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第7章
7-24
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7-24「ライリーのターン」
前方で立ち尽くしているアンスはハウンドの群れが迫っているというのに動こうとしない。
私は全力で彼女の元に走っていたが、このままではハウンドの方がアンスの元に早くたどり着いてしまう。
ザ―――ッ!!
間に合わないと判断し、私は走るのを止めて地面に片膝をついた。
「フ―――・・・・・・」
一呼吸ついて、息を整えてから弓を引く。
ヒュン!
低い位置から放たれた矢は一直線に飛び、アンスの横を抜け、迫りくるハウンドの群れに吸い込まれた。
キャン!!
1匹のハウンドが弱々しい声を上げ粉散した。
ヒュン!
ヒュン!
ヒュン!
立て続けに放った矢はいずれもハウンドを粉散させていく。
真正面に直進してくる相手を射るのはたやすい。敵までの距離もそんなに離れておらず、飛距離や弾道を計算に入れないで済むから、ただ撃ちこむだけでいい。
今は弓ではなく、真っ直ぐ飛ぶボウガンを扱っているようなものだ。
粉散するハウンドを見てようやく気付いたのか、立ち尽くしていたアンスが驚いたようにこちらを振り返った。
「前を向きなさい、アンスっ!!来るわよ!」
1匹のハウンドがまさにアンスの背後から飛びかかろうとしていた。私の位置からではアンスの背後になっていて射抜くことが出来ない。
その襲いかかるハウンドをアンスは回し蹴りで一撃のもとにねじ伏せた。
(戦えるようね)
急に立ち尽くしたアンスを心配したが、どうやら動けるようだ。飛びかかるハウンドを次々に蹴散らしていく。
私もアンスの援護に矢を放ち続けた。
ヒュン!
ヒュン!
ヒュン!
「チッ!矢が」
持てる分だけを掴んで飛び出してきたので、あっという間に矢は底をついた。
(使うか?)
私は上着のポケットに入れた魔宝石を取りだそうと手を伸ばした。しかし、取り出す間もなく1匹のハウンドが正面に駆けてきた。
グワッ!!
とっさに弓を捨て、飛びかかるハウンドを身をひるがえし避けた私は、そのかわしぎわに腰の剣を抜いてそのまま叩き伏せた。
「ハァ―――ッ!!」
次々飛びかかってくるハウンドを切り伏せながら、ようやくアンスの元までたどり着いた頃には周囲はぐるりと囲まれてしまっていた。
「ライリー様っ!!なぜ来たんです!」
「あなたを助けるために決まっているでしょう!」
「私の事はいいからっ、逃げてください!」
そうは言うが、既にハウンドの群れに囲まれ逃げ道などない。
ワンッ!ワンッ!ワンッ!ワンッ!ワンッ!ワンッ!・・・・・・
奴らは私達を逃がしまいと、けたたましく吠える。
グワッ!!
ハウンドは群れの中から唐突に飛びかかって来る。一匹が食らいつき、足止めに成功すればまとめて畳みかけてくる戦法だろう。
「ハッ!!」
気合いとともに袈裟懸けに振り下ろした剣は同体を切り裂き、ハウンドは粉散した。
隙を作らないよう、素早く体制を戻す。
どこから飛びかかって来られてもいい様、私は剣を上段に構え、気を張った。
アンスと背中合わせに戦っているため、前だけに気を払っていれば手こずる事は無い。しかし・・・・・・
周囲に気を配りつつ、浮島の方を横目で確認する。
まだまだハウンドは浮島の茂みから飛び出して、一直線にこちらを目指して駆けてくる。
(この数はマズいわ!)
これ以上増えれば数に物を言わせて一気に畳みかけてくるだろう。まだ今なら蹴散らしつつ石積まで引くことが出来るかもしれない。
「アンスッ!!」
「ライリー様っ!!」
2人で同時に叫んだ。考えは同じだったようだ。
「ブースト!」
取り出した魔宝石で、身体能力強化の魔法を唱える。
この魔法の効果時間は短い。高価な赤い魔宝石でも、あっという間にその効き目は切れてしまう。
だが、使うだけの価値はある。体はヒリヒリするほど熱くなり、それに伴って力がふつふつと湧き上がってくるのだ。
「一気に蹴散らすわよ!」
「ハイ!」
背中合わせに戦うのを止め、それぞれハウンドの群れの中に飛び込んだ。
ブーストで活性化された体は鳥の羽根の様に軽く、素早く動ける。対して、あの身軽なハウンドが沼に足を取られているかのようだ。
全身の感覚は研ぎ澄まされ、飛びかかってくる相手の動きが手に取る様に分かる。体さばきは思いのままに、一歩先を読んで的確に剣を振り下ろした。
ガクッ!!
急に体の重みを感じ、私は膝から崩れ落ちた。
体はだるく、節々は痛み、めまいを感じる。魔法の反作用だ。ブーストは身体能力を高めてくれる代わりに、効果が切れるとその反動が体に現れる。
「ブースト!」
すぐさま私はブーストをかけ直した。
この魔法は最後の切り札だ。効果が切れれば動けなくなるため、敵を殲滅するまでブーストを使い続けるしかなくなる。魔宝石の予備が底をつく前に敵を殲滅できるか、時間との勝負になる。
グワッ!!
体勢を崩した隙を突いて1匹のハウンドが飛びかかってきた。
その大きく開かれた口を剣で防ぎ、素早く腰のナイフを取り出し奴の心臓へと突き立てた。
ブシャッ!
(キリがない!)
そう思った時だった、
「ブースト!」
背後からエリアス達が飛び出してきた。
「ウォー――!!」
ハルバートを振るうエリアスがまとめてハウンドをなぎ倒していく。
そして、吹き飛ばされたハウンドをパウルが剣ですかさず仕留めていく。
「片付けるぞ!」
パウルが横を駆け抜けざまに言う。
私達の事をどこか信用していなさそうな、あのパウルが助けに来てくれたことが意外だった。
2人が加わってくれたことで周りを取り囲んでいた奴らは、あらかた倒すことが出来た。
このチャンスを逃すことはできない。
(石積まで逃げ切れれば何とかなる!)
しかし、浮島からは次々とハウンドが生まれている。足の速い奴らはすぐ私達に追いついてくるだろう。
足止めを喰らいながら石積みまで戻れるのか?魔宝石の予備はギリギリの数しか残っていない。
「走れ―――ッ!」
迷っているヒマなどない。私は叫ぶように号令をかけた。
アンスが走り出すのを確認してから私も石積の方へ反転すると、横を馬が一頭駆け抜けて行った。
「みんな逃げてっ!!」
フィンとメリーナが馬を駆り、ハウンドの群れめがけて突っ込んでいく。
「メリーナッ!!」
私の叫びに振り返った彼女は拳をつきだし笑うと、ハウンドに向けて馬上から矢を放った。矢で攻撃を受けたハウンドの群れが進路を変更する。
おとりになった彼らはハウンドを引き連れ、どうやら浮島を一周してくるらしかった。
「ライリー殿!今のうちに!」
私はフィンとメリーナに後を任せ、石積みへと走った。
前方で立ち尽くしているアンスはハウンドの群れが迫っているというのに動こうとしない。
私は全力で彼女の元に走っていたが、このままではハウンドの方がアンスの元に早くたどり着いてしまう。
ザ―――ッ!!
間に合わないと判断し、私は走るのを止めて地面に片膝をついた。
「フ―――・・・・・・」
一呼吸ついて、息を整えてから弓を引く。
ヒュン!
低い位置から放たれた矢は一直線に飛び、アンスの横を抜け、迫りくるハウンドの群れに吸い込まれた。
キャン!!
1匹のハウンドが弱々しい声を上げ粉散した。
ヒュン!
ヒュン!
ヒュン!
立て続けに放った矢はいずれもハウンドを粉散させていく。
真正面に直進してくる相手を射るのはたやすい。敵までの距離もそんなに離れておらず、飛距離や弾道を計算に入れないで済むから、ただ撃ちこむだけでいい。
今は弓ではなく、真っ直ぐ飛ぶボウガンを扱っているようなものだ。
粉散するハウンドを見てようやく気付いたのか、立ち尽くしていたアンスが驚いたようにこちらを振り返った。
「前を向きなさい、アンスっ!!来るわよ!」
1匹のハウンドがまさにアンスの背後から飛びかかろうとしていた。私の位置からではアンスの背後になっていて射抜くことが出来ない。
その襲いかかるハウンドをアンスは回し蹴りで一撃のもとにねじ伏せた。
(戦えるようね)
急に立ち尽くしたアンスを心配したが、どうやら動けるようだ。飛びかかるハウンドを次々に蹴散らしていく。
私もアンスの援護に矢を放ち続けた。
ヒュン!
ヒュン!
ヒュン!
「チッ!矢が」
持てる分だけを掴んで飛び出してきたので、あっという間に矢は底をついた。
(使うか?)
私は上着のポケットに入れた魔宝石を取りだそうと手を伸ばした。しかし、取り出す間もなく1匹のハウンドが正面に駆けてきた。
グワッ!!
とっさに弓を捨て、飛びかかるハウンドを身をひるがえし避けた私は、そのかわしぎわに腰の剣を抜いてそのまま叩き伏せた。
「ハァ―――ッ!!」
次々飛びかかってくるハウンドを切り伏せながら、ようやくアンスの元までたどり着いた頃には周囲はぐるりと囲まれてしまっていた。
「ライリー様っ!!なぜ来たんです!」
「あなたを助けるために決まっているでしょう!」
「私の事はいいからっ、逃げてください!」
そうは言うが、既にハウンドの群れに囲まれ逃げ道などない。
ワンッ!ワンッ!ワンッ!ワンッ!ワンッ!ワンッ!・・・・・・
奴らは私達を逃がしまいと、けたたましく吠える。
グワッ!!
ハウンドは群れの中から唐突に飛びかかって来る。一匹が食らいつき、足止めに成功すればまとめて畳みかけてくる戦法だろう。
「ハッ!!」
気合いとともに袈裟懸けに振り下ろした剣は同体を切り裂き、ハウンドは粉散した。
隙を作らないよう、素早く体制を戻す。
どこから飛びかかって来られてもいい様、私は剣を上段に構え、気を張った。
アンスと背中合わせに戦っているため、前だけに気を払っていれば手こずる事は無い。しかし・・・・・・
周囲に気を配りつつ、浮島の方を横目で確認する。
まだまだハウンドは浮島の茂みから飛び出して、一直線にこちらを目指して駆けてくる。
(この数はマズいわ!)
これ以上増えれば数に物を言わせて一気に畳みかけてくるだろう。まだ今なら蹴散らしつつ石積まで引くことが出来るかもしれない。
「アンスッ!!」
「ライリー様っ!!」
2人で同時に叫んだ。考えは同じだったようだ。
「ブースト!」
取り出した魔宝石で、身体能力強化の魔法を唱える。
この魔法の効果時間は短い。高価な赤い魔宝石でも、あっという間にその効き目は切れてしまう。
だが、使うだけの価値はある。体はヒリヒリするほど熱くなり、それに伴って力がふつふつと湧き上がってくるのだ。
「一気に蹴散らすわよ!」
「ハイ!」
背中合わせに戦うのを止め、それぞれハウンドの群れの中に飛び込んだ。
ブーストで活性化された体は鳥の羽根の様に軽く、素早く動ける。対して、あの身軽なハウンドが沼に足を取られているかのようだ。
全身の感覚は研ぎ澄まされ、飛びかかってくる相手の動きが手に取る様に分かる。体さばきは思いのままに、一歩先を読んで的確に剣を振り下ろした。
ガクッ!!
急に体の重みを感じ、私は膝から崩れ落ちた。
体はだるく、節々は痛み、めまいを感じる。魔法の反作用だ。ブーストは身体能力を高めてくれる代わりに、効果が切れるとその反動が体に現れる。
「ブースト!」
すぐさま私はブーストをかけ直した。
この魔法は最後の切り札だ。効果が切れれば動けなくなるため、敵を殲滅するまでブーストを使い続けるしかなくなる。魔宝石の予備が底をつく前に敵を殲滅できるか、時間との勝負になる。
グワッ!!
体勢を崩した隙を突いて1匹のハウンドが飛びかかってきた。
その大きく開かれた口を剣で防ぎ、素早く腰のナイフを取り出し奴の心臓へと突き立てた。
ブシャッ!
(キリがない!)
そう思った時だった、
「ブースト!」
背後からエリアス達が飛び出してきた。
「ウォー――!!」
ハルバートを振るうエリアスがまとめてハウンドをなぎ倒していく。
そして、吹き飛ばされたハウンドをパウルが剣ですかさず仕留めていく。
「片付けるぞ!」
パウルが横を駆け抜けざまに言う。
私達の事をどこか信用していなさそうな、あのパウルが助けに来てくれたことが意外だった。
2人が加わってくれたことで周りを取り囲んでいた奴らは、あらかた倒すことが出来た。
このチャンスを逃すことはできない。
(石積まで逃げ切れれば何とかなる!)
しかし、浮島からは次々とハウンドが生まれている。足の速い奴らはすぐ私達に追いついてくるだろう。
足止めを喰らいながら石積みまで戻れるのか?魔宝石の予備はギリギリの数しか残っていない。
「走れ―――ッ!」
迷っているヒマなどない。私は叫ぶように号令をかけた。
アンスが走り出すのを確認してから私も石積の方へ反転すると、横を馬が一頭駆け抜けて行った。
「みんな逃げてっ!!」
フィンとメリーナが馬を駆り、ハウンドの群れめがけて突っ込んでいく。
「メリーナッ!!」
私の叫びに振り返った彼女は拳をつきだし笑うと、ハウンドに向けて馬上から矢を放った。矢で攻撃を受けたハウンドの群れが進路を変更する。
おとりになった彼らはハウンドを引き連れ、どうやら浮島を一周してくるらしかった。
「ライリー殿!今のうちに!」
私はフィンとメリーナに後を任せ、石積みへと走った。
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