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1年生達が魔法適性の授業をしているその裏で、校内には激震が走っていました。突如、桁外れの魔力が現れたからです。それはメイベールの魔法だったのですが、あまりに魔力が強すぎて先生達はすぐさま生徒にシールドを張るよう指示したくらいです。
学校に居るのはみな魔導士なので魔法が発動すればそれを感知できます。例年この時期に外では魔法適性を計る授業が行われ、今日も次々に発動する魔法に新入生の実力を遠くから感じ、見守っていました。しかし、見守る余裕は吹き飛んでしまったのです。
あり得ないほど強力な魔力が練り上げられていくのを遠くに居てもヒシヒシと感じ、ただ事じゃないと生徒達はすぐさまシールドを張りました。先生達は魔力の暴走が起こったのではないかと、授業を投げ出し教室を飛び出していきました。
慌てる先生達が見つけたのは嬉しそうに笑顔を浮かべたジョージ先生でした。
「今年の生徒は素晴らしい!」
興奮する彼に話を聞くと、メイベール嬢がヴァーミリオン・ボムを放とうとしたのだと分かりました。
「被害は出ていませんから、ご心配なく」
ジョージ先生は笑顔で自分の研究室へと行ってしまいました。
授業は再開されました。事態が飲み込めない生徒達が先生に説明を求めます。
「今年入学されたメイベール嬢は、とんでもない才能をお持ちの様だ」
ヴァーミリオン・ボムは炎の魔法の中でも最高位の威力を誇る呪文です。それを結界が張られた中で、しかも遠くに居てもしかと分かるほどの魔力量でもって放とうとしたのですから、実際に見ていなくても魔導士なら震えあがる出来事です。
休み時間に入り、生徒達は噂し合いました。
「やっぱりケステル家は違うな」
「赤の公爵の名は伊達じゃない」
そして彼女には二つ名が付きました。『レディ・ボム』と。
その噂話を頭を抱えながら聞く人物が一人。メイベールの兄ジャスパーです。家の評判を気にする彼は拳を握り、震えていました。学友からの冷やかしにも応えず、感情を堪えているようです。気遣いが出来るジャスパーらしくありませんでした。
激震はこれだけにとどまりません。
今度は空がみるみるうちに暗くなり、稲妻が落ち始めたのです。これが単なる気象変化でない事はすぐに皆、理解しました。またあり得ないほどの魔力が練られていくのを感じるのです。
休み時間に入っていた生徒達は窓に張り付き外を見ました。先ほどまで晴れていた空には黒雲が立ち込め、隙間から幾重もの稲が光っています。気象に変化を与える程の膨大な魔力。それはさっき感じたモノとは別のようです。
生徒の一人が叫びました。
「皆、一か所に集まれ!協力してシールドを張るんだ!」
叫んでいたのはルイスです。普段温厚な性格の彼が大声を張り上げた事で状況が切迫していると分かり、命の危機を感じた生徒達は指示に従ってシールドを展開しました。
しばらくして雲が晴れると、張り詰めていた緊張は解け、みな息を吐いて何事もなかったことを喜び合いました。
何だったのだろう?と噂しているところへ、情報を仕入れて来た生徒が言いました。
「アイラ・ステラとか言う生徒がやったらしい」
雷を操る彼女はこう呼ばれました『雷公女(らいこうじょ)』と。
ルイスは頭を抱えました。
学校に居るのはみな魔導士なので魔法が発動すればそれを感知できます。例年この時期に外では魔法適性を計る授業が行われ、今日も次々に発動する魔法に新入生の実力を遠くから感じ、見守っていました。しかし、見守る余裕は吹き飛んでしまったのです。
あり得ないほど強力な魔力が練り上げられていくのを遠くに居てもヒシヒシと感じ、ただ事じゃないと生徒達はすぐさまシールドを張りました。先生達は魔力の暴走が起こったのではないかと、授業を投げ出し教室を飛び出していきました。
慌てる先生達が見つけたのは嬉しそうに笑顔を浮かべたジョージ先生でした。
「今年の生徒は素晴らしい!」
興奮する彼に話を聞くと、メイベール嬢がヴァーミリオン・ボムを放とうとしたのだと分かりました。
「被害は出ていませんから、ご心配なく」
ジョージ先生は笑顔で自分の研究室へと行ってしまいました。
授業は再開されました。事態が飲み込めない生徒達が先生に説明を求めます。
「今年入学されたメイベール嬢は、とんでもない才能をお持ちの様だ」
ヴァーミリオン・ボムは炎の魔法の中でも最高位の威力を誇る呪文です。それを結界が張られた中で、しかも遠くに居てもしかと分かるほどの魔力量でもって放とうとしたのですから、実際に見ていなくても魔導士なら震えあがる出来事です。
休み時間に入り、生徒達は噂し合いました。
「やっぱりケステル家は違うな」
「赤の公爵の名は伊達じゃない」
そして彼女には二つ名が付きました。『レディ・ボム』と。
その噂話を頭を抱えながら聞く人物が一人。メイベールの兄ジャスパーです。家の評判を気にする彼は拳を握り、震えていました。学友からの冷やかしにも応えず、感情を堪えているようです。気遣いが出来るジャスパーらしくありませんでした。
激震はこれだけにとどまりません。
今度は空がみるみるうちに暗くなり、稲妻が落ち始めたのです。これが単なる気象変化でない事はすぐに皆、理解しました。またあり得ないほどの魔力が練られていくのを感じるのです。
休み時間に入っていた生徒達は窓に張り付き外を見ました。先ほどまで晴れていた空には黒雲が立ち込め、隙間から幾重もの稲が光っています。気象に変化を与える程の膨大な魔力。それはさっき感じたモノとは別のようです。
生徒の一人が叫びました。
「皆、一か所に集まれ!協力してシールドを張るんだ!」
叫んでいたのはルイスです。普段温厚な性格の彼が大声を張り上げた事で状況が切迫していると分かり、命の危機を感じた生徒達は指示に従ってシールドを展開しました。
しばらくして雲が晴れると、張り詰めていた緊張は解け、みな息を吐いて何事もなかったことを喜び合いました。
何だったのだろう?と噂しているところへ、情報を仕入れて来た生徒が言いました。
「アイラ・ステラとか言う生徒がやったらしい」
雷を操る彼女はこう呼ばれました『雷公女(らいこうじょ)』と。
ルイスは頭を抱えました。
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