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除け者達のファンファーレ
無口キャラにも限度がある
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おあつらえ向きな獲物を三匹見つけた。
俺はエア眼鏡のブリッジをくいっとした。
「えーでは、貴方の実力を見せてもらう」
シラがシュビッと敬礼した。
「出来ればあの子猩々を倒してくれるかい?」
ホスセリが要望する。
シラがグッと親指を上げた。
俺達はシラの神力が分からなかった。
分からないと言ったのは、シラに聞いてみたのだ、どんな神力かを。
しかしシラのサイレントムーブを解読出来ず、実際に狩り場に赴いて実際に見せてもらおうという話になったのだ。
はてさて、どんな神力なのか、胸が高鳴る。
シラが腰に巻いた上着をほどいた。上着は袖突きのポンチョだった。
シラの神力が膨れ上がった。
「……ちょっと待て、神力が大きすぎる」
ホスセリの頬がひきつる。
確かにすごい量の神力だ。たった一回の攻撃では出さない。もしかしたら必殺業的なやつかも。
シラが握る上着がひとりでに動き出し形を変える。
捻れる。限界を超えてギチギチと捻れる。
そして弓になった、うっすらと桃色の。
「……きれいだ」
思わずこぼれた呟きを慌てて口に戻した。
義手で口を塞ぎなからホスセリとシラを盗み見る。
バレてなさそうだ。
シラの右手に神力が集まる。
指先から白い糸が出てきた。
親指、人差し指、中指の三本から伸びた糸も意思をもった生き物のように絡み合い矢となる。
純白の女神シラはうっすらと桃色がかった矢をつがえた。
「ほぅ」
何も漏れないようにきつく縛った口元からため息が漏れた。それはホスセリも同様で。
「撫子の弓……」
「あれが、撫子の弓か……」
「いや、弓の名前じゃなくて弓の色の名前。あの薄い桃色を撫子いろっていうんだ」
「ふーん、知ってたし」
知ったかぶりしてしまった。恥ずかしい。
一人で恥ずかしがっている間に、シラが矢を引き絞る。
布製の弓がキリキリとしなる。
子猩々は吠えながら逃げ出した。その子猩々を守るように二匹の猩々が立ち位置を変えた。
シラの位置からでは子猩々を狙えない。移動を——。
俺が狙いやすいポイントはどこか探そうと目を離したときに、シラが矢を放った。
放たれた矢は白い光線となって宙に一本の線を引いた。
矢は猩々の胸を撃ち抜いても止まらなず、その先で吠えながら逃げる子猩々の頭も撃ち抜いて空に消えた。
しばらくの静寂の後、俺は称賛の声を溜めて爆発させた。
「すげー」
一射で三匹を同時に倒して見せた。まさに神の御業。
しかし俺の惜しみ無い拍手はホスセリの正論にかき消された。
「神力を放出し過ぎだ。すぐにガス欠になるぞ」
怒られるとは思っていなかったシラがおろおろしながら頭を下げる。
「見られてたから力んじゃったんじゃない?」
俺はさっと助け船を出すとシラはそれに飛び乗りコクコクと肯定した。
しかしホスセリはそれでもやりすぎと納得しない。
「もしかして神力の扱いに慣れてないんじゃないかい?」
シラの表情が固まった。
「悪いけど調べたんだ、シラちゃんのこと。君はお白さまと呼ばれて東北地方で信仰を集めていた蚕の神だろう?」
シラは黙ったまま俯いた。
「お白さまには有名な逸話がある。馬娘婚姻譚だ。それは——」
「それが神力の扱いになんか関係あるのか?」
俺はホスセリの言葉を遮った。
本心を言えば聞きたかったが、何かを耐えるように佇んでいるシラを見ていられなかった。
「関係がないとは言い切れない」
ホスセリの言葉がやけに冷たく感じた。
「シラは元人の半端者」
シラは目を強く瞑った。弓を持つ左手が震えている。それでもここから逃げようとはしなかった。
その姿は突きつけられる追放の宣告に耐えようとしているように映った。
「——だから、きっと神力の扱いに慣れてないんじゃないかい? 教えてくれる神もいなかっただろう? ほとんどの神は血に煩いから」
シラの顔が上がった。目には涙が溜めて、何かを発しようとシラの口がパクパクと動いた。
「僕は君の出生でパーティーから追い出すつもりは全くない。これから神力の扱いをマスターしていけばいいさ」
シラがコクッと頷いた。
「ヒルコもそれでいいだろ?」
「え、あ、うん」
完全に蚊帳の外だった俺は一拍遅れて返事をした。
地面の影が長くなっていた。気付かぬうちに夕方になっていた。
今からギルドに帰還するとすると暗い山道を通らなければならない。
「今日は僕の神力のすごさを見せてやろう」
ホスセリが胸を張った。
まさか時間を巻き戻すとでもいうのか。
「先ずは場所を探そう」
ここから南に下り始めた。
意気揚々と戦闘を歩くホスセリの背にさっきの話で引っ掛かったことを投げ掛けた。
「馬娘婚姻譚って何?」
本当はシラに内緒でこっそり聞くのは気が引ける。でもそれ以上に彼女の過去が気になるのだ。
「シラに聞けば?」
「シラは喋れないだろ」
「だったらシラのいる所で話すよ」
それから数キロほど歩いた。ここにしようとホスセリの足がやっと止まった。
そこはさらさらと小川が流れている。
ホスセリがアルバムのページをめくり、数枚の写真を取り出した。そして神力がふわっと膨れる。
彼の手が写真の中へ、そして大きなテントを取り出した。それだけじゃない、焚き火台、包丁を初めとした調理器具。椅子から寝袋まで、あっという間に快適なキャンプが完成した。
過酷な冒険とは間逆の休日のレジャー感。
「どうだ! 僕の神力は便利だろ?」
力が抜ける思いだった。でも得意げに鼻を伸ばすホスセリを賞賛した。
ぐう~~と三人の腹が鳴った。しかし食材がない。
とホスセリがまたアルバムをめくった。そして大きな肉をデンと出した。
「たしか、生き物は取り出せないんじゃ……」
「精肉は死んでるでしょ」
あ、そういうことか。
シラはこちらの会話には耳を貸さず、じっと肉を見つめていた。そういえば俺も三日ぶりの肉だ。
包丁を握ったのはホスセリだった。俺が包丁に神力を付与しようとしたら全力で拒否されたことも追記しておく。
今晩の夕飯はステーキだった。米も欲しい所だが写真も無く持ってきてもいなかったので今回はこれのみ。次回の持ち物に追加しておこう。
そして食後の話題はシラの過去、馬娘婚姻譚に。
「ある農家の男に一人も娘がいた。まあ、シラなんだけど。
その娘には昔からある力を持っていた。それは僕たちで言う神力だ。なぜ人間のシラが僕たちと同じ力を持っていたのかは分からないけどね。
話を戻そう。男は娘を溺愛していて、外に一歩も外に出さなかった。
外に出られない娘の唯一の遊び相手は家畜の馬だった。娘は馬に語りかけ笑い合った。そのうちにお互いに恋心が芽生えた。
それを知った男は大激怒して馬を殺して桑の木に吊るした。それを知った娘は死んだ馬を抱いて泣いた。男はそれを見てさらに腹を立てて馬の首を落とした。娘がその首に跨がると娘と馬は天に登って行ったとさ」
とてもぶっ飛んだ話だった。創作かと思ったがシラの様子を見れば本当のことのようだ。
「こんな感じであってるかい?」
シラは曖昧な笑みを作って人差し指と親指で丸を作った。
何とも言えない微妙な空気が流れた。
その空気が居心地悪くて、大きな声で教えてくれてありがとうと深く頭を下げて、今度は俺が考えていることを宣言した。
「俺達は未踏の地を求めて集まった同士諸君だ。そこで我々は他の冒険者が行っていない方面に足を向けなければならない。そこはつまり広島である。いざ行かん、広島へ!」
俺の声が森の木々に吸われて、静まり返る。
清流の心地よいせせらぎだけが、顔から火が出そうな俺を慰めてくれた。
俺はエア眼鏡のブリッジをくいっとした。
「えーでは、貴方の実力を見せてもらう」
シラがシュビッと敬礼した。
「出来ればあの子猩々を倒してくれるかい?」
ホスセリが要望する。
シラがグッと親指を上げた。
俺達はシラの神力が分からなかった。
分からないと言ったのは、シラに聞いてみたのだ、どんな神力かを。
しかしシラのサイレントムーブを解読出来ず、実際に狩り場に赴いて実際に見せてもらおうという話になったのだ。
はてさて、どんな神力なのか、胸が高鳴る。
シラが腰に巻いた上着をほどいた。上着は袖突きのポンチョだった。
シラの神力が膨れ上がった。
「……ちょっと待て、神力が大きすぎる」
ホスセリの頬がひきつる。
確かにすごい量の神力だ。たった一回の攻撃では出さない。もしかしたら必殺業的なやつかも。
シラが握る上着がひとりでに動き出し形を変える。
捻れる。限界を超えてギチギチと捻れる。
そして弓になった、うっすらと桃色の。
「……きれいだ」
思わずこぼれた呟きを慌てて口に戻した。
義手で口を塞ぎなからホスセリとシラを盗み見る。
バレてなさそうだ。
シラの右手に神力が集まる。
指先から白い糸が出てきた。
親指、人差し指、中指の三本から伸びた糸も意思をもった生き物のように絡み合い矢となる。
純白の女神シラはうっすらと桃色がかった矢をつがえた。
「ほぅ」
何も漏れないようにきつく縛った口元からため息が漏れた。それはホスセリも同様で。
「撫子の弓……」
「あれが、撫子の弓か……」
「いや、弓の名前じゃなくて弓の色の名前。あの薄い桃色を撫子いろっていうんだ」
「ふーん、知ってたし」
知ったかぶりしてしまった。恥ずかしい。
一人で恥ずかしがっている間に、シラが矢を引き絞る。
布製の弓がキリキリとしなる。
子猩々は吠えながら逃げ出した。その子猩々を守るように二匹の猩々が立ち位置を変えた。
シラの位置からでは子猩々を狙えない。移動を——。
俺が狙いやすいポイントはどこか探そうと目を離したときに、シラが矢を放った。
放たれた矢は白い光線となって宙に一本の線を引いた。
矢は猩々の胸を撃ち抜いても止まらなず、その先で吠えながら逃げる子猩々の頭も撃ち抜いて空に消えた。
しばらくの静寂の後、俺は称賛の声を溜めて爆発させた。
「すげー」
一射で三匹を同時に倒して見せた。まさに神の御業。
しかし俺の惜しみ無い拍手はホスセリの正論にかき消された。
「神力を放出し過ぎだ。すぐにガス欠になるぞ」
怒られるとは思っていなかったシラがおろおろしながら頭を下げる。
「見られてたから力んじゃったんじゃない?」
俺はさっと助け船を出すとシラはそれに飛び乗りコクコクと肯定した。
しかしホスセリはそれでもやりすぎと納得しない。
「もしかして神力の扱いに慣れてないんじゃないかい?」
シラの表情が固まった。
「悪いけど調べたんだ、シラちゃんのこと。君はお白さまと呼ばれて東北地方で信仰を集めていた蚕の神だろう?」
シラは黙ったまま俯いた。
「お白さまには有名な逸話がある。馬娘婚姻譚だ。それは——」
「それが神力の扱いになんか関係あるのか?」
俺はホスセリの言葉を遮った。
本心を言えば聞きたかったが、何かを耐えるように佇んでいるシラを見ていられなかった。
「関係がないとは言い切れない」
ホスセリの言葉がやけに冷たく感じた。
「シラは元人の半端者」
シラは目を強く瞑った。弓を持つ左手が震えている。それでもここから逃げようとはしなかった。
その姿は突きつけられる追放の宣告に耐えようとしているように映った。
「——だから、きっと神力の扱いに慣れてないんじゃないかい? 教えてくれる神もいなかっただろう? ほとんどの神は血に煩いから」
シラの顔が上がった。目には涙が溜めて、何かを発しようとシラの口がパクパクと動いた。
「僕は君の出生でパーティーから追い出すつもりは全くない。これから神力の扱いをマスターしていけばいいさ」
シラがコクッと頷いた。
「ヒルコもそれでいいだろ?」
「え、あ、うん」
完全に蚊帳の外だった俺は一拍遅れて返事をした。
地面の影が長くなっていた。気付かぬうちに夕方になっていた。
今からギルドに帰還するとすると暗い山道を通らなければならない。
「今日は僕の神力のすごさを見せてやろう」
ホスセリが胸を張った。
まさか時間を巻き戻すとでもいうのか。
「先ずは場所を探そう」
ここから南に下り始めた。
意気揚々と戦闘を歩くホスセリの背にさっきの話で引っ掛かったことを投げ掛けた。
「馬娘婚姻譚って何?」
本当はシラに内緒でこっそり聞くのは気が引ける。でもそれ以上に彼女の過去が気になるのだ。
「シラに聞けば?」
「シラは喋れないだろ」
「だったらシラのいる所で話すよ」
それから数キロほど歩いた。ここにしようとホスセリの足がやっと止まった。
そこはさらさらと小川が流れている。
ホスセリがアルバムのページをめくり、数枚の写真を取り出した。そして神力がふわっと膨れる。
彼の手が写真の中へ、そして大きなテントを取り出した。それだけじゃない、焚き火台、包丁を初めとした調理器具。椅子から寝袋まで、あっという間に快適なキャンプが完成した。
過酷な冒険とは間逆の休日のレジャー感。
「どうだ! 僕の神力は便利だろ?」
力が抜ける思いだった。でも得意げに鼻を伸ばすホスセリを賞賛した。
ぐう~~と三人の腹が鳴った。しかし食材がない。
とホスセリがまたアルバムをめくった。そして大きな肉をデンと出した。
「たしか、生き物は取り出せないんじゃ……」
「精肉は死んでるでしょ」
あ、そういうことか。
シラはこちらの会話には耳を貸さず、じっと肉を見つめていた。そういえば俺も三日ぶりの肉だ。
包丁を握ったのはホスセリだった。俺が包丁に神力を付与しようとしたら全力で拒否されたことも追記しておく。
今晩の夕飯はステーキだった。米も欲しい所だが写真も無く持ってきてもいなかったので今回はこれのみ。次回の持ち物に追加しておこう。
そして食後の話題はシラの過去、馬娘婚姻譚に。
「ある農家の男に一人も娘がいた。まあ、シラなんだけど。
その娘には昔からある力を持っていた。それは僕たちで言う神力だ。なぜ人間のシラが僕たちと同じ力を持っていたのかは分からないけどね。
話を戻そう。男は娘を溺愛していて、外に一歩も外に出さなかった。
外に出られない娘の唯一の遊び相手は家畜の馬だった。娘は馬に語りかけ笑い合った。そのうちにお互いに恋心が芽生えた。
それを知った男は大激怒して馬を殺して桑の木に吊るした。それを知った娘は死んだ馬を抱いて泣いた。男はそれを見てさらに腹を立てて馬の首を落とした。娘がその首に跨がると娘と馬は天に登って行ったとさ」
とてもぶっ飛んだ話だった。創作かと思ったがシラの様子を見れば本当のことのようだ。
「こんな感じであってるかい?」
シラは曖昧な笑みを作って人差し指と親指で丸を作った。
何とも言えない微妙な空気が流れた。
その空気が居心地悪くて、大きな声で教えてくれてありがとうと深く頭を下げて、今度は俺が考えていることを宣言した。
「俺達は未踏の地を求めて集まった同士諸君だ。そこで我々は他の冒険者が行っていない方面に足を向けなければならない。そこはつまり広島である。いざ行かん、広島へ!」
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