201 / 305
第8章
8-4
しおりを挟む
8-4「ユウのターン」
野営の準備をしてくるからと言って部屋に戻っていったチェアリーを、オレは中庭のベンチで待った。
オレの方はいつもと変わらない装備と荷物だけだ。あっという間に準備を終えさっきから彼女を待っているのだが、中々出てこない。
チェアリーにすべて任せていたので特にやることもなく、ベンチから空を眺めて流れて行く雲を眺めた。
(雨、降らないといいけど・・・・・・)
野営といってもオレの知っているキャンプと変わりなさそうなので、後は天気が良ければ楽しめそうだ。
しばらくぼーっと空を眺めて待っているうちに、チェアリーが荷物を抱えてやってきた。
「ゴメンね、待たせて」
「いや、いいよ」
彼女は丸めて紐で縛りあげた毛布を小脇に抱え、更にいつも持ち歩いているカバンとバックも肩から下げて現れた。
「はい、持って、持って!」
彼女に渡された毛布には肩から下げられるように紐が通してある。
(準備がいいな)
どうやらオレは荷物持ちのようだ。
(こういう時はラノベでよくあるみたいに、亜空間へアイテムをしまっておけたら便利なんだけど。無いのかな?そういう魔法)
もしそんな便利な魔法があるのだったら、わざわざウサギを担がせたりしないだろう。それに物の移動が簡単になるという事は経済の発展を意味する。例えば機関車の登場が産業革命の一因を担ったように。
この街はとても快適ではあるけど、みな地に足を付けた生活をしているように感じる。過度な経済発展など無縁だ。
オレに荷物を預けたチェアリーもそのカバンには何が入っているのかパンパンに膨らんでいる。それも持ってあげたいが、毛布を抱えていては手が回らない。
「ずいぶん、多いね。荷物」
「そうかなぁ?野営するんだから荷物はどうしてもかさばるし、まだこれからギルドに行ってテントも借りるんだよ?」
「ギルドってテントも貸してくれるの?」
「そうだよ。知らないの?冒険者の手助けをしてくれるのがギルドの仕事なんだから」
「あー、ギルドってあまり利用したことなくて、ははっ」
利用もなにも、こちらはギルドなんか初めての経験。オレが借りている剣もそうだが、必要な物は何でも借りられるのだから冒険者というのは至れり尽くせりだ。
(冒険者は体1つでいいんだな)
モンスター退治は危険な仕事な分、優遇されているのだろう。
「でも、テントってかなりかさばるんじゃないの?」
「大丈夫だよ、貸してくれるのは一人用のテントだから小さいし、1つ借りるだけだし」
「一人用?なら2つ借りないと」
「え?1つで十分でしょ?」
「ん?ああ、そうか。1つで十分だよな」
「うん・・・・・・」
やはり夜は見張りの為に交代交代で寝るらしい。小さなテント一つくらいなら何とか持てるだろうと、オレは自分のカバンを腰辺りに回し、毛布を肩から掛けた。
(動きにくいな)
脇に毛布を抱える形になってしまったのでモコモコしていて動きにくい。これではモンスターに襲われた時、剣が抜けない。
「さあ、早くいこ!」
荷物に四苦八苦しているオレを置いてチェアリーは歩きだしてしまった。
(もしもの時はチェアリーに任せるか。スライムだって見かけないんだし、大丈夫だよな)
荷物を抱え、先を行く彼女を追いかける。
ギルドではチェアリーが言っていたようにテントを貸し出しているようだった。しかし、倉庫に受け取りに行ってみると、係の男性はテントは貸し出し中で一つも残って無いのだと言う。
「あぁ、ごめんユウ。どうしよう」
チェアリーは落ち込んでいるようだったが、オレは野営と聞いて地面にそのまま寝る野宿のようなものをイメージしていたのだ。テントがあっても無くてもどちらでも構わない。
「無いのならしょうがないよ。べつにテントを張らなくてもよくない?そのままで」
「ユウがそれでいいなら、私もいいよ・・・・・・」
(でも、テントが無いと少し寒いかな)
起きている間はたき火にあたればいいだろうが、寝る時は川から吹いてくる冷気で寒くなるかもしれない。
オレ達の様子を見て、係の人が気を利かせてくれた。
「テントはないけど、タープなら残ってるよ」
「タープ?ああ、日よけのシートか。そうだなぁ、タープなら張った事あるしそれにする?」
「ユウ、タープ張れるの?ならそれにしよ」
キャンプなら何度か経験があるし、タープも張ったことがある。
元々アウトドアが好きだったオレはタープの張り方をネット動画を見て覚えた。基本さえ覚えてしまえばそんなに難しい物じゃない。
その事を友達に言うと日よけが張れるならとバーベキューに呼ばれた事があった。最初は一人で日よけを張る姿をすごいすごいと喜んでくれていたし、自分も得意げになっていたのだが、結局それは都合よく小間使いにされただけだと後になって気が付いた。
アウトドアでは火起こしやテント張りなど準備が出来る人はとことん小間使いにされ、何もできない人はその様子を見ながらのんびり楽しめるというのがお約束だ。
(こんな所で役立つ日が来るなんてな)
「じゃあ、これ、タープね」
渡された袋の中を少し覗いてみると、中には茶色いキャンバス地のシートと組み立て式のポール、地面に固定するためのペグなど、オレが知っているタープと遜色ないものが揃っているようだった。
(こんな良いものが借りれるのか)
「後はマットやコットとか折り畳みのテーブルなんかもあるけど、どうする?」
「色々揃ってるんだな・・・・・・」
棚に収納されている道具を見ているだけで、オレの中のキャンプ魂がうずいてくる。
「マットは借りていこう?あった方がいいでしょ」
彼女は棚から小ぶりの座布団が数枚まとめられたものを取り出した。
「テーブルもあった方がいいよな」
オレも棚からまな板サイズの小さなローテーブルを取り出した。やはり魚を捌くならテーブルは欲しい。
「あまり持って歩けないし、これくらいにしておこう?」
「そうだな」
あれこれ揃えたくなってしまうが、歩きなのだからしょうがない。もう二人とも手荷物でいっぱいだ。
「それだけでいいかい?」
「はい」
「なら貸出期間は1ヶ月ね。それを越えると延滞料金もらう決まりになっているから忘れないように」
「分かりました」
係の人はそう言いながら書類にオレ達が借りた物をチェックした。
「ユウ、行こっ」
チェアリーはテントを借りれなかった事はもうよくなったのか、笑顔で歩きだした。オレも大きな荷物を抱えその後ろを付いて行った。
野営の準備をしてくるからと言って部屋に戻っていったチェアリーを、オレは中庭のベンチで待った。
オレの方はいつもと変わらない装備と荷物だけだ。あっという間に準備を終えさっきから彼女を待っているのだが、中々出てこない。
チェアリーにすべて任せていたので特にやることもなく、ベンチから空を眺めて流れて行く雲を眺めた。
(雨、降らないといいけど・・・・・・)
野営といってもオレの知っているキャンプと変わりなさそうなので、後は天気が良ければ楽しめそうだ。
しばらくぼーっと空を眺めて待っているうちに、チェアリーが荷物を抱えてやってきた。
「ゴメンね、待たせて」
「いや、いいよ」
彼女は丸めて紐で縛りあげた毛布を小脇に抱え、更にいつも持ち歩いているカバンとバックも肩から下げて現れた。
「はい、持って、持って!」
彼女に渡された毛布には肩から下げられるように紐が通してある。
(準備がいいな)
どうやらオレは荷物持ちのようだ。
(こういう時はラノベでよくあるみたいに、亜空間へアイテムをしまっておけたら便利なんだけど。無いのかな?そういう魔法)
もしそんな便利な魔法があるのだったら、わざわざウサギを担がせたりしないだろう。それに物の移動が簡単になるという事は経済の発展を意味する。例えば機関車の登場が産業革命の一因を担ったように。
この街はとても快適ではあるけど、みな地に足を付けた生活をしているように感じる。過度な経済発展など無縁だ。
オレに荷物を預けたチェアリーもそのカバンには何が入っているのかパンパンに膨らんでいる。それも持ってあげたいが、毛布を抱えていては手が回らない。
「ずいぶん、多いね。荷物」
「そうかなぁ?野営するんだから荷物はどうしてもかさばるし、まだこれからギルドに行ってテントも借りるんだよ?」
「ギルドってテントも貸してくれるの?」
「そうだよ。知らないの?冒険者の手助けをしてくれるのがギルドの仕事なんだから」
「あー、ギルドってあまり利用したことなくて、ははっ」
利用もなにも、こちらはギルドなんか初めての経験。オレが借りている剣もそうだが、必要な物は何でも借りられるのだから冒険者というのは至れり尽くせりだ。
(冒険者は体1つでいいんだな)
モンスター退治は危険な仕事な分、優遇されているのだろう。
「でも、テントってかなりかさばるんじゃないの?」
「大丈夫だよ、貸してくれるのは一人用のテントだから小さいし、1つ借りるだけだし」
「一人用?なら2つ借りないと」
「え?1つで十分でしょ?」
「ん?ああ、そうか。1つで十分だよな」
「うん・・・・・・」
やはり夜は見張りの為に交代交代で寝るらしい。小さなテント一つくらいなら何とか持てるだろうと、オレは自分のカバンを腰辺りに回し、毛布を肩から掛けた。
(動きにくいな)
脇に毛布を抱える形になってしまったのでモコモコしていて動きにくい。これではモンスターに襲われた時、剣が抜けない。
「さあ、早くいこ!」
荷物に四苦八苦しているオレを置いてチェアリーは歩きだしてしまった。
(もしもの時はチェアリーに任せるか。スライムだって見かけないんだし、大丈夫だよな)
荷物を抱え、先を行く彼女を追いかける。
ギルドではチェアリーが言っていたようにテントを貸し出しているようだった。しかし、倉庫に受け取りに行ってみると、係の男性はテントは貸し出し中で一つも残って無いのだと言う。
「あぁ、ごめんユウ。どうしよう」
チェアリーは落ち込んでいるようだったが、オレは野営と聞いて地面にそのまま寝る野宿のようなものをイメージしていたのだ。テントがあっても無くてもどちらでも構わない。
「無いのならしょうがないよ。べつにテントを張らなくてもよくない?そのままで」
「ユウがそれでいいなら、私もいいよ・・・・・・」
(でも、テントが無いと少し寒いかな)
起きている間はたき火にあたればいいだろうが、寝る時は川から吹いてくる冷気で寒くなるかもしれない。
オレ達の様子を見て、係の人が気を利かせてくれた。
「テントはないけど、タープなら残ってるよ」
「タープ?ああ、日よけのシートか。そうだなぁ、タープなら張った事あるしそれにする?」
「ユウ、タープ張れるの?ならそれにしよ」
キャンプなら何度か経験があるし、タープも張ったことがある。
元々アウトドアが好きだったオレはタープの張り方をネット動画を見て覚えた。基本さえ覚えてしまえばそんなに難しい物じゃない。
その事を友達に言うと日よけが張れるならとバーベキューに呼ばれた事があった。最初は一人で日よけを張る姿をすごいすごいと喜んでくれていたし、自分も得意げになっていたのだが、結局それは都合よく小間使いにされただけだと後になって気が付いた。
アウトドアでは火起こしやテント張りなど準備が出来る人はとことん小間使いにされ、何もできない人はその様子を見ながらのんびり楽しめるというのがお約束だ。
(こんな所で役立つ日が来るなんてな)
「じゃあ、これ、タープね」
渡された袋の中を少し覗いてみると、中には茶色いキャンバス地のシートと組み立て式のポール、地面に固定するためのペグなど、オレが知っているタープと遜色ないものが揃っているようだった。
(こんな良いものが借りれるのか)
「後はマットやコットとか折り畳みのテーブルなんかもあるけど、どうする?」
「色々揃ってるんだな・・・・・・」
棚に収納されている道具を見ているだけで、オレの中のキャンプ魂がうずいてくる。
「マットは借りていこう?あった方がいいでしょ」
彼女は棚から小ぶりの座布団が数枚まとめられたものを取り出した。
「テーブルもあった方がいいよな」
オレも棚からまな板サイズの小さなローテーブルを取り出した。やはり魚を捌くならテーブルは欲しい。
「あまり持って歩けないし、これくらいにしておこう?」
「そうだな」
あれこれ揃えたくなってしまうが、歩きなのだからしょうがない。もう二人とも手荷物でいっぱいだ。
「それだけでいいかい?」
「はい」
「なら貸出期間は1ヶ月ね。それを越えると延滞料金もらう決まりになっているから忘れないように」
「分かりました」
係の人はそう言いながら書類にオレ達が借りた物をチェックした。
「ユウ、行こっ」
チェアリーはテントを借りれなかった事はもうよくなったのか、笑顔で歩きだした。オレも大きな荷物を抱えその後ろを付いて行った。
0
お気に入りに追加
51
あなたにおすすめの小説
憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
追放された聖女の悠々自適な側室ライフ
白雪の雫
ファンタジー
「聖女ともあろう者が、嫉妬に狂って我が愛しのジュリエッタを虐めるとは!貴様の所業は畜生以外の何者でもない!お前との婚約を破棄した上で国外追放とする!!」
平民でありながらゴーストやレイスだけではなくリッチを一瞬で倒したり、どんな重傷も完治してしまうマルガレーテは、幼い頃に両親と引き離され聖女として教会に引き取られていた。
そんな彼女の魔力に目を付けた女教皇と国王夫妻はマルガレーテを国に縛り付ける為、王太子であるレオナルドの婚約者に据えて、「お妃教育をこなせ」「愚民どもより我等の病を治療しろ」「瘴気を祓え」「不死王を倒せ」という風にマルガレーテをこき使っていた。
そんなある日、レオナルドは居並ぶ貴族達の前で公爵令嬢のジュリエッタ(バスト100cm以上の爆乳・KかLカップ)を妃に迎え、マルガレーテに国外追放という死刑に等しい宣言をしてしまう。
「王太子殿下の仰せに従います」
(やっと・・・アホ共から解放される。私がやっていた事が若作りのヒステリー婆・・・ではなく女教皇と何の力もない修道女共に出来る訳ないのにね~。まぁ、この国がどうなってしまっても私には関係ないからどうでもいいや)
表面は淑女の仮面を被ってレオナルドの宣言を受け入れたマルガレーテは、さっさと国を出て行く。
今までの鬱憤を晴らすかのように、着の身着のままの旅をしているマルガレーテは、故郷である幻惑の樹海へと戻っている途中で【宮女狩り】というものに遭遇してしまい、大国の後宮へと入れられてしまった。
マルガレーテが悠々自適な側室ライフを楽しんでいる頃
聖女がいなくなった王国と教会は滅亡への道を辿っていた。
【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革
うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。
優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。
家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。
主人公は、魔法・知識チートは持っていません。
加筆修正しました。
お手に取って頂けたら嬉しいです。
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢は逃げることにした
葉柚
恋愛
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢のレイチェルは幸せいっぱいに暮らしていました。
でも、妊娠を切っ掛けに前世の記憶がよみがえり、悪役令嬢だということに気づいたレイチェルは皇太子の前から逃げ出すことにしました。
本編完結済みです。時々番外編を追加します。
オタクおばさん転生する
ゆるりこ
ファンタジー
マンガとゲームと小説を、ゆるーく愛するおばさんがいぬの散歩中に異世界召喚に巻き込まれて転生した。
天使(見習い)さんにいろいろいただいて犬と共に森の中でのんびり暮そうと思っていたけど、いただいたものが思ったより強大な力だったためいろいろ予定が狂ってしまい、勇者さん達を回収しつつ奔走するお話になりそうです。
投稿ものんびりです。(なろうでも投稿しています)
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる