてくる。
「ええぇ……? 俺が触っていれば、大丈夫なの?」
何だか、ジェイが酷い言われようだ。猛獣って……
「雪乃、言っておくが巫山戯てないからな?」
もの凄く真剣な顔で、仁乃兄さんに釘を刺された。
「――えっと、ジェイの腕を掴んでればいいんだよね? でも、トイレとかはどうするの?」
父さんと仁乃兄さんが、顔を見合わせた。暫し、逡巡して父さんが言った。
「――それは、二人で相談して決めなさい」
――丸投げされた……
敷地を囲む塀の門に着くと、既に門の前にジェイが立って待っていた。
濃いめのストレートのジーンズに、黒のVネックのセーターを着たシンプルな服装で色の薄いサングラスと金の短めのネックレスを着けている。
シンプルな装いなのに、すらりと立つ姿は人目を引く。流石、アルファだ。
俺もテーマパークに行くので、動きやすい服を選んだ。黒のジーンズに藍色のTシャツ、裾が長めの白のパーカーを羽織って来た。
車は、ジェイから少し離れた所で停まった。
「雪乃、あいつを連れて来てくれ」
仁乃兄さんに言われて、頷いた。史人さんが仁乃兄さんの腕にガッチリしがみ付いている。
母さんは父さんの膝の上だ。――いつの間に……
ジェイの気配に怯えている……?
俺は、車を降りてジェイの元に向かった。
「おはよう。ジェイ」
声を掛けながらジェイに近付くと、ジェイが腕を軽く広げたので、ハグだと思って軽く抱き着いた。
「――おはよう、雪乃」
ジェイに、ぎゅうぅっと抱き締められた。ハグにしては、些か熱烈な気がしたけれど……ジェイは、触れ合いに飢えているから仕方がないか。
そう、思ったのだけれど……いつまでも離してくれない。
「ジェイ……もう、行ける?」
離してくれと、ジェイの広い背中を軽く叩く。
「――ああ」
ジェイは、渋々腕を解いて離れてくれた。
その腕に、俺は腕を絡める。
「――雪乃?」
ジェイが、不思議そうに俺を見詰めて来た。
「えっと……父さんが言うには、俺がジェイの腕を離さなければいいんだって」
ジェイのサングラス越しのエメラルドの眼を見詰めながら言うと、エメラルドの眼に熱が籠もる。
「――ああ……ずっと、離さないでくれ」
ジェイが恋人にでも囁くように、熱っぽくそんなことを言うものだから、何だかおかしな気分になる。
「……う……ん……――行こう」
ジェイの腕を引くように、腕を絡めたまま車へと向かった。
本当に、俺がくっ付いているだけで大丈夫なんだろうか?
俺が乗って来た車は、八人乗りのパールホワイトのリムジンだ。座席がL字のソファみたいになっていて、細長いテーブルが据え付けられている。父さん達は奥の方に四人で座っていた。
母さんは父さんの膝から降りていたし、史人さんも仁乃兄さんにしがみ付いてはいなかった。
「おはよう。コーガ、ジーノ。お前達の番か? ジェイデン・アースキングだ、よろしく」
サングラスを頭に押し上げながら、昨日の父さんや仁乃兄さんとのやり取りとは、別人のように愛想良く笑うジェイ。
父さんも仁乃兄さんも、苦笑していた。
「おはよう、皇帝。いや、ジェイ。番の朱乃と、仁乃の番の史人だ」
父さんの紹介に母さんと史人さんは微笑んで、よろしく、とジェイと挨拶を交わした。
「母さんも史人さんも、平気なの……?」
皆とは少し離れて、ジェイと席に座る。あんなに怯えた様子だったのに、今は平気そうだ。
「ええ。雪乃が彼に触れた瞬間から、プレッシャーがなくなったわ」
母さんの言葉に、史人さんも頷く。
「本当に、そうなんだ……」
俺が触れただけでそんな効果があるなんて、不思議……でも、これならジェイも楽しめるはず。
安心してジェイを見ると、エメラルドの眼が間近にあって驚く。笑みを浮かべながら、じっと俺を見詰めていた。
何だかその眼が……番に向ける眼のような気がして、落ち着かない。
家族の皆が自分の番に向ける眼に、似ている。
どうして、そんな眼で俺を見るんだろう……
俺は、ジェイの『運命の番』じゃないのに……
「――雪乃……何で、そんな顔をする?」
ジェイの大きな手が、俺の片頬を包み込んだ。
「――何でもないよ」
俺は、嫌な考えを振り切るように微笑んだ。
「…………」
ジェイは頬に置いた手をそのままに、俺の腕から腕を引き抜き、俺の肩を抱いて引き寄せてジェイの胸に俺の頭を押し付けた。
「眠いか? 眠っていいぞ」
どうやら、眠いのだと勘違いされたらしい。
「ふふっ、昨日、たくさん寝たから眠くないよ。――それに、この体勢は……ちょっとキツイ」
上半身が捩れて、身体に無理が掛かっている。
ジェイの胸に手を置いて、身体を離す。
ジェイは、不満そうな表情を浮かべて、俺の肩を抱いた手を腰に移動させた。
「……ねえ、ジェイ。これじゃあ、恋人の距離だよ?」
「腕を絡めるのだって、恋人の距離じゃないのか?」
言われてみれば、その通りだ。でも、仲がいい友達や家族だって腕を絡めて歩いたりする。
「うーん、じゃあ手を繋ごう」
「嫌だ」
速攻で拒否された。何故……?
「どうして嫌なの?」
「もっと雪乃に触れたいから――嫌だ」
「っ……!?」
その言葉に、思わず赤面する。
ジェイは、はっきりとものを言い過ぎる……
「腰を抱いて歩くか、腕を組むかの二択だ。どっちが良い?」
逆に、俺が選択を迫られた。ジェイのエメラルドの眼が俺を見詰める。
「――じゃあ、腕を組もう」
腰を抱かれるよりはいい。腰に回された腕を外そうとしたけど、びくともしない。
「……ジェイ、離して……?」
「車を降りたらな」
「ええぇ……?」
何だろう。この強引さは……? まあ、アルファだからこんなものなのかな?
俺は、抵抗を諦めた。
「――雪乃……甘過ぎるぞ」
仁乃兄さんが呆れたように俺を見た。それに父さんも頷いている。
そんなこと言われても……
俺は、溜め息を吐いた。ジェイだけは、ご機嫌で俺だけを見詰めて来る。父さんや仁乃兄さんが何を言ってもお構いなしだった。
そして、テーマパーク『KINGDOM OF GOD』神の国に到着した。
世界中の神様を集めたテーマパークなんだって。
車から降りると、やっとジェイが腰から手を外してくれた。その代わりに、腕を組む。
恋人と間違われないように、ラグビーのスクラムを組むように腕を組んだ。ジェイは不満そうだったけど、無視してアトラクションを楽しもうと思う。
「俺、絶叫マシーンに乗りたい! ジェイは、絶叫マシーンとか平気?」
ここに来ると決まってから、ずっと楽しみにしていたんだ。貸し切りだから、待ち時間もそんなに待たなくていいし、たくさん乗りたい。テンションが上がって来た。
「乗ったことはないが、雪乃が乗りたいならいいぞ?」
「ふふっ、じゃあ行こう!」
まずは、ジェットコースターからだ。何種類かあるから、全部乗りたい。
ジェイの組んだ腕を引っ張るようにして、お目当てのアトラクションに向かう。
ジェイは、にこにこしながら俺を見詰めて付いて来てくれた。
広い園内をぐるりと囲んだジェットコースターのコースは、もの凄く長くてスリル満点だった。浮遊感に胃が浮き上がったり、急降下に足を踏ん張って耐えた。怖くない訳じゃないけど、乗り終わった後は何処かスッキリする。
「ジェイっ! ジェイっ……! もう一回乗りたいっ……!!」
テンションが上がって、ジェイの腕に縋り付きながら強請る。
「ククッ……! ああ、いいぞ」
ジェイは、笑いながら承諾してくれた。
腕を引っ張りながら、もう一度並ぶ。ジェイも楽しそうで嬉しい。ジェイが、絶叫マシーンが苦手じゃなくて良かった。
結局、同じものに三回乗って他の二つのジェットコースターにも、二回ずつ乗った。
「雪乃。少し、休憩した方が良いんじゃないか?」
ジェイに言われて、頷いた。
「あ、だったら、ジェラートを食べよう」
パンフレットに載っていたショップに向かう。
ショップの前には、ちょっとした列が出来ていた。俺達も、その列の最後尾に並ぶ。
「あら? 雪乃もジェラートを食べに来たの?」
声を掛けられて振り向くと、俺達の直ぐ後ろに、都乃姉さんと腕を絡めた蘭花さんが並んだ。
「うん。ちょっと休憩」
都乃姉さん達に笑って答え、並んでいる列の横に置いてあるメニューの看板を見ながら悩む。
「うーん、どれにしようかな……ダブルで注文したいよね……でも、どれも美味しそう……」
俺が、うんうん悩んでいると、ジェイは不思議そうに首を傾げた。
「食べたいものを全部頼めばいいじゃないか」
あ~……やっぱり、アルファだなあ。
「そんなに頼んだって、食べられないよ」
俺が苦笑して呆れて言うと、ジェイは、益々首を傾げる。
「ちょっとずつ、食べられる分だけ食べたらいいじゃないか。買ってやるぞ?」
俺は、益々、苦笑した。
「ジェイは、やっぱりアルファだね。これだけたくさんある中から、二種類だけを選び抜いて食べるから良いんじゃないか」
「ん?」
ジェイは、眉間に皺を寄せて更に首を傾げる。
「ふふっ、数ある中から、ニ種類を選び抜いて食べるから良いんだよ。美味しかったなあ、また食べたいなあとか、次に来た時は、あっちの味を食べてみたいなあとか、さ。ジェイと二人でこれを食べたなあ、一緒に食べた、あの味のジェラートが美味しかったなあ、っていう思い出になるんじゃないか。そうしたら、次に来た時は何を食べようかって楽しみにならない?」
ジェイの顔を覗き込みながら、微笑む。
「俺と一緒に……また来たい……?」
ジェイは、呆けたように呟く。
「そうだよ。他にもいっぱい食べてみたいものがあるのに、全種類頼んだらここのアイスだけでお腹がいっぱいになっちゃうじゃないか。だから、ジェイも二種類だけ頼んで? あ、俺と被らないようにしてね?」
「……何故だ?」
「二人で違う味を頼んで半分こしたら、四つの味が楽しめるでしょう?」
「半分こ……」
ジェイは、ポツリと呟いてから真剣にメニューボードを見始めた。
「雪乃は、どれに決めたんだ?」
「俺? 俺はオレンジとレモンのレアチーズとラムレーズンのバターボール入りにしたよ?」
ジェイは、頷いて吟味し始める。
「――雪乃くん。グッジョブよ」
何故か蘭花さんに、いい笑顔を向けられた。
都乃姉さんは、ジェイと一緒になってメニューボードを睨み付けている。
「ああ、都乃姉さんも全種類、買うつもりだったんだね……」
「アルファの悪い癖よねえ。全部買えばいいと思ってるんだから。私の為に、ちゃんと悩んで選んで欲しいわ」
俺と蘭花さんは、うんうんと頷きながら必死にメニューを睨んで考え込む二人を笑いながら眺めた。
ふと、周りを見たら、アルファ達がメニューボードやパンフレット、スマホを真剣に見ていた。番のオメガ達に、良くやった、と言わんばかりに親指を立てられた。
どのアルファも、全種類買うつもりだったらしい……
「雪乃くん達は、お昼はどうするの?」
蘭花さんが聞いてくるから、俺はスマホを取り出して、予め決めていたレストランの写真を見せた。
「俺、これが食べてみたいんだ。ファウヌス牧場の極厚トロトロチーズハンバーガー。チーズがびろ~んって、とんでもなく伸びるらしいんだ。トマトとレタスも挟まれてるやつ。それと、ベリーとバナナとピーチの贅沢レアチーズケーキ。プルンとした食感が売りなんだって。あと、激辛レモンジンジャーエール。チーズばっかりでしつこいから、アスパラスティックの特製マヨネーズも頼むつもり」
旅行が決まってから、パンフレットやネットで調べておいたんだよね。ファウヌス、っていうのはローマの森の神様。農作物や家畜の保護者らしいよ?
「え~~! 何それ、私も食べた~い!!」
蘭花さんが食い付いた。それを聞き逃す都乃姉さんではない。
「じゃあ、お昼は一緒に食べましょう」
「そうだな。雪乃が食べたいなら、そこで食べよう」
都乃姉さんとジェイが、意気投合している。
「うん。でも俺、今言ったやつはジェイと半分こするつもり。チーズだらけで飽きるでしょう? その次は、違う店でジェイが食べたいものを俺と半分こしよう」
そうしたら、色々食べられるし。
「――半分こ……分かった。パンフレットを見せてくれ」
ジェイは、今度はパンフレットを穴が空くほど睨み付けていた。勿論、都乃姉さんも。
「――こうして見ると、アルファって可愛いね」
番の為に必死になっている姿は、微笑ましい。
「ふふっ、そうね」
蘭花さんも、都乃姉さんを見詰めて微笑んだ。
まあ、でも……
俺は、ジェイの番じゃないけどね――
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