18 / 19
雷鳴
【別視点】ちょうかいの戦闘2
しおりを挟む
艦が揺れた。乗員総員が経験した事の無い、特異な揺れだった。金属のひしゃげる音と轟音。大きなロールに細かな振動。経験した事は無いが、無いからこそ分った。
「探知始め!」
「中部応急班から異常の有無が知らされません。先の爆発は中部で起こったものと判断します」
「了解。現場指揮官所定で、中部に応急班を派出」
この攻撃が一体どういうものか全く分らなかった。船底から突き上げる衝撃は無かったし、艦内で爆発したというよりか外側で爆発してその力が加わった感じがする。砲弾でも魚雷でもない。凡そ地球の人間には想像の付かない攻撃だった。
「煙突右舷に大破孔。航行に支障無し。傷者発生!」
「対水上戦闘」
出谷1佐は、応急に注意が向いていた艦内に喝を入れた。然し、EVALやDACは反射で反応する。
「対水上戦闘!」
「以前の目標に対し、砲で効力射を掛けつつ面舵反転、離隔する」
「了解しました。左090度の目標に対し離隔しつつ射撃します。左対水上戦闘! 左090度、同航の目標、主砲攻撃始め!」
「左対水上戦闘! 左090度、同航の目標! 主砲、撃ち方始め!」
「艦橋、最大戦そーく! 面舵一杯!」
応急や傷者処置を優先するか、戦闘を優先するか、どちらか一つしか選べない。艦の乗員には限りがあるし傷者を処置している時に攻撃を受けてしまったら反応が遅くなってしまうから、同時に2つの事をするのは効率が悪い。
チャフで撹乱出来ない可能性の高い、既知の攻撃法を使わない敵に対しては、このまま近くにいるより離れた方が良いのは火を見るよりも明らかである。然し、それは必然的に、倒れた中部応急班を見捨てる事になる。艦長たる指揮官は、“命”を“戦力”と見なくてはならない。
「間もなく射界制限に入る。引かない!」
「51番、射界制限!」
「はい。撃ち方控え」
対水速力を無くした目標に対し、当然本艦は優速となり更に面舵を取るとどうなるか。目標を追尾し、砲を指向していると火気の入った砲口が艦橋に向いてしまう。当然、安全装置が働く訳だが、危険を極限しなければならないから「控え」を令す必要がある。
「51番、射界良し」
「射撃用意良し!」
「EVAL、艦橋。間もなく定針……定針。120度」
「定針! 以前の目標、撃ち方始め! 引き切れ!!」
砲術長の叫びは、射撃管制装置コンソールに座る海曹に届いた。前に達せられた胸算を無視し、引金から指を離さない。カメラには水柱しか映らなくなり、最早命中しているかすら観測不能だ。
「51番、撃ち終り」
この弾切れの合図で漸く引金を離した。
水柱が引いた画面にはもう沈み行くしか無い、船だったものが映る。海面には人の様な影も見える。
「見張り、乗員の離艦を確認するも、黒い人影は以前として視認。こちらを見ているように見える!」
若干緩みつつあった空気が、再び張詰めた。敵は、沈むしかない船に乗っていながらも抵抗する意志を持っている事に、驚きを隠せない。
「総員、衝撃に備え!」
どこが攻撃されるか分れば、右左どちらに退避すれば良いか示す事が出来る。然し、分らない。出谷1佐は、これを言うのが精一杯であった。
マイクが入る前に、艦が衝撃に晒された。木が折れる時の様な破裂音がフレームから聞こえてくる。艦ではあまり無い横揺れは、総員に非常を思い知らしめる。
「各部、人員器材異常無いか?」
砲雷長は、揺れが収まり切る前に送話口のスイッチを押していた。そして、それに応答する海曹士もいる。
どんどん異常の有無が集まってくるが、一番肝心と言っても過言ではない箇所からの報告が遅い。流石に痺れを切らして、こちらから呼び掛ける。
「艦橋、EVAL」
応答はない。頭が真白くなって行く。艦内電話の音や日本語の入り乱れる様が段段遠のいて行き、耳鳴の様な高く不快な音が徐徐に近付いてくる。
「艦橋、EVAL? 感度どうか」
自分の声が反響していると錯覚する。今、一人になっているかのようだ。
「EVAL。人員器材異常無いか?」
艦長の声が聞こえるが、返事が出来ない。日本語として受取り、脳内に文章は浮かぶが意識がそれを読み、理解しようとしなかった。今はそれよりも、艦橋の方が気掛りだからだ。
「砲雷長!」
艦長の怒鳴りで、瞬きを忘れた砲雷長はゆっくりと顔を向けた。
「何があった」
「艦橋の応答が……ありません」
「電測員1名、艦橋に」
狼狽える暇は無い。艦長は艦橋配置の人間の生死よりも、操艦が可能かどうかが気掛りとなっていた。もう普通の人の感覚や感情は残っていない。
「田村3曹派出しました!」
「了解。EVAL、艦橋の他はどうなんだ」
「SPYレーダー、故障。故障の原因、攻撃による送信器の焼損。使用不能。自艦修理不能。その他、各種レーダーや機器に不調や発煙が出ています」
考えるまでもない。これは、戦闘不能だ。そしてそれは、相手も同様だ。
「司令に。本艦、攻撃を受け、被害箇所多数。自艦修理不能。戦闘続投不能。基地帰投を優先すべきと考える。以上」
やりきった。出谷1佐にその言葉が過った途端、一気に情報量が大きくなった。無意識に、雑音や関係無い声を遮断していたのだ。高熱を出して、感覚が冴え渡った時の様な感覚だった。
当該戦闘(サーシャン水道武力衝突)では、第4護衛隊かが、ちょうかいがノーム親国を主張する武装勢力に突然攻撃を受けた。
その結果、かがにおいては、1名が後送の要ありと認められる他、爆発性攻撃の激動による転倒などで4名の傷者(戦力復帰可能)が出た。
ちょうかいでは、2回に渡る爆発性攻撃により、第2煙突満載喫水線上7メーターに直径2メーターの大破孔、艦橋構造物05甲板以上が壊滅。加えて、第2内火艇及び左舷筏等焼損、FCS-2と1番イルミネーターレーダー及び各種航行用レーダー全損、前部SPYレーダー故障、後部SPYレーダー焼損、第2甲板通路等ではC火災及びA火災が発生したものの、SCBA員の突入が不可能であったため防火1次区画を全焼させ全損した。第1回激動時に中部応急班の4名が死亡、2名が後送の要ありと認められ、最終的には前部、後部応急班においても3名の傷者(戦力復帰不能)が発生した。第2回激動時では艦橋が被害にあい、当時配置についていた航海長以下11名が死亡した。
かがは、ビルブァターニに入港。ちょうかいは、途中緊急出港したいなずまと会合、曵航され三菱重工業本牧工場に回航する。
「探知始め!」
「中部応急班から異常の有無が知らされません。先の爆発は中部で起こったものと判断します」
「了解。現場指揮官所定で、中部に応急班を派出」
この攻撃が一体どういうものか全く分らなかった。船底から突き上げる衝撃は無かったし、艦内で爆発したというよりか外側で爆発してその力が加わった感じがする。砲弾でも魚雷でもない。凡そ地球の人間には想像の付かない攻撃だった。
「煙突右舷に大破孔。航行に支障無し。傷者発生!」
「対水上戦闘」
出谷1佐は、応急に注意が向いていた艦内に喝を入れた。然し、EVALやDACは反射で反応する。
「対水上戦闘!」
「以前の目標に対し、砲で効力射を掛けつつ面舵反転、離隔する」
「了解しました。左090度の目標に対し離隔しつつ射撃します。左対水上戦闘! 左090度、同航の目標、主砲攻撃始め!」
「左対水上戦闘! 左090度、同航の目標! 主砲、撃ち方始め!」
「艦橋、最大戦そーく! 面舵一杯!」
応急や傷者処置を優先するか、戦闘を優先するか、どちらか一つしか選べない。艦の乗員には限りがあるし傷者を処置している時に攻撃を受けてしまったら反応が遅くなってしまうから、同時に2つの事をするのは効率が悪い。
チャフで撹乱出来ない可能性の高い、既知の攻撃法を使わない敵に対しては、このまま近くにいるより離れた方が良いのは火を見るよりも明らかである。然し、それは必然的に、倒れた中部応急班を見捨てる事になる。艦長たる指揮官は、“命”を“戦力”と見なくてはならない。
「間もなく射界制限に入る。引かない!」
「51番、射界制限!」
「はい。撃ち方控え」
対水速力を無くした目標に対し、当然本艦は優速となり更に面舵を取るとどうなるか。目標を追尾し、砲を指向していると火気の入った砲口が艦橋に向いてしまう。当然、安全装置が働く訳だが、危険を極限しなければならないから「控え」を令す必要がある。
「51番、射界良し」
「射撃用意良し!」
「EVAL、艦橋。間もなく定針……定針。120度」
「定針! 以前の目標、撃ち方始め! 引き切れ!!」
砲術長の叫びは、射撃管制装置コンソールに座る海曹に届いた。前に達せられた胸算を無視し、引金から指を離さない。カメラには水柱しか映らなくなり、最早命中しているかすら観測不能だ。
「51番、撃ち終り」
この弾切れの合図で漸く引金を離した。
水柱が引いた画面にはもう沈み行くしか無い、船だったものが映る。海面には人の様な影も見える。
「見張り、乗員の離艦を確認するも、黒い人影は以前として視認。こちらを見ているように見える!」
若干緩みつつあった空気が、再び張詰めた。敵は、沈むしかない船に乗っていながらも抵抗する意志を持っている事に、驚きを隠せない。
「総員、衝撃に備え!」
どこが攻撃されるか分れば、右左どちらに退避すれば良いか示す事が出来る。然し、分らない。出谷1佐は、これを言うのが精一杯であった。
マイクが入る前に、艦が衝撃に晒された。木が折れる時の様な破裂音がフレームから聞こえてくる。艦ではあまり無い横揺れは、総員に非常を思い知らしめる。
「各部、人員器材異常無いか?」
砲雷長は、揺れが収まり切る前に送話口のスイッチを押していた。そして、それに応答する海曹士もいる。
どんどん異常の有無が集まってくるが、一番肝心と言っても過言ではない箇所からの報告が遅い。流石に痺れを切らして、こちらから呼び掛ける。
「艦橋、EVAL」
応答はない。頭が真白くなって行く。艦内電話の音や日本語の入り乱れる様が段段遠のいて行き、耳鳴の様な高く不快な音が徐徐に近付いてくる。
「艦橋、EVAL? 感度どうか」
自分の声が反響していると錯覚する。今、一人になっているかのようだ。
「EVAL。人員器材異常無いか?」
艦長の声が聞こえるが、返事が出来ない。日本語として受取り、脳内に文章は浮かぶが意識がそれを読み、理解しようとしなかった。今はそれよりも、艦橋の方が気掛りだからだ。
