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第三章 自衛隊の在り方(前)
第二部
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しかしながら我々派遣隊は、駐屯したて、設営直後、異世界の情報が確立していない、新たに敵国に加わったイツミカ王国の軍事力も掌握しきれていない等、不確定要素が多すぎて各種作戦の立案が追い付いていないであろう。
防衛戦闘を展開するにしても、防衛には欠かせない間接火力の展開が事前になされていない可能性が非常に高い。これから展開するとして、一番早いのは本管の重迫撃砲だ。だが、我が派遣隊に折角155mm榴弾砲、通称FH70があるのだからこれを有効活用したいところだ。が、しかし、壁外駐屯地内では安全に射撃出来るスペースが無く、敵が何処から攻めてきているのか分からない現段階において、襲撃を受けていないとは言え東門や西門から駐屯地外へ前進するのは大変危険だ。南門は無い。
じゃあ、地の利を生かしたらどうかと問われても、困る。
この地域は、見渡す限りの平野であって日本のように山がかすかに見えるわけでもない。緊要地形があるわけではない為、人数が少ないが為に地の利を生かした戦術を重視してきた陸上自衛隊にとって最高の痛手と言っても過言ではない。
天然の地の利が駄目なら、人工的に……と言おうとしても無理だ。先程から言うように、到着したばっかりで駐屯地も設営直後の為、対人障害システムや指向性散弾、対戦車地雷が敷設されているなんて夢に近いだろう。
もっとも、私の知る限り対戦車地雷なんてここには無いし、そもそもここは日本ではない。駐屯地の中に障害装置を敷設するのは危険であるから、絶対駐屯地の外に計画的に敷設するはずだ。それには、外交が絡んでくる。いきなり土足で上がり込んできた自衛隊が一日や二日で駐屯地外、つまりビルブァターニにとっては自国内に遠隔操作とは言え人を傷つけるものを敷設出来るまでの信用を築けるわけがない。
防衛展開において、大事なのが防衛する者の周到な準備だ。それが、我々にはまだ出来ていない。
この状況下にある自衛隊を何者かは襲撃しているのだ。絶対に完全な防衛展開をさせるまい、と攻撃をしているだ。
これを、奇襲と言う。
自衛隊は、恐らく創設以来初めて軍事的な奇襲を受けた。圧倒的不利な状況下で、立ち向かうのか否か。この判断を一つ誤ると、防御の主目標である"敵の攻撃の破砕"を完遂出来る確率が低くなる。
しかしながら、敵が航空攻撃を行った、敵の装甲車が確認出来る等の報告が無い。90式戦車が駐屯地外に前進したのにも関わらずだ。
となると、敵は機械化していない旧形態の組織であるという望みがある。であるならば、こちらは技術で対応すればある程度の勝算は見込めるのではないだろうか?
徒歩の普通科隊員を全く使用せず、WAPCやLAVを用いた前進や敵の攻撃の破砕を行なえば、技術的に不利な敵部隊に逆に技術的奇襲を仕掛けることが出来るのではないか。何も、敵を驚かすことだけが奇襲じゃない。技術的なものだってあるのだ。
「中隊長、如何なさるか!」
宇野陸曹長に問われた。とりあえず、一通り考えたつもりだ。
巻口連隊長からの指示は、北門にある半包囲掩体壕への前進だ。当たり前だが、そう易々と前進させてはくれないだろう。
敵が何処かにいる。何処からか攻撃を仕掛けた。普通に考えて、90式戦車等が敵を見付けるまで、我々は動かない方が妥当であろう。しかし、敵はそれを見越している可能性がある。そうやって、我々をここに留まらせておいて、北門を制圧するだろう。
前進に先立って、早めに装甲車両の要請をしよう。
「宇野陸曹長、敵は異世界の軍隊です。技術的優勢を狙って、装甲車での前進はどうでしょう」
「敵がビルブァターニ程の軍事力と信じるんは危険やけど、準備しいひんよりかはマシでしょう」
宇野陸曹長は真摯に答えてくれた。
私は、広多無をあえて使って下命した。
「こちら第一中隊長、各隊に告ぐ。WAPC等に乗車し、前進する。装甲車の到着次第乗車。ただし、状況の変化で命令を変更する。引き続き、無線連絡に留意せよ」
各小隊長の鈴宮、杉田、日高の返事が返ってきた。きちんと聞けたようだ。
「第一中隊長、HQ。送れ」
「CP、第一中隊長。戦闘指揮所、開設した。以後、CPに送るように。送れ」
「了解。CP、第一中隊の装甲車での前進を上申する」
CPからの返信を待つ。中々、返ってこない。
すると、まだ静かだった戦場が、銃声に包まれた。重厚なその音は、音が空気圧として伝わるという事を私に教えた。こんな音を出せるのは、12.7mm重機関銃M2ブローニングだ。陸上自衛隊のブローニングは、殆ど車両に搭載されている。
「他部隊の戦闘状況、掌握して!」
咄嗟に叫んだ。「了解」と隊員が返事をするのが聞こえた。
断続的に続くブローニングの射撃が終わらない内に、報告が入った。広多無からだ。
「こちら第一小隊、第一中隊長。戦車搭乗員が、車載の機関銃を射撃している模様。上空に射撃している」
90式戦車が射撃しているという事か。恐らく、90式戦車と74式戦車のフォルムは大違いだが、そもそも90式戦車が派遣されている事を知らないから「戦車」と呼称したのだろう。
という事は、90式戦車は敵情を少なからず把握しているのか?
