98 / 136
91
しおりを挟む
91
「また、大きな事言って。大作ゲームでも作りたいの?」
「ゲームを作ってエンドロールに自分の名前を刻みたいという夢はあるけど、それよりもアタシは文化財の保護に力を注ぎたいんだよ」
「文化財?ハイハイ、ゲームのね」ふーみんが呆れている。
「さっき言った様に国会図書館へゲームを寄贈するのは1つの方法さ。ただ、かいちょが国会議員になるとして、最速でも25歳じゃないと立候補できないからまだ8年もある。その間にも日本のお宝は次々に海外へ流出してしまう」
「月光さん、いきなり国政へ打って出るのはいくらなんでも無謀ですよ?親が議員だとか、有名人でもない限り。私はまず市議会議員になって順番に実績を積み上げようと思ってるんですから、8年以上はかかります」
「うん。かいちょはそれでいい。アタシもかいちょばかり当てにしている訳じゃないから。自分で何とかしないとね」
ヒメの方を見て笑ってみせた。
「先輩、何をしようとしてるんですか?」
「昔のゲームを未開封で見つけ出すのは現実的じゃない。有名ソフトなら本数も出てるから見つかる確率も上がるけど、本当に名前を聞いた事もないようなソフトだと未開封で残っているのなんて奇跡だよ。それに、そんな希少ソフトじゃあ値段も現実的じゃない」
「だから開封済みの物でも寄贈できるように法律を改定しようという話だったんですよね?他にどんな方法が?」
「昔のゲームを新品にすればいいのさ」
不思議そうな顔をするヒメへ言った。
「ゲームの再販だよ。昔のゲームをそっくりそのまま新たに販売するのさ。そうすれば新品未開封で国会図書館へ納めることが出来る!」
「ああ、なるほど!さすが先輩です♪そのためにゲーム会社へ就職するんですね」
「けど流石にファ○コンカセットを新たに作るわけにはいかないけどね。データだけ抜き出して今のソフトへ移植すればいいんだ。パッケージは変わってしまうけど、そこは涙を呑んで堪えよう。これなら昔の貴重なゲームもデータは後世へ引き継がれる!」
「そこまで考えてるなんて、呆れを通り越して感心するわ」
「月光ちゃん、いつもこんな事ばかり考えてるんだよ」
「でも月光さん、私も詳しくないのでよく分からないのですが、そういうものを販売するには権利が必要なのではないですか?」
「もちろん必要だよ。こういうゲームの権利は販売した会社が持っているものさ。だからアタシはまず日○一ソフトウェアで2000年以前に発売されたソフトの再販を手掛けたいんだよ。日○一は割と再販しているソフトも多いから優秀な方なんだ。この会社の名を世に知らしめるきっかけとなった名作『マ○ル王国の人形姫』だって、最初の発売は1998年だけど2001年に廉価版が販売されてるからね。知ってる?マ○ル」
「すいません、先輩。私、勉強不足で」
「このゲームは、登場人物がいきなり歌い出すからおもしろよ。『あなたはいったい誰♪人形遣いの女の子♪』って。ミュージカルRPGと銘うってるだけはある。今だとス○ッチで配信販売もされているから、おススメだよ」
「ハイ。勉強しておきます」ヒメがメモをとりつつ応えた。
「日○一は寄贈も積極的にしているみたいでね、2000年以前のソフトも国会図書館へ既に収められているんだ」
アタシはスマホを取り出し、国会図書館のサイトを出した。「マ○ル王国の人形姫」と検索をかける。
「ほら、廉価版だけじゃなく無印も収められている」
「本当ですね」
「新品未開封の貴重なお宝をわざわざ個人が寄贈したとは考えにくいから、きっと会社が収めたんだと思うよ。すばらしい!そういう所がゲーマーとして好感持てるし、この会社に就職したいと思える理由だね。ただ、残念な事に日○一が販売したソフト全部が収めてあるわけじゃないんだ」
アタシは次に『炎の料理人クッ○ングファイター好』と検索をかけた。結果はソフトの一致は無しだった。
「このソフトはねマ○ルより少し前に発売されたんだけど、日○一を象徴するソフトだとも言われている。かなりシュールで熱い内容らしいね、」
「らしい?アンタやったことないの?」ふーみんが痛い所を突いてくる。
「うっ、やりたいとは思っている。日○一を語る上では外せない1本だからね。でも、発売当初は見向きもされなくて、販売本数も1万本くらいで少ないんだ。それが後になってユー○ューブのゲーム紹介で変なバズリ方したもんだから、今はプレミアが付いてて1万円前後で取引されている。高校生が手を出すにはためらう値段だよ」
「そうねぇ、1万か」
「再版されればオリジナルにこだわるマニアでも無ければ、一般ユーザーが手に取りやすくなるし、プレミア価格だって落ち着くというメリットもあるんだ」
「また、大きな事言って。大作ゲームでも作りたいの?」
「ゲームを作ってエンドロールに自分の名前を刻みたいという夢はあるけど、それよりもアタシは文化財の保護に力を注ぎたいんだよ」
「文化財?ハイハイ、ゲームのね」ふーみんが呆れている。
「さっき言った様に国会図書館へゲームを寄贈するのは1つの方法さ。ただ、かいちょが国会議員になるとして、最速でも25歳じゃないと立候補できないからまだ8年もある。その間にも日本のお宝は次々に海外へ流出してしまう」
「月光さん、いきなり国政へ打って出るのはいくらなんでも無謀ですよ?親が議員だとか、有名人でもない限り。私はまず市議会議員になって順番に実績を積み上げようと思ってるんですから、8年以上はかかります」
「うん。かいちょはそれでいい。アタシもかいちょばかり当てにしている訳じゃないから。自分で何とかしないとね」
ヒメの方を見て笑ってみせた。
「先輩、何をしようとしてるんですか?」
「昔のゲームを未開封で見つけ出すのは現実的じゃない。有名ソフトなら本数も出てるから見つかる確率も上がるけど、本当に名前を聞いた事もないようなソフトだと未開封で残っているのなんて奇跡だよ。それに、そんな希少ソフトじゃあ値段も現実的じゃない」
「だから開封済みの物でも寄贈できるように法律を改定しようという話だったんですよね?他にどんな方法が?」
「昔のゲームを新品にすればいいのさ」
不思議そうな顔をするヒメへ言った。
「ゲームの再販だよ。昔のゲームをそっくりそのまま新たに販売するのさ。そうすれば新品未開封で国会図書館へ納めることが出来る!」
「ああ、なるほど!さすが先輩です♪そのためにゲーム会社へ就職するんですね」
「けど流石にファ○コンカセットを新たに作るわけにはいかないけどね。データだけ抜き出して今のソフトへ移植すればいいんだ。パッケージは変わってしまうけど、そこは涙を呑んで堪えよう。これなら昔の貴重なゲームもデータは後世へ引き継がれる!」
「そこまで考えてるなんて、呆れを通り越して感心するわ」
「月光ちゃん、いつもこんな事ばかり考えてるんだよ」
「でも月光さん、私も詳しくないのでよく分からないのですが、そういうものを販売するには権利が必要なのではないですか?」
「もちろん必要だよ。こういうゲームの権利は販売した会社が持っているものさ。だからアタシはまず日○一ソフトウェアで2000年以前に発売されたソフトの再販を手掛けたいんだよ。日○一は割と再販しているソフトも多いから優秀な方なんだ。この会社の名を世に知らしめるきっかけとなった名作『マ○ル王国の人形姫』だって、最初の発売は1998年だけど2001年に廉価版が販売されてるからね。知ってる?マ○ル」
「すいません、先輩。私、勉強不足で」
「このゲームは、登場人物がいきなり歌い出すからおもしろよ。『あなたはいったい誰♪人形遣いの女の子♪』って。ミュージカルRPGと銘うってるだけはある。今だとス○ッチで配信販売もされているから、おススメだよ」
「ハイ。勉強しておきます」ヒメがメモをとりつつ応えた。
「日○一は寄贈も積極的にしているみたいでね、2000年以前のソフトも国会図書館へ既に収められているんだ」
アタシはスマホを取り出し、国会図書館のサイトを出した。「マ○ル王国の人形姫」と検索をかける。
「ほら、廉価版だけじゃなく無印も収められている」
「本当ですね」
「新品未開封の貴重なお宝をわざわざ個人が寄贈したとは考えにくいから、きっと会社が収めたんだと思うよ。すばらしい!そういう所がゲーマーとして好感持てるし、この会社に就職したいと思える理由だね。ただ、残念な事に日○一が販売したソフト全部が収めてあるわけじゃないんだ」
アタシは次に『炎の料理人クッ○ングファイター好』と検索をかけた。結果はソフトの一致は無しだった。
「このソフトはねマ○ルより少し前に発売されたんだけど、日○一を象徴するソフトだとも言われている。かなりシュールで熱い内容らしいね、」
「らしい?アンタやったことないの?」ふーみんが痛い所を突いてくる。
「うっ、やりたいとは思っている。日○一を語る上では外せない1本だからね。でも、発売当初は見向きもされなくて、販売本数も1万本くらいで少ないんだ。それが後になってユー○ューブのゲーム紹介で変なバズリ方したもんだから、今はプレミアが付いてて1万円前後で取引されている。高校生が手を出すにはためらう値段だよ」
「そうねぇ、1万か」
「再版されればオリジナルにこだわるマニアでも無ければ、一般ユーザーが手に取りやすくなるし、プレミア価格だって落ち着くというメリットもあるんだ」
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~
蒼田
青春
人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。
目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。
しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。
事故から助けることで始まる活発少女との関係。
愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。
愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。
故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。
*本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
黄昏は悲しき堕天使達のシュプール
Mr.M
青春
『ほろ苦い青春と淡い初恋の思い出は・・
黄昏色に染まる校庭で沈みゆく太陽と共に
儚くも露と消えていく』
ある朝、
目を覚ますとそこは二十年前の世界だった。
小学校六年生に戻った俺を取り巻く
懐かしい顔ぶれ。
優しい先生。
いじめっ子のグループ。
クラスで一番美しい少女。
そして。
密かに想い続けていた初恋の少女。
この世界は嘘と欺瞞に満ちている。
愛を語るには幼過ぎる少女達と
愛を語るには汚れ過ぎた大人。
少女は天使の様な微笑みで嘘を吐き、
大人は平然と他人を騙す。
ある時、
俺は隣のクラスの一人の少女の名前を思い出した。
そしてそれは大きな謎と後悔を俺に残した。
夕日に少女の涙が落ちる時、
俺は彼女達の笑顔と
失われた真実を
取り戻すことができるのだろうか。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ネットで出会った最強ゲーマーは人見知りなコミュ障で俺だけに懐いてくる美少女でした
黒足袋
青春
インターネット上で†吸血鬼†を自称する最強ゲーマー・ヴァンピィ。
日向太陽はそんなヴァンピィとネット越しに交流する日々を楽しみながら、いつかリアルで会ってみたいと思っていた。
ある日彼はヴァンピィの正体が引きこもり不登校のクラスメイトの少女・月詠夜宵だと知ることになる。
人気コンシューマーゲームである魔法人形(マドール)の実力者として君臨し、ネットの世界で称賛されていた夜宵だが、リアルでは友達もおらず初対面の相手とまともに喋れない人見知りのコミュ障だった。
そんな夜宵はネット上で仲の良かった太陽にだけは心を開き、外の世界へ一緒に出かけようという彼の誘いを受け、不器用ながら交流を始めていく。
太陽も世間知らずで危なっかしい夜宵を守りながら二人の距離は徐々に近づいていく。
青春インターネットラブコメ! ここに開幕!
※表紙イラストは佐倉ツバメ様(@sakura_tsubame)に描いていただきました。
ゾンビだらけの世界で俺はゾンビのふりをし続ける
気ままに
ホラー
家で寝て起きたらまさかの世界がゾンビパンデミックとなってしまっていた!
しかもセーラー服の可愛い女子高生のゾンビに噛まれてしまう!
もう終わりかと思ったら俺はゾンビになる事はなかった。しかもゾンビに狙われない体質へとなってしまう……これは映画で見た展開と同じじゃないか!
てことで俺は人間に利用されるのは御免被るのでゾンビのフリをして人間の安息の地が完成するまでのんびりと生活させて頂きます。
ネタバレ注意!↓↓
黒藤冬夜は自分を噛んだ知性ある女子高生のゾンビ、特殊体を探すためまず総合病院に向かう。
そこでゾンビとは思えない程の、異常なまでの力を持つ別の特殊体に出会う。
そこの総合病院の地下ではある研究が行われていた……
"P-tB"
人を救う研究のはずがそれは大きな厄災をもたらす事になる……
何故ゾンビが生まれたか……
何故知性あるゾンビが居るのか……
そして何故自分はゾンビにならず、ゾンビに狙われない孤独な存在となってしまったのか……
全体的にどうしようもない高校生日記
天平 楓
青春
ある年の春、高校生になった僕、金沢籘華(かなざわとうか)は念願の玉津高校に入学することができた。そこで出会ったのは中学時代からの友人北見奏輝と喜多方楓の二人。喜多方のどうしようもない性格に奔放されつつも、北見の秘められた性格、そして自身では気づくことのなかった能力に気づいていき…。
ブラックジョーク要素が含まれていますが、決して特定の民族並びに集団を侮蔑、攻撃、または礼賛する意図はありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる