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第3章
3-11
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3-11「ユウのターン」
(ああ、なんて背徳感)
オレは、昼間から酒を飲んで気持ちよく酔っていることに後ろめたさを感じつつ、なんとも言えない解放感を味わっていた。
チェアリーにはオレのパンツを買いに行かせてしまって申しわけなさもあったが、プルケをすすっているうちに酔いが回り、少しづつ心苦しさは薄れていく。
「あははっ!」
突然上がった笑い声のした方を見ると、楽しそうにプルケをあおっている人たちが目についた。
(昼間から、)
自分を棚に上げてそんな事を考えてしまう。きっとここの人たちは人生の楽しみ方を知っているのだ。仕事に追われることなく、飲みたいときに飲む。
オレの様に背徳感に酔っているのではないのだろう。
(楽しく飲んでいるうちはいい、楽しいうちは・・・・・・)
先程からオレの視界にいかにもな酔っ払いが映ってきて、気になってしょうがない。
(何をしているんだ?)
座って飲めばいいものを、その人はプルケの器を持って、あっちへふらふら歩いて行ったかと思うとゴクリ!と酒をあおり、こっちへふらふら歩いて来たかと思うとゴクリ!とあおる。
人の迷惑をかえりみず勝手に振る舞う、オレが嫌いな酔っ払いのタイプだ。
嫌いなものほど余計に目に付いてしまう。
観察していると、その酔っぱらいはプルケをあおった勢いで、後ろに倒れそうになった。
(あ、)
だが、片足を上げて絶妙なバランスで堪えた。
見ているこちらも思わず力が入る。バランスが絶妙すぎて、後ろに倒れる事も、前に踏みとどまることも出来ず、その人は銅像のように固まってしまった。どちらかはっきりしないその姿勢に同調してこちらも息を止め見守ってしまう。
間を置いて、バランスを取って上げている右足がピクピクとひくつきはじめた。
(もう、ダメか)
しかし、バランスを崩すことなくゆーっくりとした動作で、スローモーションの様に上げていた右足は地面に降りた。
それを見届けて、こちらも止めていた息を吐ききった。
「はぁーーー」
もしかして、こういう大道芸のたぐいなのかと疑うような光景だった。
その酔っぱらいがフラフラしながらも、徐々にこちらへ近づいて来る。
(なんか嫌な予感がする)
オレは関わらないようにテーブルに姿勢を正し、広場を見るのをやめた。
だが・・・・・・
「ココ、空いてるぅー?」
オレの向かいの席が空いているかと、酔っ払いが絡んできた。
(なんでオレの所に来るかなぁ・・・・・・)
いつものパターンだ。オレはやたらと声をかけられやすい。
「連れがいるので、他に行ってください」
関わりたくなかったオレは、きっぱりと断った。
「どこにいるのかなぁー」
酔っ払いは、わざとらしく辺りを見回すと、
「座っちゃおっと」
こちらの言葉など関係なく座ってしまった。
(ハァ、最初から座るつもりだったんだろ)
きっと今のオレは初めてビールを飲んだ時の様な苦々しい顔をしていたと思う。それでも気兼ねなく酔っ払いは話しかけてきた。
「お兄さん、一人?何飲んでるの?」
(一人じゃないって言っただろ!)
こちらの話は聞かないくせに絡みたがるのだかから、迷惑この上ない!
興味を持たれない様、淡々とした口調で応える。
「プルケです。」
「それは見れば分かるよ、アハハ!何で割ってんのって聞いたの」
「オレンジです。」
真面目に答えているこちらがバカみたいだ。
(オレンジ色してるんだから、見れば分かりそうなもんだろ!あー!もー!)
「おいしそうだね。ちょっと飲ませて」
言うが早いか酔っ払いはオレの了解など得ず、残りわずかだったプルケを奪い飲み干した。
ズズズズーーーッ
「はぁーーー!うまい!ほらお兄さんも」
今度は自分の飲んでいたプルケをこちらに差し出す。
(原液かよ・・・・・・)
それはドロッとした何も果汁の入っていないプルケだ。
果汁で薄めてでないと抵抗のあったオレが飲むのをためらっていると、
「アタシの酒が飲めないのかーぁ」
本気で言っているのか、茶化しているのかよく分からないテンションで酔っ払いが詰め寄ってくる。
(出たよ、酔っ払いの決まり文句)
面倒くさい・・・・・・オレは差し出されたプルケを一気に飲み干した。
「お兄さん、いける口だねぇ」
満足気にそう言った酔っ払いはふらりとイスから立ち上がった。
「よし!飲もう!」
拳を握って勢いよくそう言ったものの、既に相当飲んでいるため体が前後左右に揺れている。
(やめとけって)
それでもフラフラしながら、空になったプルケの器を掴み酔っ払いは側の屋台へ向かった。
「プルケ、山盛り一丁!」
もう、言っていることがめちゃくちゃだ。
屋台の店員が迷惑そうに言う。
「お客さん、もうよしなって」
「アァン?お金なら心配するなよぉ。街中のプルケ飲み干せるぐらいアタシは持ってるんだからぁ」
酔っ払いがポケットに手を突っ込みお金を取り出す。すると、はずみで一枚のコインがこぼれ落ちた。
チャリン! コロコロコロコロコロコロ・・・・・・
「そう言うことじゃないから」
「アァン?」
店員に管を巻いていて、コインを落としたことに気付いていない。
コロコロコロコロコロコロ・・・・・・コツン!
コインは転がってオレのブーツの先端に当たった。
(あー!もう!)
仕方なくコインを拾い上げ、酔っ払いに差し出す。
「落ちましたよ」
その自分が落としたコインを見て酔っ払いは何を思ったのか、
「おっ!お兄さんおごってくれるの?気前がいいねぇ。ほら!お客さんだよ注ぎなさいよ」
(なんで、そうなるかなぁ)
オレは店員の顔を見た。
店員も困ってしまい、言われるままにオレ達にプルケを注いだ。
「さぁ、ぐぐっと!」
酔っ払いが注がれた酒を口元に押し付けてくる。
もう、面倒くさすぎる!早くこの場を離れたい!やむを得ず原液のプルケを一気に飲み干す事にした。
ゴクッ!ゴクッ!ゴクッ!ゴクッ!ゴクッ!・・・・・・ハァーーー!!
「いいね!いいねぇ!ほらっ、もう一杯」
せっかく空にしたのに今度はオレの器に自分が持っていたプルケを注ぐ。
「ちょっ!!」
「ほら、遠慮しない、遠慮しない、お兄さんのおごりなんだから」
(どういう理屈だよ!そもそもアンタの金だ)
既に2杯以上飲んでいて少し辛い。それに原液の方はトロトロしていて飲みごたえがあり、思った以上に腹に溜まる。
そんな困っているオレを見て、店員が助け舟を出してくれた。
「勘弁してあげてくださいよ、彼、綺麗なお連れさんがいるんだから、まだこの後も予定があるんでしょ?」
「アンだよ。一人だって言ってたのに、連れがいるのかよ」
(ダメだ。この人、自分の都合のいいようにしか考えていない)
酔っ払いはオレの腕を引き寄せ腕組みしてきた。
「ちょ、こぼれる!」
「それを飲み干すまで返さないよ」
(本当にめんどくさい・・・・・・)
だから嫌なんだ酔っ払いは。
「一度、プルケを注がれたら飲み干すのがマナーだろ?そのために器の底が丸くなっているんだから。知ってた?」
(知らないよぉ、もう!)
このままでは放してもらえそうになく、オレは覚悟を決めプルケを飲み干した。
ゴクッ!ゴクッ!ゴクッ!ゴクッ!ゴクッ!・・・・・・う゛ぅ
「アハハッ!!いいね!いいねぇ!」
なにがいいのか、酔っ払いは笑いながらオレの背中をバシバシ叩いてくる。
(う゛ぅ、やめろ・・・・・・でる)
たまらずテーブルに戻りイスに腰かけた。
「またねぇ、お兄さん」
酔っ払いは満足したのか、手を振りながら去っていってしまった。
(もう、会いたくない)
オレはぐったりとイスの背もたれに身を任せ、タプタプと音を立てる腹をさすった。
ドロドロとしたプルケは昨日、スライムが口に入ってきた時の事を思い起こさせて気持ち悪い。
(飲みなれない物を一気飲みするもんじゃないな・・・・・・)
じっとしていてもみるみるうちに油っぽい汗をかき、体はほてっているのに肌寒さを感じる。完全に悪酔いしているようだ。
「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」
意識がもうろうとし、視界がゆがむ。
「ユウ?どうしたの?しっかりして!」
チェアリーが呼ぶ声が聞こえ、それがガンガンと頭に響いた。
(ああ、なんて背徳感)
オレは、昼間から酒を飲んで気持ちよく酔っていることに後ろめたさを感じつつ、なんとも言えない解放感を味わっていた。
チェアリーにはオレのパンツを買いに行かせてしまって申しわけなさもあったが、プルケをすすっているうちに酔いが回り、少しづつ心苦しさは薄れていく。
「あははっ!」
突然上がった笑い声のした方を見ると、楽しそうにプルケをあおっている人たちが目についた。
(昼間から、)
自分を棚に上げてそんな事を考えてしまう。きっとここの人たちは人生の楽しみ方を知っているのだ。仕事に追われることなく、飲みたいときに飲む。
オレの様に背徳感に酔っているのではないのだろう。
(楽しく飲んでいるうちはいい、楽しいうちは・・・・・・)
先程からオレの視界にいかにもな酔っ払いが映ってきて、気になってしょうがない。
(何をしているんだ?)
座って飲めばいいものを、その人はプルケの器を持って、あっちへふらふら歩いて行ったかと思うとゴクリ!と酒をあおり、こっちへふらふら歩いて来たかと思うとゴクリ!とあおる。
人の迷惑をかえりみず勝手に振る舞う、オレが嫌いな酔っ払いのタイプだ。
嫌いなものほど余計に目に付いてしまう。
観察していると、その酔っぱらいはプルケをあおった勢いで、後ろに倒れそうになった。
(あ、)
だが、片足を上げて絶妙なバランスで堪えた。
見ているこちらも思わず力が入る。バランスが絶妙すぎて、後ろに倒れる事も、前に踏みとどまることも出来ず、その人は銅像のように固まってしまった。どちらかはっきりしないその姿勢に同調してこちらも息を止め見守ってしまう。
間を置いて、バランスを取って上げている右足がピクピクとひくつきはじめた。
(もう、ダメか)
しかし、バランスを崩すことなくゆーっくりとした動作で、スローモーションの様に上げていた右足は地面に降りた。
それを見届けて、こちらも止めていた息を吐ききった。
「はぁーーー」
もしかして、こういう大道芸のたぐいなのかと疑うような光景だった。
その酔っぱらいがフラフラしながらも、徐々にこちらへ近づいて来る。
(なんか嫌な予感がする)
オレは関わらないようにテーブルに姿勢を正し、広場を見るのをやめた。
だが・・・・・・
「ココ、空いてるぅー?」
オレの向かいの席が空いているかと、酔っ払いが絡んできた。
(なんでオレの所に来るかなぁ・・・・・・)
いつものパターンだ。オレはやたらと声をかけられやすい。
「連れがいるので、他に行ってください」
関わりたくなかったオレは、きっぱりと断った。
「どこにいるのかなぁー」
酔っ払いは、わざとらしく辺りを見回すと、
「座っちゃおっと」
こちらの言葉など関係なく座ってしまった。
(ハァ、最初から座るつもりだったんだろ)
きっと今のオレは初めてビールを飲んだ時の様な苦々しい顔をしていたと思う。それでも気兼ねなく酔っ払いは話しかけてきた。
「お兄さん、一人?何飲んでるの?」
(一人じゃないって言っただろ!)
こちらの話は聞かないくせに絡みたがるのだかから、迷惑この上ない!
興味を持たれない様、淡々とした口調で応える。
「プルケです。」
「それは見れば分かるよ、アハハ!何で割ってんのって聞いたの」
「オレンジです。」
真面目に答えているこちらがバカみたいだ。
(オレンジ色してるんだから、見れば分かりそうなもんだろ!あー!もー!)
「おいしそうだね。ちょっと飲ませて」
言うが早いか酔っ払いはオレの了解など得ず、残りわずかだったプルケを奪い飲み干した。
ズズズズーーーッ
「はぁーーー!うまい!ほらお兄さんも」
今度は自分の飲んでいたプルケをこちらに差し出す。
(原液かよ・・・・・・)
それはドロッとした何も果汁の入っていないプルケだ。
果汁で薄めてでないと抵抗のあったオレが飲むのをためらっていると、
「アタシの酒が飲めないのかーぁ」
本気で言っているのか、茶化しているのかよく分からないテンションで酔っ払いが詰め寄ってくる。
(出たよ、酔っ払いの決まり文句)
面倒くさい・・・・・・オレは差し出されたプルケを一気に飲み干した。
「お兄さん、いける口だねぇ」
満足気にそう言った酔っ払いはふらりとイスから立ち上がった。
「よし!飲もう!」
拳を握って勢いよくそう言ったものの、既に相当飲んでいるため体が前後左右に揺れている。
(やめとけって)
それでもフラフラしながら、空になったプルケの器を掴み酔っ払いは側の屋台へ向かった。
「プルケ、山盛り一丁!」
もう、言っていることがめちゃくちゃだ。
屋台の店員が迷惑そうに言う。
「お客さん、もうよしなって」
「アァン?お金なら心配するなよぉ。街中のプルケ飲み干せるぐらいアタシは持ってるんだからぁ」
酔っ払いがポケットに手を突っ込みお金を取り出す。すると、はずみで一枚のコインがこぼれ落ちた。
チャリン! コロコロコロコロコロコロ・・・・・・
「そう言うことじゃないから」
「アァン?」
店員に管を巻いていて、コインを落としたことに気付いていない。
コロコロコロコロコロコロ・・・・・・コツン!
コインは転がってオレのブーツの先端に当たった。
(あー!もう!)
仕方なくコインを拾い上げ、酔っ払いに差し出す。
「落ちましたよ」
その自分が落としたコインを見て酔っ払いは何を思ったのか、
「おっ!お兄さんおごってくれるの?気前がいいねぇ。ほら!お客さんだよ注ぎなさいよ」
(なんで、そうなるかなぁ)
オレは店員の顔を見た。
店員も困ってしまい、言われるままにオレ達にプルケを注いだ。
「さぁ、ぐぐっと!」
酔っ払いが注がれた酒を口元に押し付けてくる。
もう、面倒くさすぎる!早くこの場を離れたい!やむを得ず原液のプルケを一気に飲み干す事にした。
ゴクッ!ゴクッ!ゴクッ!ゴクッ!ゴクッ!・・・・・・ハァーーー!!
「いいね!いいねぇ!ほらっ、もう一杯」
せっかく空にしたのに今度はオレの器に自分が持っていたプルケを注ぐ。
「ちょっ!!」
「ほら、遠慮しない、遠慮しない、お兄さんのおごりなんだから」
(どういう理屈だよ!そもそもアンタの金だ)
既に2杯以上飲んでいて少し辛い。それに原液の方はトロトロしていて飲みごたえがあり、思った以上に腹に溜まる。
そんな困っているオレを見て、店員が助け舟を出してくれた。
「勘弁してあげてくださいよ、彼、綺麗なお連れさんがいるんだから、まだこの後も予定があるんでしょ?」
「アンだよ。一人だって言ってたのに、連れがいるのかよ」
(ダメだ。この人、自分の都合のいいようにしか考えていない)
酔っ払いはオレの腕を引き寄せ腕組みしてきた。
「ちょ、こぼれる!」
「それを飲み干すまで返さないよ」
(本当にめんどくさい・・・・・・)
だから嫌なんだ酔っ払いは。
「一度、プルケを注がれたら飲み干すのがマナーだろ?そのために器の底が丸くなっているんだから。知ってた?」
(知らないよぉ、もう!)
このままでは放してもらえそうになく、オレは覚悟を決めプルケを飲み干した。
ゴクッ!ゴクッ!ゴクッ!ゴクッ!ゴクッ!・・・・・・う゛ぅ
「アハハッ!!いいね!いいねぇ!」
なにがいいのか、酔っ払いは笑いながらオレの背中をバシバシ叩いてくる。
(う゛ぅ、やめろ・・・・・・でる)
たまらずテーブルに戻りイスに腰かけた。
「またねぇ、お兄さん」
酔っ払いは満足したのか、手を振りながら去っていってしまった。
(もう、会いたくない)
オレはぐったりとイスの背もたれに身を任せ、タプタプと音を立てる腹をさすった。
ドロドロとしたプルケは昨日、スライムが口に入ってきた時の事を思い起こさせて気持ち悪い。
(飲みなれない物を一気飲みするもんじゃないな・・・・・・)
じっとしていてもみるみるうちに油っぽい汗をかき、体はほてっているのに肌寒さを感じる。完全に悪酔いしているようだ。
「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」
意識がもうろうとし、視界がゆがむ。
「ユウ?どうしたの?しっかりして!」
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