「CP、こちら警衛戦車。敵散兵、上空に散布。機銃、敵一名に命中。落下したと思われる」
90式戦車からCPに向けた無線だ。やはり、敵情が確認出来たようだ。
またもや、空を飛ぶ人が現れたそうだ。人が自ら空を飛ぶ技術が、軍事転用されているとは……。当然と言えば当然か。
しかし、上空となると非常に厄介だ。我々第一中隊は、塹壕への展開を命令されている。塹壕は、対面する敵兵に対しては撃たれにくいという利点がある。だが、上からの攻撃には無防備なのだ。
90式戦車は、敵兵が上空にいると伝えていた。という事は、機械化はされていないという事だ。しかしながら、上空からの攻撃は塹壕にとっては致命的だ。敵が例え、ライフル程度の武器を構えたとしても、塹壕内の兵士を壊滅させる事も可能であろう。
これはそもそも、塹壕への前進取り止めを上申すべきだ。誰でもその考えに至るだろう。
「CP、第一中隊長。命令変更。小隊規模にて、北門の孤立人員を救出。その後は直ちに貴官の現在地に退避せよ。WAPC、3両。指揮通、1両を派遣する」
「第一中隊長、了解」
戦闘指揮所も当然ながら同じ判断を下した。WAPCに加えて、指揮通、82式指揮通信車を使って良いそうだ。
我々の任務は、防衛ではなく救出に変わった。防衛は、違う部隊……戦車とかそういうのがやるのだろう。
防衛戦闘を展開するにしても、防衛には欠かせない間接火力の展開が事前になされていない可能性が非常に高い。これから展開するとして、一番早いのは本管の重迫撃砲だ。だが、我が派遣隊に折角155mm榴弾砲、通称FH70があるのだからこれを有効活用したいところだ。が、しかし、壁外駐屯地内では安全に射撃出来るスペースが無く、敵が何処から攻めてきているのか分からない現段階において、襲撃を受けていないとは言え東門や西門から駐屯地外へ前進するのは大変危険だ。南門は無い。
じゃあ、地の利を生かしたらどうかと問われても、困る。
この地域は、見渡す限りの平野であって日本のように山がかすかに見えるわけでもない。緊要地形があるわけではない為、人数が少ないが為に地の利を生かした戦術を重視してきた陸上自衛隊にとって最高の痛手と言っても過言ではない。
天然の地の利が駄目なら、人工的に……と言おうとしても無理だ。先程から言うように、到着したばっかりで駐屯地も設営直後の為、対人障害システムや指向性散弾、対戦車地雷が敷設されているなんて夢に近いだろう。
もっとも、私の知る限り対戦車地雷なんてここには無いし、そもそもここは日本ではない。駐屯地の中に障害装置を敷設するのは危険であるから、絶対駐屯地の外に計画的に敷設するはずだ。それには、外交が絡んでくる。いきなり土足で上がり込んできた自衛隊が一日や二日で駐屯地外、つまりビルブァターニにとっては自国内に遠隔操作とは言え人を傷つけるものを敷設出来るまでの信用を築けるわけがない。
防衛展開において、大事なのが防衛する者の周到な準備だ。それが、我々にはまだ出来ていない。
この状況下にある自衛隊を何者かは襲撃しているのだ。絶対に完全な防衛展開をさせるまい、と攻撃をしているだ。
これを、奇襲と言う。
自衛隊は、恐らく創設以来初めて軍事的な奇襲を受けた。圧倒的不利な状況下で、立ち向かうのか否か。この判断を一つ誤ると、防御の主目標である"敵の攻撃の破砕"を完遂出来る確率が低くなる。
しかしながら、敵が航空攻撃を行った、敵の装甲車が確認出来る等の報告が無い。90式戦車が駐屯地外に前進したのにも関わらずだ。
となると、敵は機械化していない旧形態の組織であるという望みがある。であるならば、こちらは技術で対応すればある程度の勝算は見込めるのではないだろうか?
徒歩の普通科隊員を全く使用せず、WAPCやLAVを用いた前進や敵の攻撃の破砕を行なえば、技術的に不利な敵部隊に逆に技術的奇襲を仕掛けることが出来るのではないか。何も、敵を驚かすことだけが奇襲じゃない。技術的なものだってあるのだ。
「中隊長、如何なさるか!」
宇野陸曹長に問われた。とりあえず、一通り考えたつもりだ。
巻口連隊長からの指示は、北門にある半包囲掩体壕への前進だ。当たり前だが、そう易々と前進させてはくれないだろう。
敵が何処かにいる。何処からか攻撃を仕掛けた。普通に考えて、90式戦車等が敵を見付けるまで、我々は動かない方が妥当であろう。しかし、敵はそれを見越している可能性がある。そうやって、我々をここに留まらせておいて、北門を制圧するだろう。
前進に先立って、早めに装甲車両の要請をしよう。
「宇野陸曹長、敵は異世界の軍隊です。技術的優勢を狙って、装甲車での前進はどうでしょう」
「敵がビルブァターニ程の軍事力と信じるんは危険やけど、準備しいひんよりかはマシでしょう」
宇野陸曹長は真摯に答えてくれた。
私は、広多無をあえて使って下命した。
「こちら第一中隊長、各隊に告ぐ。WAPC等に乗車し、前進する。装甲車の到着次第乗車。ただし、状況の変化で命令を変更する。引き続き、無線連絡に留意せよ」
各小隊長の鈴宮、杉田、日高の返事が返ってきた。きちんと聞けたようだ。
「第一中隊長、HQ。送れ」
「CP、第一中隊長。戦闘指揮所、開設した。以後、CPに送るように。送れ」
「了解。CP、第一中隊の装甲車での前進を上申する」
CPからの返信を待つ。中々、返ってこない。
すると、まだ静かだった戦場が、銃声に包まれた。重厚なその音は、音が空気圧として伝わるという事を私に教えた。こんな音を出せるのは、12.7mm重機関銃M2ブローニングだ。陸上自衛隊のブローニングは、殆ど車両に搭載されている。
「他部隊の戦闘状況、掌握して!」
咄嗟に叫んだ。「了解」と隊員が返事をするのが聞こえた。
断続的に続くブローニングの射撃が終わらない内に、報告が入った。広多無からだ。
「こちら第一小隊、第一中隊長。戦車搭乗員が、車載の機関銃を射撃している模様。上空に射撃している」
90式戦車が射撃しているという事か。恐らく、90式戦車と74式戦車のフォルムは大違いだが、そもそも90式戦車が派遣されている事を知らないから「戦車」と呼称したのだろう。
という事は、90式戦車は敵情を少なからず把握しているのか?
「CP、こちら警衛戦車。敵散兵、上空に散布。機銃、敵一名に命中。落下したと思われる」
90式戦車からCPに向けた無線だ。やはり、敵情が確認出来たようだ。
またもや、空を飛ぶ人が現れたそうだ。人が自ら空を飛ぶ技術が、軍事転用されているとは……。当然と言えば当然か。
しかし、上空となると非常に厄介だ。我々第一中隊は、塹壕への展開を命令されている。塹壕は、対面する敵兵に対しては撃たれにくいという利点がある。だが、上からの攻撃には無防備なのだ。
90式戦車は、敵兵が上空にいると伝えていた。という事は、機械化はされていないという事だ。しかしながら、上空からの攻撃は塹壕にとっては致命的だ。敵が例え、ライフル程度の武器を構えたとしても、塹壕内の兵士を壊滅させる事も可能であろう。
これはそもそも、塹壕への前進取り止めを上申すべきだ。誰でもその考えに至るだろう。
「CP、第一中隊長。命令変更。小隊規模にて、北門の孤立人員を救出。その後は直ちに貴官の現在地に退避せよ。WAPC、3両。指揮通、1両を派遣する」
「第一中隊長、了解」
戦闘指揮所も当然ながら同じ判断を下した。WAPCに加えて、指揮通、82式指揮通信車を使って良いそうだ。
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