「砲雷長!」
艦長の怒鳴りで、瞬きを忘れた砲雷長はゆっくりと顔を向けた。
「何があった」
「艦橋の応答が……ありません」
「電測員1名、艦橋に」
狼狽える暇は無い。艦長は艦橋配置の人間の生死よりも、操艦が可能かどうかが気掛りとなっていた。もう普通の人の感覚や感情は残っていない。
「田村3曹派出しました!」
「了解。EVAL、艦橋の他はどうなんだ」
「SPYレーダー、故障。故障の原因、攻撃による送信器の焼損。使用不能。自艦修理不能。その他、各種レーダーや機器に不調や発煙が出ています」
考えるまでもない。これは、戦闘不能だ。そしてそれは、相手も同様だ。
「司令に。本艦、攻撃を受け、被害箇所多数。自艦修理不能。戦闘続投不能。基地帰投を優先すべきと考える。以上」
やりきった。出谷1佐にその言葉が過った途端、一気に情報量が大きくなった。無意識に、雑音や関係無い声を遮断していたのだ。高熱を出して、感覚が冴え渡った時の様な感覚だった。
当該戦闘(サーシャン水道武力衝突)では、第4護衛隊かが、ちょうかいがノーム親国を主張する武装勢力に突然攻撃を受けた。
その結果、かがにおいては、1名が後送の要ありと認められる他、爆発性攻撃の激動による転倒などで4名の傷者(戦力復帰可能)が出た。
ちょうかいでは、2回に渡る爆発性攻撃により、第2煙突満載喫水線上7メーターに直径2メーターの大破孔、艦橋構造物05甲板以上が壊滅。加えて、第2内火艇及び左舷筏等焼損、FCS-2と1番イルミネーターレーダー及び各種航行用レーダー全損、前部SPYレーダー故障、後部SPYレーダー焼損、第2甲板通路等ではC火災及びA火災が発生したものの、SCBA員の突入が不可能であったため防火1次区画を全焼させ全損した。第1回激動時に中部応急班の4名が死亡、2名が後送の要ありと認められ、最終的には前部、後部応急班においても3名の傷者(戦力復帰不能)が発生した。第2回激動時では艦橋が被害にあい、当時配置についていた航海長以下11名が死亡した。
かがは、ビルブァターニに入港。ちょうかいは、途中緊急出港したいなずまと会合、曵航され三菱重工業本牧工場に回航する。
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
異世界災派 ~1514億4000万円を失った自衛隊、海外に災害派遣す~
ス々月帶爲
ファンタジー
元号が令和となり一年。自衛隊に数々の災難が、襲い掛かっていた。
対戦闘機訓練の為、東北沖を飛行していた航空自衛隊のF-35A戦闘機が何の前触れもなく消失。そのF-35Aを捜索していた海上自衛隊護衛艦のありあけも、同じく捜索活動を行っていた、いずも型護衛艦2番艦かがの目の前で消えた。約一週間後、厄災は東北沖だけにとどまらなかった事を知らされた。陸上自衛隊の車両を積載しアメリカ合衆国に向かっていたC-2が津軽海峡上空で消失したのだ。
これまでの損失を計ると、1514億4000万円。過去に類をみない、恐ろしい損害を負った防衛省・自衛隊。
防衛省は、対策本部を設置し陸上自衛隊の東部方面隊、陸上総隊より選抜された部隊で混成団を編成。
損失を取り返すため、何より一緒に消えてしまった自衛官を見つけ出す為、混成団を災害派遣する決定を下したのだった。
派遣を任されたのは、陸上自衛隊のプロフェッショナル集団、陸上総隊の隷下に入る中央即応連隊。彼等は、国際平和協力活動等に尽力する為、先遣部隊等として主力部隊到着迄活動基盤を準備する事等を主任務とし、日々訓練に励んでいる。
其の第一中隊長を任されているのは、暗い過去を持つ新渡戸愛桜。彼女は、この派遣に於て、指揮官としての特殊な苦悩を味い、高みを目指す。
海上自衛隊版、出しました
→https://ncode.syosetu.com/n3744fn/
※作中で、F-35A ライトニングⅡが墜落したことを示唆する表現がございます。ですが、実際に墜落した時より前に書かれた表現ということをご理解いただければ幸いです。捜索が打ち切りとなったことにつきまして、本心から残念に思います。搭乗員の方、戦闘機にご冥福をお祈り申し上げます。
「小説家になろう」に於ても投稿させて頂いております。
→https://ncode.syosetu.com/n3570fj/
「カクヨム」に於ても投稿させて頂いております。
→https://kakuyomu.jp/works/1177354054889229369
―異質― 激突の編/日本国の〝隊〟 その異世界を掻き回す重金奏――
EPIC
SF
日本国の戦闘団、護衛隊群、そして戦闘機と飛行場基地。続々異世界へ――
とある別の歴史を歩んだ世界。
その世界の日本には、日本軍とも自衛隊とも似て非なる、〝日本国隊〟という名の有事組織が存在した。
第二次世界大戦以降も幾度もの戦いを潜り抜けて来た〝日本国隊〟は、異質な未知の世界を新たな戦いの場とする事になる――
大規模な演習の最中に異常現象に巻き込まれ、未知なる世界へと飛ばされてしまった、日本国陸隊の有事官〝制刻 自由(ぜいこく じゆう)〟と、各職種混成の約1個中隊。
そこは、剣と魔法が力の象徴とされ、モンスターが跋扈する世界であった。
そんな世界で手探りでの調査に乗り出した日本国隊。時に異世界の人々と交流し、時に救い、時には脅威となる存在と苛烈な戦いを繰り広げ、潜り抜けて来た。
そんな彼らの元へ、陸隊の戦闘団。海隊の護衛艦船。航空隊の戦闘機から果ては航空基地までもが、続々と転移合流して来る。
そしてそれを狙い図ったかのように、異世界の各地で不穏な動きが見え始める。
果たして日本国隊は、そして異世界はいかなる道をたどるのか。
未知なる地で、日本国隊と、未知なる力が激突する――
注意事項(1 当お話は第2部となります。ですがここから読み始めても差して支障は無いかと思います、きっと、たぶん、メイビー。
注意事項(2 このお話には、オリジナル及び架空設定を多数含みます。
注意事項(3 部隊単位で続々転移して来る形式の転移物となります。
注意事項(4 主人公を始めとする一部隊員キャラクターが、超常的な行動を取ります。かなりなんでも有りです。
注意事項(5 小説家になろう、カクヨムでも投稿しています。
異世界列島
黒酢
ファンタジー
【速報】日本列島、異世界へ!資源・食糧・法律etc……何もかもが足りない非常事態に、現代文明崩壊のタイムリミットは約1年!?そんな詰んじゃった状態の列島に差した一筋の光明―――新大陸の発見。だが……異世界の大陸には厄介な生物。有り難くない〝宗教〟に〝覇権主義国〟と、問題の火種がハーレム状態。手足を縛られた(憲法の話)日本は、この覇権主義の世界に平和と安寧をもたらすことができるのか!?今ここに……日本国民及び在留外国人―――総勢1億3000万人―――を乗せた列島の奮闘が始まる…… 始まってしまった!!
■【毎日投稿】2019.2.27~3.1
毎日投稿ができず申し訳ありません。今日から三日間、大量投稿を致します。
今後の予定(3日間で計14話投稿予定)
2.27 20時、21時、22時、23時
2.28 7時、8時、12時、16時、21時、23時
3.1 7時、12時、16時、21時
■なろう版とサブタイトルが異なる話もありますが、その内容は同じです。なお、一部修正をしております。また、改稿が前後しており、修正ができていない話も含まれております。ご了承ください。
改造空母機動艦隊
蒼 飛雲
歴史・時代
兵棋演習の結果、洋上航空戦における空母の大量損耗は避け得ないと悟った帝国海軍は高価な正規空母の新造をあきらめ、旧式戦艦や特務艦を改造することで数を揃える方向に舵を切る。
そして、昭和一六年一二月。
日本の前途に暗雲が立ち込める中、祖国防衛のために改造空母艦隊は出撃する。
「瑞鳳」「祥鳳」「龍鳳」が、さらに「千歳」「千代田」「瑞穂」がその数を頼みに太平洋艦隊を迎え撃つ。
―異質― 邂逅の編/日本国の〝隊〟、その異世界を巡る叙事詩――《第一部完結》
EPIC
SF
日本国の混成1個中隊、そして超常的存在。異世界へ――
とある別の歴史を歩んだ世界。
その世界の日本には、日本軍とも自衛隊とも似て非なる、〝日本国隊〟という名の有事組織が存在した。
第二次世界大戦以降も幾度もの戦いを潜り抜けて来た〝日本国隊〟は、異質な未知の世界を新たな戦いの場とする事になる――
日本国陸隊の有事官、――〝制刻 自由(ぜいこく じゆう)〟。
歪で醜く禍々しい容姿と、常識外れの身体能力、そしてスタンスを持つ、隊員として非常に異質な存在である彼。
そんな隊員である制刻は、陸隊の行う大規模な演習に参加中であったが、その最中に取った一時的な休眠の途中で、不可解な空間へと導かれる。そして、そこで会った作業服と白衣姿の謎の人物からこう告げられた。
「異なる世界から我々の世界に、殴り込みを掛けようとしている奴らがいる。先手を打ちその世界に踏み込み、この企みを潰せ」――と。
そして再び目を覚ました時、制刻は――そして制刻の所属する普通科小隊を始めとする、各職種混成の約一個中隊は。剣と魔法が力の象徴とされ、モンスターが跋扈する未知の世界へと降り立っていた――。
制刻を始めとする異質な隊員等。
そして問題部隊、〝第54普通科連隊〟を始めとする各部隊。
元居た世界の常識が通用しないその異世界を、それを越える常識外れな存在が、掻き乱し始める。
〇案内と注意
1) このお話には、オリジナル及び架空設定を多数含みます。
2) 部隊規模(始めは中隊規模)での転移物となります。
3) チャプター3くらいまでは単一事件をいくつか描き、チャプター4くらいから単一事件を混ぜつつ、一つの大筋にだんだん乗っていく流れになっています。
4) 主人公を始めとする一部隊員キャラクターが、超常的な行動を取ります。ぶっ飛んでます。かなりなんでも有りです。
5) 小説家になろう、カクヨムにてすでに投稿済のものになりますが、そちらより一話当たり分量を多くして話数を減らす整理のし直しを行っています。

東京PMC’s
青空鰹
ファンタジー
唯一向いの家族である父親が失踪してしまった 大園 紫音 は天涯孤独の身になってしまい途方に明け暮れていた。
そんな彼の元に、父親の友人がやって来て 天野 と言う人の家を紹介してもらったのだが “PMCとして一緒に活動しなければ住まわせない”と言うので、彼は“僕にはもう行く宛がない” 天野と言う人の条件を了承して訓練所に行き、PMCライセンス を取得した一人の少年の物語。
札束艦隊
蒼 飛雲
歴史・時代
生まれついての勝負師。
あるいは、根っからのギャンブラー。
札田場敏太(さつたば・びんた)はそんな自身の本能に引きずられるようにして魑魅魍魎が跋扈する、世界のマーケットにその身を投じる。
時は流れ、世界はその混沌の度を増していく。
そのような中、敏太は将来の日米関係に危惧を抱くようになる。
亡国を回避すべく、彼は金の力で帝国海軍の強化に乗り出す。
戦艦の高速化、ついでに出来の悪い四姉妹は四一センチ砲搭載戦艦に改装。
マル三計画で「翔鶴」型空母三番艦それに四番艦の追加建造。
マル四計画では戦時急造型空母を三隻新造。
高オクタン価ガソリン製造プラントもまるごと買い取り。
科学技術の低さもそれに工業力の貧弱さも、金さえあればどうにか出来る!

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる