25 / 51
第6章 第4節 二人だけの実験~未来からの来訪者
しおりを挟む
時は翌日の13時、奏太との待ち合わせ時間になった。
あおいは12時30分に研究所を出て、奏太の実家の前を通らず、遠回りしてホームセンターに向かう。あおいは研究所の物置にあった自転車を使って、ホームセンターまで出かけ、ホームセンターの自転車置き場に自転車を止めた。あおいはキャップをかぶり、ペンダントを身に着け、ホームセンターの入口の前で、奏太が来るのを待っていた。
ブオーン
すると目の前にスクーターが止まった。スクーターの運転手はヘルメットをかぶっているから、誰だかわからない。
「やあ、うみちゃん!」
「あら、奏太だったのね! ヘルメットをかぶっているから、一瞬、誰だかわからなかったよ!」
「うみちゃん、こんな目立つところに座っていると、奴に見つかっちゃうよ」
「大丈夫よ。ここは人が結構いるし、奏太からもらった如意棒ペンもあるしね。それにあたし、悪いことしてないのに、なんでこそこそしないといけないの?」
「あはは、うみちゃんらしいな…… あ、そうだそうだ。はい、これ!」
奏太は、ポケットからメガネを出した。
「あれ~、これ、あたしのメガネじゃないのー」
「うん、弁償しようと思ってメガネ屋で調べてもらったら、ダテメガネってわかってね。それで同じようなメガネを買ってきたんだ。それにメガネかけていれば、あの男も見つけづらくなるよ」
「ありがとう、奏太! 使わせてもらうね!」
あおいは、だてメガネをさっそく装着した。
「後ろに乗って。今から研究所にいくよ」
「うん!」
奏太はスクーターを走らせ、やがて研究所前についた。
「ここがおじいちゃんの研究所だよ」
「へえ~、周りは林で囲まれたところにあるんだねえ」
当然あおいは、奏太にばれないように、初めて研究所にやってきたふりをした。まさかあおいが、研究所の秘密の地下室に住んでいるとは、奏太も思っていないだろう。
あおいはこの研究所の地下室で寝泊まりしている。お風呂や洗濯機、ベッドがあり、電気、ガス、水道まで整っていて生活には困らない。そもそも地下室の電気は地上の電源とはつながっていない。奏太のおじいちゃんは、未来では当たり前になっている自家発電装置をつくって電気を起こしていた。ただあおいは、なぜ地下室の電気がついているかについて、疑問にすら思っていなかった。
奏太は研究所入口の扉を開け、中央実験室に向かった。すると整理された机の上に見覚えのある装置が置いてあった。それはまさしく、未来の奏太が、大学の部室で調査していた霊界通信機だった。
――ああ、これだ。
あおいがこの時代にやってきて、ずっと探していた霊界通信機にやっとたどり着いたのだ。
奏太「これが霊界通信機だよ!」
奏太は霊界通信機の構成や原理を、解説書を持ちながら夢中になって説明した。もちろんあおいにはわからないことだらけだ。ただ、おじいちゃんのノートを何度も読み直したためか、多少のことは理解できた。そして現代では摩訶不思議なことでも、あおいはタイムワープでこの時代にやって来たのだ。
それに霊界通信機は、おじいちゃんがもともといた未来では存在していたから、おじいちゃんは試作品をつくれたのだ。別に摩訶不思議なことでもないとあおいは思っていた。
あおいは「うんうん」と、丁寧にうなずいた。そんなあおいを見て、奏太は声をかけた。
奏太「本当にうみちゃんって不思議だね」
あおい「ん、どうして?」
奏太「だって、霊界通信の実験をすると言っても、一切否定しないし、びっくりもしていないでしょ」
あおい「うん、奏太が興味もったものだから、応援したくてね」
奏太「その気持ち、俺、とてもうれしいよ。でもうみちゃんって、まるで霊界通信機のこと、最初からわかっているみたいでさ」。
あおいはもちろん、奏太が説明している解説書の深い意味を理解できたわけではない。
ただ一つ分かったことがあった。奏太が1階の実験室で見つけた霊界通信機の解説書と、地下室の机の引き出しに入っていた霊界通信機の解説ノートには明らかな違いがあることだ。
あおいが見つけた地下室のノートは2種類あり、タイムワープと霊界通信機について書かれていた。地下室に保管してあった霊界通信機のノートは4冊あり、1冊の説明書の厚みは、奏太が今、手にしている解説書よりもさらに分厚かった。あおいは、地下室のノートには、霊界通信機の原理について、さらに詳しく書かれているように感じた。そしてそれは、まさしく当たっていたのだ。しかし、奏太には地下室のことは秘密にしなくてはならなかった。
「じゃあ、うみちゃん。これから実験するね」
奏太の説明から、霊エネルギーをキャッチできるセンサーの材質を調べようとしていることがわかった。奏太は、様々なサンプルを用意して、机の上に並べている。日常、普通に使われているものから河原の石ころのようなものまである。100種類はあるだろうか。ホームセンターで売っていそうな材料まであった。
奏太は電流計のようなものを使って、材料の測定を開始した。用意したものを順番に測定している。一つのサンプルにつき、調査にかかる時間は20分ほどかかるようだ。1時間で3つの調査がやっとだ。奏太は測定計の波長の変化をじーっと観察している。
実験は、奏太一人で十分にできることだった。というよりも奏太が夢中になりすぎて、あおいにお願いすることすら忘れているように見える。特にあおいが手伝うことはない。あおいは奏太のすぐ脇で、奏太が実験する姿を見ているだけだった。
(高校時代の奏太も、夢中になるとこんなに生き生きするんだね)
あおいは新鮮な目で奏太を見ていた。そしてあおいは、奏太の実験する姿をただ見ているだけで、幸せな気持ちになっていた。
……実験を開始してから2時間経過した。あおいは冷たいコーヒーをつくって持ってきた。
「奏太、冷たいコーヒー。すこし休憩したらどう?」
「うみちゃん、ありがとう! へえ、給湯室、よくわかったね。おじいちゃん一人の研究所なのに、広さだけはあるからね」
「えへへ、トイレに行ったとき、少し奥の方も探検したから。そしたら給湯室を見つけちゃった」
「じゃあ、コーヒーでも飲もうかな」
奏太はコーヒーを一気に半分飲んだ。
「うみちゃん、結局、俺一人で実験しているようなものだね。退屈しない?」
「うんうん、全然。見ていて楽しいよ」
あおいは本当に、奏太が実験している姿をみているだけで、幸せだった。未来には奏太はいない。もう会えないと思っていた奏太が目の前にいる。その姿を見ているだけで、大学の部室で奏太が実験していた頃の姿を思い出し、いとおしい気持ちになっていた。
そして奏太も、あおいがそばで見ていることに何の違和感もなかった。いや、あおいがいてくれるだけで元気が出て、あおいに見守られているようにさえ感じた。
奏太はコーヒーを全部飲んで、再び実験を行った。そして時は、夕方になる。
「夕方になったね。今日はここまでかな。うみちゃん、ホームセンターまで送っていくよ」
「ありがとう」
……二人は、ホームセンターに着いた。
「うみちゃん、今日は付き合ってくれてありがとう。でも手伝うことなかったね。俺一人で夢中になっちゃって...」
「うん、見ているだけでとても楽しかったよ。明日も行くからね」
「そう言ってくれるとほんとに嬉しいよ! それに悪い奴らも、結局現れなかったね。さすがに研究所までは追って来れないよね。でも一様、気をつけてね」
「うん、心配してくれてありがとう。じゃあ、電車の時間になるから!」
「また明日、ここで……」
奏太はスクーターで戻っていった。
……よし。
あおいは、1時間ほどホームセンターそばのレストランで時間が過ぎるのを待っていた。
あおいは、時間をずらして研究所に自転車で向かった。あおいは19時に研究所に着き、奏太が中にいないことを確認して、研究所内に入った。あおいは、霊界通信機の置いてあった中央実験室に入った。しかし机の上には実験機がなかった。
「なんだ。実験機はないのね。きっと奏太、自分の家の部屋に持っていって、実験しているんだろうな。奏太らしいな。ほんと、実験オタクなんだから……」
ただあおいは、たとえ今、目の前に実験機があっても、今すぐ実験機を壊すことはなかっただろう。もうしばらく……奏太と一緒にいたい気持ちの方が大きかったからだ。
「もう少し、一緒に実験できる雰囲気を楽しみたいな……今、壊してしまうと、もう、高校時代の奏太と会えなくなるんだよね」
あおいは今、奏太のそばで一緒にいることが何よりも嬉しかったのだ。
* * *
――次の日も、その次の日も実験は続いた。奏太は、昼はあおいと一緒に研究所で実験を行い、夜は実験機を家の部屋に持ち帰って実験の続きをしていた。奏太も、あおいと一緒に実験ができることがうれしく、とても楽しみにしていた。
そして実験が始まって4日目になった。
いつものとおり、あおいはホームセンターで待っていた。あおいはスクーターで研究所まで送ってもらい、中央実験室に入った。すると実験機の置いてある机の上に、一冊の科学雑誌があった。奏太は雑誌をとって、記事をあおいに見せた。
「うみちゃん、いい素材になりそうなのを見つけたよ!」
(え、この記事は……)
科学雑誌に掲載されている記事は、なんとあおいの父の記事だった。
あおいは12時30分に研究所を出て、奏太の実家の前を通らず、遠回りしてホームセンターに向かう。あおいは研究所の物置にあった自転車を使って、ホームセンターまで出かけ、ホームセンターの自転車置き場に自転車を止めた。あおいはキャップをかぶり、ペンダントを身に着け、ホームセンターの入口の前で、奏太が来るのを待っていた。
ブオーン
すると目の前にスクーターが止まった。スクーターの運転手はヘルメットをかぶっているから、誰だかわからない。
「やあ、うみちゃん!」
「あら、奏太だったのね! ヘルメットをかぶっているから、一瞬、誰だかわからなかったよ!」
「うみちゃん、こんな目立つところに座っていると、奴に見つかっちゃうよ」
「大丈夫よ。ここは人が結構いるし、奏太からもらった如意棒ペンもあるしね。それにあたし、悪いことしてないのに、なんでこそこそしないといけないの?」
「あはは、うみちゃんらしいな…… あ、そうだそうだ。はい、これ!」
奏太は、ポケットからメガネを出した。
「あれ~、これ、あたしのメガネじゃないのー」
「うん、弁償しようと思ってメガネ屋で調べてもらったら、ダテメガネってわかってね。それで同じようなメガネを買ってきたんだ。それにメガネかけていれば、あの男も見つけづらくなるよ」
「ありがとう、奏太! 使わせてもらうね!」
あおいは、だてメガネをさっそく装着した。
「後ろに乗って。今から研究所にいくよ」
「うん!」
奏太はスクーターを走らせ、やがて研究所前についた。
「ここがおじいちゃんの研究所だよ」
「へえ~、周りは林で囲まれたところにあるんだねえ」
当然あおいは、奏太にばれないように、初めて研究所にやってきたふりをした。まさかあおいが、研究所の秘密の地下室に住んでいるとは、奏太も思っていないだろう。
あおいはこの研究所の地下室で寝泊まりしている。お風呂や洗濯機、ベッドがあり、電気、ガス、水道まで整っていて生活には困らない。そもそも地下室の電気は地上の電源とはつながっていない。奏太のおじいちゃんは、未来では当たり前になっている自家発電装置をつくって電気を起こしていた。ただあおいは、なぜ地下室の電気がついているかについて、疑問にすら思っていなかった。
奏太は研究所入口の扉を開け、中央実験室に向かった。すると整理された机の上に見覚えのある装置が置いてあった。それはまさしく、未来の奏太が、大学の部室で調査していた霊界通信機だった。
――ああ、これだ。
あおいがこの時代にやってきて、ずっと探していた霊界通信機にやっとたどり着いたのだ。
奏太「これが霊界通信機だよ!」
奏太は霊界通信機の構成や原理を、解説書を持ちながら夢中になって説明した。もちろんあおいにはわからないことだらけだ。ただ、おじいちゃんのノートを何度も読み直したためか、多少のことは理解できた。そして現代では摩訶不思議なことでも、あおいはタイムワープでこの時代にやって来たのだ。
それに霊界通信機は、おじいちゃんがもともといた未来では存在していたから、おじいちゃんは試作品をつくれたのだ。別に摩訶不思議なことでもないとあおいは思っていた。
あおいは「うんうん」と、丁寧にうなずいた。そんなあおいを見て、奏太は声をかけた。
奏太「本当にうみちゃんって不思議だね」
あおい「ん、どうして?」
奏太「だって、霊界通信の実験をすると言っても、一切否定しないし、びっくりもしていないでしょ」
あおい「うん、奏太が興味もったものだから、応援したくてね」
奏太「その気持ち、俺、とてもうれしいよ。でもうみちゃんって、まるで霊界通信機のこと、最初からわかっているみたいでさ」。
あおいはもちろん、奏太が説明している解説書の深い意味を理解できたわけではない。
ただ一つ分かったことがあった。奏太が1階の実験室で見つけた霊界通信機の解説書と、地下室の机の引き出しに入っていた霊界通信機の解説ノートには明らかな違いがあることだ。
あおいが見つけた地下室のノートは2種類あり、タイムワープと霊界通信機について書かれていた。地下室に保管してあった霊界通信機のノートは4冊あり、1冊の説明書の厚みは、奏太が今、手にしている解説書よりもさらに分厚かった。あおいは、地下室のノートには、霊界通信機の原理について、さらに詳しく書かれているように感じた。そしてそれは、まさしく当たっていたのだ。しかし、奏太には地下室のことは秘密にしなくてはならなかった。
「じゃあ、うみちゃん。これから実験するね」
奏太の説明から、霊エネルギーをキャッチできるセンサーの材質を調べようとしていることがわかった。奏太は、様々なサンプルを用意して、机の上に並べている。日常、普通に使われているものから河原の石ころのようなものまである。100種類はあるだろうか。ホームセンターで売っていそうな材料まであった。
奏太は電流計のようなものを使って、材料の測定を開始した。用意したものを順番に測定している。一つのサンプルにつき、調査にかかる時間は20分ほどかかるようだ。1時間で3つの調査がやっとだ。奏太は測定計の波長の変化をじーっと観察している。
実験は、奏太一人で十分にできることだった。というよりも奏太が夢中になりすぎて、あおいにお願いすることすら忘れているように見える。特にあおいが手伝うことはない。あおいは奏太のすぐ脇で、奏太が実験する姿を見ているだけだった。
(高校時代の奏太も、夢中になるとこんなに生き生きするんだね)
あおいは新鮮な目で奏太を見ていた。そしてあおいは、奏太の実験する姿をただ見ているだけで、幸せな気持ちになっていた。
……実験を開始してから2時間経過した。あおいは冷たいコーヒーをつくって持ってきた。
「奏太、冷たいコーヒー。すこし休憩したらどう?」
「うみちゃん、ありがとう! へえ、給湯室、よくわかったね。おじいちゃん一人の研究所なのに、広さだけはあるからね」
「えへへ、トイレに行ったとき、少し奥の方も探検したから。そしたら給湯室を見つけちゃった」
「じゃあ、コーヒーでも飲もうかな」
奏太はコーヒーを一気に半分飲んだ。
「うみちゃん、結局、俺一人で実験しているようなものだね。退屈しない?」
「うんうん、全然。見ていて楽しいよ」
あおいは本当に、奏太が実験している姿をみているだけで、幸せだった。未来には奏太はいない。もう会えないと思っていた奏太が目の前にいる。その姿を見ているだけで、大学の部室で奏太が実験していた頃の姿を思い出し、いとおしい気持ちになっていた。
そして奏太も、あおいがそばで見ていることに何の違和感もなかった。いや、あおいがいてくれるだけで元気が出て、あおいに見守られているようにさえ感じた。
奏太はコーヒーを全部飲んで、再び実験を行った。そして時は、夕方になる。
「夕方になったね。今日はここまでかな。うみちゃん、ホームセンターまで送っていくよ」
「ありがとう」
……二人は、ホームセンターに着いた。
「うみちゃん、今日は付き合ってくれてありがとう。でも手伝うことなかったね。俺一人で夢中になっちゃって...」
「うん、見ているだけでとても楽しかったよ。明日も行くからね」
「そう言ってくれるとほんとに嬉しいよ! それに悪い奴らも、結局現れなかったね。さすがに研究所までは追って来れないよね。でも一様、気をつけてね」
「うん、心配してくれてありがとう。じゃあ、電車の時間になるから!」
「また明日、ここで……」
奏太はスクーターで戻っていった。
……よし。
あおいは、1時間ほどホームセンターそばのレストランで時間が過ぎるのを待っていた。
あおいは、時間をずらして研究所に自転車で向かった。あおいは19時に研究所に着き、奏太が中にいないことを確認して、研究所内に入った。あおいは、霊界通信機の置いてあった中央実験室に入った。しかし机の上には実験機がなかった。
「なんだ。実験機はないのね。きっと奏太、自分の家の部屋に持っていって、実験しているんだろうな。奏太らしいな。ほんと、実験オタクなんだから……」
ただあおいは、たとえ今、目の前に実験機があっても、今すぐ実験機を壊すことはなかっただろう。もうしばらく……奏太と一緒にいたい気持ちの方が大きかったからだ。
「もう少し、一緒に実験できる雰囲気を楽しみたいな……今、壊してしまうと、もう、高校時代の奏太と会えなくなるんだよね」
あおいは今、奏太のそばで一緒にいることが何よりも嬉しかったのだ。
* * *
――次の日も、その次の日も実験は続いた。奏太は、昼はあおいと一緒に研究所で実験を行い、夜は実験機を家の部屋に持ち帰って実験の続きをしていた。奏太も、あおいと一緒に実験ができることがうれしく、とても楽しみにしていた。
そして実験が始まって4日目になった。
いつものとおり、あおいはホームセンターで待っていた。あおいはスクーターで研究所まで送ってもらい、中央実験室に入った。すると実験機の置いてある机の上に、一冊の科学雑誌があった。奏太は雑誌をとって、記事をあおいに見せた。
「うみちゃん、いい素材になりそうなのを見つけたよ!」
(え、この記事は……)
科学雑誌に掲載されている記事は、なんとあおいの父の記事だった。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
君は妾の子だから、次男がちょうどいい
月山 歩
恋愛
侯爵家のマリアは婚約中だが、彼は王都に住み、彼女は片田舎で遠いため会ったことはなかった。でもある時、マリアは妾の子であると知られる。そんな娘は大事な子息とは結婚させられないと、病気療養中の次男との婚約に一方的に変えさせられる。そして次の日には、迎えの馬車がやって来た。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
婚約破棄されましたが、帝国皇女なので元婚約者は投獄します
けんゆう
ファンタジー
「お前のような下級貴族の養女など、もう不要だ!」
五年間、婚約者として尽くしてきたフィリップに、冷たく告げられたソフィア。
他の貴族たちからも嘲笑と罵倒を浴び、社交界から追放されかける。
だが、彼らは知らなかった――。
ソフィアは、ただの下級貴族の養女ではない。
そんな彼女の元に届いたのは、隣国からお兄様が、貿易利権を手土産にやってくる知らせ。
「フィリップ様、あなたが何を捨てたのかーー思い知らせて差し上げますわ!」
逆襲を決意し、華麗に着飾ってパーティーに乗り込んだソフィア。
「妹を侮辱しただと? 極刑にすべきはお前たちだ!」
ブチギレるお兄様。
貴族たちは青ざめ、王国は崩壊寸前!?
「ざまぁ」どころか 国家存亡の危機 に!?
果たしてソフィアはお兄様の暴走を止め、自由な未来を手に入れられるか?
「私の未来は、私が決めます!」
皇女の誇りをかけた逆転劇、ここに開幕!

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
僕は君を思うと吐き気がする
月山 歩
恋愛
貧乏侯爵家だった私は、お金持ちの夫が亡くなると、次はその弟をあてがわれた。私は、母の生活の支援もしてもらいたいから、拒否できない。今度こそ、新しい夫に愛されてみたいけど、彼は、私を思うと吐き気がするそうです。再び白い結婚が始まった。
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる