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パタン!
本を閉じる音に朝日はビクつきました。
(はへぇ?……いけない、アタシ今、寝てた……)
寝ぼけて意識のハッキリしない朝日の事など知らず、メイベールお嬢様の体は動いて行きます。今度は魔導書の置いてあるコーナーから自然科学のコーナーへと向かいました。目に付いた本を適当に取り、開きます。
『自然科学とは自然現象を詳細に観察し実験等の手法によってその法則や理を見出す学問です。超自然的な魔道学からすれば、とるに足らないように扱われますが決してそんな事はなく、むしろ魔法も自然現象の上に成り立っていると言えるのです。』
パタン!
次の本を手に取ります。今度は目次の欄から水の性質について書かれている個所を見つけ開きます。
『水ほど身近にありつつも、変わった性質を持つ物質はありません。常温において液体、氷点下になると個体、沸騰すると気体になり、3つの顔を併せ持っているのです。
また3つそれぞれに性質が異なります。特に気体となる時の変化には特筆すべき点があります。わずか一滴の水が沸騰するだけで、その体積が何千倍にも膨れ上がるのです。もし、頑丈な鉄の箱に水を閉じ込め密閉し、加熱したらどうなるでしょう?』
パタン!
メイベールは本を閉じると脇に抱えました。他にもめぼしい物を選び、抱えていきます。
(それ、読むの?)
朝日は明星の元へ戻りました。
本を抱えて帰ってきた朝日に明星が言います。
「そんなに読めるのか?」
「うん、読むつもりらしいよ。今夜は徹夜かもね」
「図書室の本は持ち出し禁止だぞ?」
「え?借りられないの?」
「ああ、オレも聞いてみたんだが、なんでもクッキーのカスやら紅茶のシミだとか汚されて返ってくることがあったみたいで、貸し出さなくなったそうだ」
「あーあ、」
朝日もクッキーと紅茶をお供に、お嬢様の読書に付き合うのも悪くないと考えていたのです。
「しょうがないから、今日は読めるところまで読もうかな」
読み始めて直ぐに、朝日はまた意識が飛んでしまいました。
本を閉じる音に朝日はビクつきました。
(はへぇ?……いけない、アタシ今、寝てた……)
寝ぼけて意識のハッキリしない朝日の事など知らず、メイベールお嬢様の体は動いて行きます。今度は魔導書の置いてあるコーナーから自然科学のコーナーへと向かいました。目に付いた本を適当に取り、開きます。
『自然科学とは自然現象を詳細に観察し実験等の手法によってその法則や理を見出す学問です。超自然的な魔道学からすれば、とるに足らないように扱われますが決してそんな事はなく、むしろ魔法も自然現象の上に成り立っていると言えるのです。』
パタン!
次の本を手に取ります。今度は目次の欄から水の性質について書かれている個所を見つけ開きます。
『水ほど身近にありつつも、変わった性質を持つ物質はありません。常温において液体、氷点下になると個体、沸騰すると気体になり、3つの顔を併せ持っているのです。
また3つそれぞれに性質が異なります。特に気体となる時の変化には特筆すべき点があります。わずか一滴の水が沸騰するだけで、その体積が何千倍にも膨れ上がるのです。もし、頑丈な鉄の箱に水を閉じ込め密閉し、加熱したらどうなるでしょう?』
パタン!
メイベールは本を閉じると脇に抱えました。他にもめぼしい物を選び、抱えていきます。
(それ、読むの?)
朝日は明星の元へ戻りました。
本を抱えて帰ってきた朝日に明星が言います。
「そんなに読めるのか?」
「うん、読むつもりらしいよ。今夜は徹夜かもね」
「図書室の本は持ち出し禁止だぞ?」
「え?借りられないの?」
「ああ、オレも聞いてみたんだが、なんでもクッキーのカスやら紅茶のシミだとか汚されて返ってくることがあったみたいで、貸し出さなくなったそうだ」
「あーあ、」
朝日もクッキーと紅茶をお供に、お嬢様の読書に付き合うのも悪くないと考えていたのです。
「しょうがないから、今日は読めるところまで読もうかな」
読み始めて直ぐに、朝日はまた意識が飛んでしまいました。
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