6 / 18
除け者達のファンファーレ
本当に美しいモノはどの角度から見ても整っている
しおりを挟む
「ねえ君、写真を一枚撮らせてくれないかい?」
朝露が乾かぬド早朝、俺は知らない男から被写体を頼まれた。
「ぇ、あ、すいません。急いでいるので」
知らない人にいきなりカメラを向けられる経験がないので条件反射的に断った。しかし相手はそれを予想していたように一切動じず、グッと距離を詰めた。
「一枚だけだから、すぐ終わるし」
めっちゃ嫌。
「そんなに嫌かい?」
男はしょんぼりする。
俺は心を読まれたと思って、さらにこの男を拒絶する壁を厚くした。
「記念だと思ってさ、一枚」
何の記念だ、お前と出会った記念か?こういうのをチャラ男っていうんだな。
ちょっと強めに断ろう。
「いえ、結構です」
お前は絶対拒絶だ。
「……そういえば、昨日はほとんどの冒険者が猩々にやられて帰って来たみたいだね」
男が話題を変えた。脳裏に昨日のギルドの様子が浮かぶ。
「あーそうなんですね」
心の壁に鉄板を仕込みながら、素っ気なく返す。
本当はとっととこの場を去ってギルドに行きたいのにこの男が進路をふさいで進めない。
もしかしてこの男、わざとか?
「その中で君は勝って来ただろう?換金してるのをたまたま見たんだよ。だからぜひ、ルーキーの写真が一枚ほしいのさ」
……おや?
心の壁に覗き穴から男を見てみると、なかなか良い奴そうだった。
「お、そっか。見られてたか。あの中で俺だけ換金するのは忍びなくてこっそりやったつもりだったんだけどなぁ」
「僕も運が良かったよ。僕はね、本来の姿を取り戻した自然や、更なる進化を求めて戦う神々の勇姿を写真に収めたくて地上に降りたんだ」
ちょっただけ壁からひょっこりと顔を出した。
降臨動機は俺と似てるな。写真か、面白そうだな。
「そこでお願いだ。これからどんどん活躍しそうなルーキーの駆け出しを、どうか一枚」
「貴方の夢を聞いてしまっては断れませんなぁ」
「おぉ、ありがとう!じゃ早速、刀に手を添えて遠くを見つめて!」
「フッフッフ、そう慌てずとも俺は逃げませんよ」
要望通りのポーズをとってあげた。
男のカメラは二眼レフのチェキでシャッターを切ったその場で写真が出てきた。
「いい感じですよ、ほら」
写真を見て、冷や水をかけられたように熱が覚めた。何だこれは恥ずかしいぞ。
「一枚いります?」
「いらない。では、仕事があるのでこれで」
「ああ、ちょっと待って!」
「……まだ何か?」
「クエストを発注したい」
「……何?」
何だと?
クエストだと?
この男、今クエストと言ったのか?
冒険者システムが施行したばかりでまだギルドからクエストは発注されていない。
自由な狩りや採集は冒険ぽくて素敵だが、冒険者と言えば、そう、クエストだ。
「……詳しい話を聞こうか」
最強のSランク冒険者然とした口調を心掛けた。振る舞いも余裕に満ちた感じを演出する。
しかし内心はお祭り状態。
この男の正体はいい子に欲しいものを運んでくると噂のサンタクロースという御仁に違いない。
「クエスト内容は僕の護衛だ」
護衛任務キター!
おぉ! この御仁の周りを十周して飛びついて雄叫びを上げたい。
しかし落ち着け、サンタクロースは嫌いな子には麻袋を頭に被せて拷問するときく。
「……報酬は?」
一度は言ってみたかったセリフ、言えた。
今日を記念日にしようかな。
「一日三万」
「ほう……」
でも相場がわからん。猩々が一匹千円だから……一日で三十匹分。いいのか?そもそも何処まで行くんだ?
「何処まで行くつもりだ?」
「何処までも、あのない旅さ」
は?何言ってるんだ?それってーー。
「パーティーじゃん」
「僕をパーティーにいれてくれるのかい!?」
「え?」
え?
「ありがとう!僕はホスセリ、よろしく!」
「ちょった待て」
話を勝手に進めるな。
「話を整理しよう」
「先に言ったのは君だ」
考え中にしゃべらないでくれ。また頭の中が散らかるだろ。
「確かに冒険者と言えばパーティーだが、しかしこの男とは組みたくない」
「心の声と台詞が逆になってないかい?」
結局この男ーー名前は確かにホスセリーーを振りきれられず、一緒にギルドの門をくぐった。
カウンターを挟んで目の前には、やる気に満ち満ちた受付嬢のセリがトビッキリのビジネススマイルで座っている。
「お早うございます、ヒルコ様。今日はどういったご用件で?」
冒険者登録のときとはえらい違いだ。一体彼女に何があったのか。
ニコニコのセリをまじまじと凝視していると、セリの隣にいた戌人の受付嬢ハナが苦笑まじりに教えてくれた。
「セリは朝だけは元気なんです。ただペース配分が出来ない子で……」
「私には体力が少ないので、あるうちに元気に振る舞っているだけです」
と、セリがさも当たり前のことだ言うようにツンとして要件は何か問い直した。
俺は何かクエストは無いものかと尋ねるが、予想通り色よい回答は得られなかった。
俺の隣でのほほんとハナと会話を始めたホスセリを見やる。
コイツがあんなことを言いだすせいで俺のクエスト欲は乾きに乾いているのだ。
「そうですか了解しました。じゃあ俺は冒険に出ます」
「はい、ご武運を!」
セリの元気な声に背を押されて、再び例の明るい森へ。ホスセリもちゃんとついてきている。
「すごい所だ! 感動ものだよ、ヒルコ」
道中で自己紹介も済ませてた。
「ホスセリ、ここからは気を引き締めて進む。写真はそのくらいにしてくれ」
俺に油断は無い。そろそろ猩猩と戦った場所……のははずなのだがどこだ。俺は隈無くあたりを探した。ここまで切り倒した木を目指して来たのにそれらしいものは一つもない。舞っていた葉も一枚だって落ちていない。
昨日の今日で木が無くなるとは考えられない。あるとすればそれを撤去する誰かがいたということ。
ここを通った神が他にもいたのか。
「ホスセリ、昨日俺以外に妖怪を狩って報酬を受け取ったヤツはいなかったか?」
「いや、僕が換金所を張っていたときには見なかったな」
だとすると他の妖怪が? 葉を一枚も残さずに何のために。
昨日の猩猩は強烈な青臭さを含んだ酒を噴霧していたことを思い出した。
猩猩が木を回収した可能性が高いな。しかし一匹では不可能、ということは複数で協力したことになる。
俺の中にいやな予想が膨らんできた。
もしも複数で協力して木を撤去したのなら、猩猩は群れで行動する習性がある可能性が高くなる。
とすらば昨日俺が相手した猩猩はその群れに入れなかった個体ということになる。そしてそういう個体は往々にして体が小さいまたは障害を向こうか持った弱い個体が多い。
つまりぎりぎり勝てたアレは群れに見向きもされないハグレだと仮定すると、これから遭遇する猩々は複数であって、倒木を撤去できるだけの協力が出来る妖怪である、と。
「あ、ヒルコあれ見てよ。向こうで木の葉がいっぱい舞ってるよ。すごい。風でもふているのかな、だんだんこっちに向かってきてる」
ホスセリが指差す方向、葉が舞っている。さなが通り雨のように。
朝露が乾かぬド早朝、俺は知らない男から被写体を頼まれた。
「ぇ、あ、すいません。急いでいるので」
知らない人にいきなりカメラを向けられる経験がないので条件反射的に断った。しかし相手はそれを予想していたように一切動じず、グッと距離を詰めた。
「一枚だけだから、すぐ終わるし」
めっちゃ嫌。
「そんなに嫌かい?」
男はしょんぼりする。
俺は心を読まれたと思って、さらにこの男を拒絶する壁を厚くした。
「記念だと思ってさ、一枚」
何の記念だ、お前と出会った記念か?こういうのをチャラ男っていうんだな。
ちょっと強めに断ろう。
「いえ、結構です」
お前は絶対拒絶だ。
「……そういえば、昨日はほとんどの冒険者が猩々にやられて帰って来たみたいだね」
男が話題を変えた。脳裏に昨日のギルドの様子が浮かぶ。
「あーそうなんですね」
心の壁に鉄板を仕込みながら、素っ気なく返す。
本当はとっととこの場を去ってギルドに行きたいのにこの男が進路をふさいで進めない。
もしかしてこの男、わざとか?
「その中で君は勝って来ただろう?換金してるのをたまたま見たんだよ。だからぜひ、ルーキーの写真が一枚ほしいのさ」
……おや?
心の壁に覗き穴から男を見てみると、なかなか良い奴そうだった。
「お、そっか。見られてたか。あの中で俺だけ換金するのは忍びなくてこっそりやったつもりだったんだけどなぁ」
「僕も運が良かったよ。僕はね、本来の姿を取り戻した自然や、更なる進化を求めて戦う神々の勇姿を写真に収めたくて地上に降りたんだ」
ちょっただけ壁からひょっこりと顔を出した。
降臨動機は俺と似てるな。写真か、面白そうだな。
「そこでお願いだ。これからどんどん活躍しそうなルーキーの駆け出しを、どうか一枚」
「貴方の夢を聞いてしまっては断れませんなぁ」
「おぉ、ありがとう!じゃ早速、刀に手を添えて遠くを見つめて!」
「フッフッフ、そう慌てずとも俺は逃げませんよ」
要望通りのポーズをとってあげた。
男のカメラは二眼レフのチェキでシャッターを切ったその場で写真が出てきた。
「いい感じですよ、ほら」
写真を見て、冷や水をかけられたように熱が覚めた。何だこれは恥ずかしいぞ。
「一枚いります?」
「いらない。では、仕事があるのでこれで」
「ああ、ちょっと待って!」
「……まだ何か?」
「クエストを発注したい」
「……何?」
何だと?
クエストだと?
この男、今クエストと言ったのか?
冒険者システムが施行したばかりでまだギルドからクエストは発注されていない。
自由な狩りや採集は冒険ぽくて素敵だが、冒険者と言えば、そう、クエストだ。
「……詳しい話を聞こうか」
最強のSランク冒険者然とした口調を心掛けた。振る舞いも余裕に満ちた感じを演出する。
しかし内心はお祭り状態。
この男の正体はいい子に欲しいものを運んでくると噂のサンタクロースという御仁に違いない。
「クエスト内容は僕の護衛だ」
護衛任務キター!
おぉ! この御仁の周りを十周して飛びついて雄叫びを上げたい。
しかし落ち着け、サンタクロースは嫌いな子には麻袋を頭に被せて拷問するときく。
「……報酬は?」
一度は言ってみたかったセリフ、言えた。
今日を記念日にしようかな。
「一日三万」
「ほう……」
でも相場がわからん。猩々が一匹千円だから……一日で三十匹分。いいのか?そもそも何処まで行くんだ?
「何処まで行くつもりだ?」
「何処までも、あのない旅さ」
は?何言ってるんだ?それってーー。
「パーティーじゃん」
「僕をパーティーにいれてくれるのかい!?」
「え?」
え?
「ありがとう!僕はホスセリ、よろしく!」
「ちょった待て」
話を勝手に進めるな。
「話を整理しよう」
「先に言ったのは君だ」
考え中にしゃべらないでくれ。また頭の中が散らかるだろ。
「確かに冒険者と言えばパーティーだが、しかしこの男とは組みたくない」
「心の声と台詞が逆になってないかい?」
結局この男ーー名前は確かにホスセリーーを振りきれられず、一緒にギルドの門をくぐった。
カウンターを挟んで目の前には、やる気に満ち満ちた受付嬢のセリがトビッキリのビジネススマイルで座っている。
「お早うございます、ヒルコ様。今日はどういったご用件で?」
冒険者登録のときとはえらい違いだ。一体彼女に何があったのか。
ニコニコのセリをまじまじと凝視していると、セリの隣にいた戌人の受付嬢ハナが苦笑まじりに教えてくれた。
「セリは朝だけは元気なんです。ただペース配分が出来ない子で……」
「私には体力が少ないので、あるうちに元気に振る舞っているだけです」
と、セリがさも当たり前のことだ言うようにツンとして要件は何か問い直した。
俺は何かクエストは無いものかと尋ねるが、予想通り色よい回答は得られなかった。
俺の隣でのほほんとハナと会話を始めたホスセリを見やる。
コイツがあんなことを言いだすせいで俺のクエスト欲は乾きに乾いているのだ。
「そうですか了解しました。じゃあ俺は冒険に出ます」
「はい、ご武運を!」
セリの元気な声に背を押されて、再び例の明るい森へ。ホスセリもちゃんとついてきている。
「すごい所だ! 感動ものだよ、ヒルコ」
道中で自己紹介も済ませてた。
「ホスセリ、ここからは気を引き締めて進む。写真はそのくらいにしてくれ」
俺に油断は無い。そろそろ猩猩と戦った場所……のははずなのだがどこだ。俺は隈無くあたりを探した。ここまで切り倒した木を目指して来たのにそれらしいものは一つもない。舞っていた葉も一枚だって落ちていない。
昨日の今日で木が無くなるとは考えられない。あるとすればそれを撤去する誰かがいたということ。
ここを通った神が他にもいたのか。
「ホスセリ、昨日俺以外に妖怪を狩って報酬を受け取ったヤツはいなかったか?」
「いや、僕が換金所を張っていたときには見なかったな」
だとすると他の妖怪が? 葉を一枚も残さずに何のために。
昨日の猩猩は強烈な青臭さを含んだ酒を噴霧していたことを思い出した。
猩猩が木を回収した可能性が高いな。しかし一匹では不可能、ということは複数で協力したことになる。
俺の中にいやな予想が膨らんできた。
もしも複数で協力して木を撤去したのなら、猩猩は群れで行動する習性がある可能性が高くなる。
とすらば昨日俺が相手した猩猩はその群れに入れなかった個体ということになる。そしてそういう個体は往々にして体が小さいまたは障害を向こうか持った弱い個体が多い。
つまりぎりぎり勝てたアレは群れに見向きもされないハグレだと仮定すると、これから遭遇する猩々は複数であって、倒木を撤去できるだけの協力が出来る妖怪である、と。
「あ、ヒルコあれ見てよ。向こうで木の葉がいっぱい舞ってるよ。すごい。風でもふているのかな、だんだんこっちに向かってきてる」
ホスセリが指差す方向、葉が舞っている。さなが通り雨のように。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。
夫を愛することはやめました。
杉本凪咲
恋愛
私はただ夫に好かれたかった。毎日多くの時間をかけて丹念に化粧を施し、豊富な教養も身につけた。しかし夫は私を愛することはなく、別の女性へと愛を向けた。夫と彼女の不倫現場を目撃した時、私は強いショックを受けて、自分が隣国の王女であった時の記憶が蘇る。それを知った夫は手のひらを返したように愛を囁くが、もう既に彼への愛は尽きていた。
選ばれたのは美人の親友
杉本凪咲
恋愛
侯爵令息ルドガーの妻となったエルは、良き妻になろうと奮闘していた。しかし突然にルドガーはエルに離婚を宣言し、あろうことかエルの親友であるレベッカと関係を持った。悔しさと怒りで泣き叫ぶエルだが、最後には離婚を決意して縁を切る。程なくして、そんな彼女に新しい縁談が舞い込んできたが、縁を切ったはずのレベッカが現れる。
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
【毎日20時更新】銀の宿り
ユーレカ書房
ファンタジー
それは、魂が生まれ、また還るとこしえの場所――常世国の神と人間との間に生まれた青年、千尋は、みずからの力を忌むべきものとして恐れていた――力を使おうとすると、恐ろしいことが起こるから。だがそれは、千尋の心に呪いがあるためだった。
その呪いのために、千尋は力ある神である自分自身を忘れてしまっていたのだ。 千尋が神に戻ろうとするとき、呪いは千尋を妨げようと災いを振りまく。呪いの正体も、解き方の手がかりも得られぬまま、日照りの村を救うために千尋は意を決して力を揮うのだが………。
『古事記』に記されたイザナギ・イザナミの国生みの物語を背景に、豊葦原と常世のふたつの世界で新たな神話が紡ぎ出される。生と死とは。幸福とは。すべてのものが生み出される源の力を受け継いだ彦神の、真理と創造の幻想譚。
examination
伏織綾美
ファンタジー
幽霊や妖怪が見える主人公・大国くん。
ある日、危ない所を助けてくれたクラスメートの羽生さんに目を付けられ、彼女の“商売”の手伝いをさせられることに!
マゾっ子属性の主人公と不謹慎すぎる毒舌のヒロインが織り成す、ハートフルラブストーリーです(ハートフルラブストーリーとは言ってない)
所々、HTMLタグを消し忘れてるところがあるかもです。申し訳ない。
うつほ草紙
遠堂瑠璃
ファンタジー
俺は、何処から来たのだろう。
桃から生まれた桃太郎は、幾度となく己に問いかける。母の胎内からではなく、何もない空洞、うつほの中から生まれ出でた己は何者なのか。人の姿をしていても、人成らざる者なのだろうか。
そんなある日、都に竹から生まれた娘が居るという噂を耳にした桃太郎は、おそらく己と同じ場所からこの現世に生まれ出でたであろうその娘に会う為に村を旅立つ。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる