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第4章 第4節 あおいの決意~秘密のタイムマシン
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二日後、あおいは再び、奏太の実家にやって来た。あおいは奏太の母へ一言、挨拶を済ませてから研究所の地下室へ足を運んだ。あおいは今、地下室にあるタイムカプセルツールの目の前にいた。あおいはタイムカプセルツールの周りをぐるりと歩きながら、考え事をしているようだ。
二日前にタイムカプセルツールを発見した次の日、あおいはおじいちゃんのノートをずっと読んでみた。タイムカプセルツールの原理については、まるっきり理解できなかったが、操作方法については理解できそうだった。もちろん、ノートを見ただけでは具体的にイメージすることはできない。そこであおいは、もう一度地下室に行き、実際に目の前でタイムカプセルツールを見ながら、ノートを読んでみようと思った。
ただ、ここで困ったことがある。それはタイムカプセルツールの中に入れないことだった。タイムカプセルツールは三百六十度、透明なガラスにそっくりの素材で覆われていて、どこを見ても中に入る入口が見当たらなかった。
「う~ん、入口はどこにもないわね~。地面に秘密の入口があって、そこから入るのかなあ」
あおいは、地下室の床を、足でコンコンと叩いてみた。
「幾ら何でも、こんなところに、秘密の入口はないよね」
あおいは一旦、タイムカプセルツールから離れて、壁際にある机に座って操作マニュアルを読み直した。すると、『準備編』という項目のページを見つけた。
「あ~~、あったあった、これだ! ここ、すっかり読み飛ばしてた~」
あおいはそのページを読み始めた。
「中への入り方は、え~っと。そうか、リモコンを使うのね! わかったわ」
あおいは、慌ててタイムカプセルツールに向かって走り、タイムカプセルツールの前に到着した。
「ん?」
そこであおいは気づいたことがあった。
「はて? ところで、リモコンってどこにあるんだっけ?」
あおいは結構なドジっ子だった。あおいは、自分の頭を右手で軽くこつんと叩いた後、もう一度机に向かって走り出し、ノートを見てみた。よく読むと、リモコンの説明が書かれている部分にアンダーラインが引いてある。そしてページ下のスペースに、手書きでメモが書いてあるのを見つけた。ここにリモコンの置いてある場所が書いてあった。
「青い棚の引き出しね!」
あおいは、今、座っている机から少し離れたところに青色の棚があるのを見つけた。
あおいはその棚に行き、引き出しを上から順に片っ端に開けてみた。すると上から3番目の左側の引き出しにリモコンが入っていた。
「あった、あった。きっとこれのことね!……ん?」
あおいはリモコンの入っていた引き出しに、もう一つキャップ(帽子)が入っていることに気づいた。
「このキャップは……」
あおいはキャップを手に取ってみた。キャップの片側に耳当てのようなものがついていて、他に小さな附属物が幾つかついているようだった。
「キャップって確かノートにも書いてあったような気が……これも一様、持っていこうか」
あおいはキャップをかぶり、リモコンをもってタイムカプセルツールの前に向かった。
あおいは、ノートを見ながら手順通りに進めることにした。
「まずは、リモコンのこのボタンを押してっと……」
あおいはボタンを押した。
シュ――ー、カシャッ
何と、タイムカプセルツールのガラスのような壁から、急に入口が現れた。
「まさか、何もないところから入口が現れるなんて。一体どういう原理なの?未来の科学、いや奏太のおじいちゃんかな。何てすごい科学者なの」
あおいは、入口からタイムカプセルツールの中に入った。タイムカプセルツールの中は外からも見えるとおり、何にも入っていなかった。
あおいは、再びマニュアルを読んでみた。マニュアルには「キャップをかぶれ」と書いてあった。
「キャップ? ああ、これのことね!」
引き続き、あおいはマニュアルの続きを読んだ。
【キャップの右側にあるスイッチを入れ、行きたい年月日・時間と場所を言葉でしゃべるか、あるいは強く念じてみよ】
あおいは、キャップの右側の耳当てに触れてみると、小さなボタンらしきものがあった。あおいは、そのボタンを押してみた。すると……。
ふわ……
あおいの足元が急にふわっと浮かび上がり、あおいの体が十センチほど宙に浮いたのだった。
「え、な、なに。なんなのよ~~、これは~」
あおいはびっくりしたが、冷静を取り戻し、マニュアルに書かれているとおり、次に行きたい日付をしゃべってみた。
「え~っと、行きたい日付だったね。どうしようかな。まずは三日前にでもしようかな……。じゃあ、2024年の8月14日の12時にお願いね!」
すると目の前の空中に、「2024年8月14日12時」の文字が浮かび上がった。
日付は半透明の文字色だが、あおいの目には、くっきりと文字を確認できた。
「どうして空中に文字が浮かんでいるの。どこにも映写機なんてないのに……これはまるで、空中スクリーンね」
あおいはマニュアルの続きを読もうとしたら、そのとき、目の前の空中に文字が現れた。
【次にパスワード5文字を入力してください】
さらに目の前の空間に、タッチパネルのような映像が現れた。
「え~~、今度はパネルが現れた~。これって映像よね」
あおいが空中に現れたパネルのボタンを適当に触れたら「ピッ」と音がした。
「本当に入力できるんだあ~~」
あおいは再び驚いてしまった。
「それよりパスワード、パスワード5文字。え~っと。どうしようかな」
あおいは、奏太とのメールのやりとりを思い出した。
【奏太へ 私と海と電話】
そうだ! これにしよう!
「*****……と」
あおいは、空気中に現れたパネルのボタンに手を触れて、パスワード5文字を入力した。
すると、タイムカプセルツールが青く光りだし、「パスワード入力完了」という文字が目の前に現れた。そしてカプセル内がゆっくり回転し、次第に回転はどんどん速くなった。
ただ、あおい自身が回転しているようには感じず、外の世界があおいを中心に回転しだしているかのように見えた。
やがて回転速度はものすごい速さになり、外の景色がすっかり見えなくなり、白色の透明な風景へと変わった。
「え、え、え~~、ど、どうなってるの??」
あおいは、慌ててノートの続きを確認した。
【次で最後じゃ。最後に大切なメッセージをタイムマシンに向かって大声で伝えるんじゃ。いいか、ここが最も大事じゃぞ】
あおいはとても緊張しながら、メッセージを確認してみた。
【メッセージは「ちょんまげ~」じゃ】
ズコッ
あおいはずっこけた。
あおいは、すっかり緊張の糸が切れた。
「も~、こういうところって、奏太そっくりなんだから。別にいらないよね? このメッセージって。おじいちゃんのただの茶目っ気じゃないの?」
【そして、『強くうごけー』と念じれば出発じゃ】
「え、本当にこれだけで未来に行けちゃうの?」
ここであおいは、おじいちゃんの手紙を思い出す。
「確か、おじいちゃんの手紙では……タイムマシンは不完全だから使うなとか書いてあったな……」
しかし、あおいはもうひとつの手紙のコメントを同時に思い出していた。
【燃料がなく、わしのいた時代、300年前に戻れなくなった。10年先の未来や過去なら往復分の燃料はあるが……万が一、時空間嵐に巻き込まれたりしたら、燃料タンクが壊れて、帰りの燃料を失う危険性がある……】
「10年分の往復のエネルギーがあるのなら、奏太が亡くなった3週間前なら十分行けるんじゃないの……。それに、『万が一』ってことは、時空間嵐に遭遇する可能性の方が低いってことよね」
あおいは、青く光るタイムカプセルツールの中で、しばし考えていた。
よし!
あおいは一呼吸した。そして「タイムマシンよ、止まれ~」と強く念じた。
するとタイムカプセルツールは、青白く発光していた光が次第に消えていき、周りの回転が静かに止まった。
プシュ~
タイムマシンは完全に止まった。
「ふう~、取りあえず止まったあ。このタイムマシンってしゃべらなくても、キャップに思いを強く念じても操縦できるようね」
あおいは、タイムカプセルツールの難しい原理はわからなかったものの、タイムマシンの操作はおおよそ理解できた。
ところで、あおいはなぜ発進を止めたのだろうか。実は、気になることが思い浮かんだからだった。
「そういえばお兄ちゃん。奏太が亡くなったのは霊界通信機の実験が原因って言ってたな。
確か、黒魔術の秘宝で死んだ霊を呼び出す実験に夢中になってて……。お兄ちゃんが反対したにもかかわらず、一人で実験したからだとか……。
たとえ奏太が亡くなった3週間前に戻って事故を防げたとしても、奏太の性格からするとあの危険な実験を続けるだろうな。お兄ちゃんでさえ説得できなかったことをあたしに説得できるのかな。
きっとあの霊界通信機がある限り、奏太はどこかでまた事故に……」
あおいは目をつぶって、昔の兄との会話を思い返していた。
「え~~っと、奏太とはじめて出会ったのは3年前の9月。お兄ちゃんはそのときから1ヶ月前の8月に奏太と初めて会って、霊界通信機のことを聞いたって言ってたっけな……。
そうそう、夏休みに入って、奏太がおじいちゃんの研究所で面白い発明品がないかなあって探していたら、偶然、霊界通信機を見つけたって言ってたっけ。
そうだ……そもそも、奏太が霊界通信機を見つけなければ、こんな事態にならなかった……。奏太が霊界通信機を見つける前に、壊してしまえばいいんだ」
あおいは、すべての原因は霊界通信機の存在にあると考えた。
「よし、今から3年前、夏休みが始まる3日前くらいに行けばいいんだね!」
あおいは、その日、家に帰った。
「過去に戻るなんて、この先どうなるかわからない。それなりに準備しないと……」
次の日、あおいは大きなバッグに携帯食や飲物、着替えを入れ、銀行カードや学生手帳なども入れた。
「よし、これで十日はもつかな。奏太、待っててね。あたしが必ず助けに行けくからね」
あおいは明日、タイムマシンに乗って3年前に行き、霊界通信機を壊すことを決意したのだ。
二日前にタイムカプセルツールを発見した次の日、あおいはおじいちゃんのノートをずっと読んでみた。タイムカプセルツールの原理については、まるっきり理解できなかったが、操作方法については理解できそうだった。もちろん、ノートを見ただけでは具体的にイメージすることはできない。そこであおいは、もう一度地下室に行き、実際に目の前でタイムカプセルツールを見ながら、ノートを読んでみようと思った。
ただ、ここで困ったことがある。それはタイムカプセルツールの中に入れないことだった。タイムカプセルツールは三百六十度、透明なガラスにそっくりの素材で覆われていて、どこを見ても中に入る入口が見当たらなかった。
「う~ん、入口はどこにもないわね~。地面に秘密の入口があって、そこから入るのかなあ」
あおいは、地下室の床を、足でコンコンと叩いてみた。
「幾ら何でも、こんなところに、秘密の入口はないよね」
あおいは一旦、タイムカプセルツールから離れて、壁際にある机に座って操作マニュアルを読み直した。すると、『準備編』という項目のページを見つけた。
「あ~~、あったあった、これだ! ここ、すっかり読み飛ばしてた~」
あおいはそのページを読み始めた。
「中への入り方は、え~っと。そうか、リモコンを使うのね! わかったわ」
あおいは、慌ててタイムカプセルツールに向かって走り、タイムカプセルツールの前に到着した。
「ん?」
そこであおいは気づいたことがあった。
「はて? ところで、リモコンってどこにあるんだっけ?」
あおいは結構なドジっ子だった。あおいは、自分の頭を右手で軽くこつんと叩いた後、もう一度机に向かって走り出し、ノートを見てみた。よく読むと、リモコンの説明が書かれている部分にアンダーラインが引いてある。そしてページ下のスペースに、手書きでメモが書いてあるのを見つけた。ここにリモコンの置いてある場所が書いてあった。
「青い棚の引き出しね!」
あおいは、今、座っている机から少し離れたところに青色の棚があるのを見つけた。
あおいはその棚に行き、引き出しを上から順に片っ端に開けてみた。すると上から3番目の左側の引き出しにリモコンが入っていた。
「あった、あった。きっとこれのことね!……ん?」
あおいはリモコンの入っていた引き出しに、もう一つキャップ(帽子)が入っていることに気づいた。
「このキャップは……」
あおいはキャップを手に取ってみた。キャップの片側に耳当てのようなものがついていて、他に小さな附属物が幾つかついているようだった。
「キャップって確かノートにも書いてあったような気が……これも一様、持っていこうか」
あおいはキャップをかぶり、リモコンをもってタイムカプセルツールの前に向かった。
あおいは、ノートを見ながら手順通りに進めることにした。
「まずは、リモコンのこのボタンを押してっと……」
あおいはボタンを押した。
シュ――ー、カシャッ
何と、タイムカプセルツールのガラスのような壁から、急に入口が現れた。
「まさか、何もないところから入口が現れるなんて。一体どういう原理なの?未来の科学、いや奏太のおじいちゃんかな。何てすごい科学者なの」
あおいは、入口からタイムカプセルツールの中に入った。タイムカプセルツールの中は外からも見えるとおり、何にも入っていなかった。
あおいは、再びマニュアルを読んでみた。マニュアルには「キャップをかぶれ」と書いてあった。
「キャップ? ああ、これのことね!」
引き続き、あおいはマニュアルの続きを読んだ。
【キャップの右側にあるスイッチを入れ、行きたい年月日・時間と場所を言葉でしゃべるか、あるいは強く念じてみよ】
あおいは、キャップの右側の耳当てに触れてみると、小さなボタンらしきものがあった。あおいは、そのボタンを押してみた。すると……。
ふわ……
あおいの足元が急にふわっと浮かび上がり、あおいの体が十センチほど宙に浮いたのだった。
「え、な、なに。なんなのよ~~、これは~」
あおいはびっくりしたが、冷静を取り戻し、マニュアルに書かれているとおり、次に行きたい日付をしゃべってみた。
「え~っと、行きたい日付だったね。どうしようかな。まずは三日前にでもしようかな……。じゃあ、2024年の8月14日の12時にお願いね!」
すると目の前の空中に、「2024年8月14日12時」の文字が浮かび上がった。
日付は半透明の文字色だが、あおいの目には、くっきりと文字を確認できた。
「どうして空中に文字が浮かんでいるの。どこにも映写機なんてないのに……これはまるで、空中スクリーンね」
あおいはマニュアルの続きを読もうとしたら、そのとき、目の前の空中に文字が現れた。
【次にパスワード5文字を入力してください】
さらに目の前の空間に、タッチパネルのような映像が現れた。
「え~~、今度はパネルが現れた~。これって映像よね」
あおいが空中に現れたパネルのボタンを適当に触れたら「ピッ」と音がした。
「本当に入力できるんだあ~~」
あおいは再び驚いてしまった。
「それよりパスワード、パスワード5文字。え~っと。どうしようかな」
あおいは、奏太とのメールのやりとりを思い出した。
【奏太へ 私と海と電話】
そうだ! これにしよう!
「*****……と」
あおいは、空気中に現れたパネルのボタンに手を触れて、パスワード5文字を入力した。
すると、タイムカプセルツールが青く光りだし、「パスワード入力完了」という文字が目の前に現れた。そしてカプセル内がゆっくり回転し、次第に回転はどんどん速くなった。
ただ、あおい自身が回転しているようには感じず、外の世界があおいを中心に回転しだしているかのように見えた。
やがて回転速度はものすごい速さになり、外の景色がすっかり見えなくなり、白色の透明な風景へと変わった。
「え、え、え~~、ど、どうなってるの??」
あおいは、慌ててノートの続きを確認した。
【次で最後じゃ。最後に大切なメッセージをタイムマシンに向かって大声で伝えるんじゃ。いいか、ここが最も大事じゃぞ】
あおいはとても緊張しながら、メッセージを確認してみた。
【メッセージは「ちょんまげ~」じゃ】
ズコッ
あおいはずっこけた。
あおいは、すっかり緊張の糸が切れた。
「も~、こういうところって、奏太そっくりなんだから。別にいらないよね? このメッセージって。おじいちゃんのただの茶目っ気じゃないの?」
【そして、『強くうごけー』と念じれば出発じゃ】
「え、本当にこれだけで未来に行けちゃうの?」
ここであおいは、おじいちゃんの手紙を思い出す。
「確か、おじいちゃんの手紙では……タイムマシンは不完全だから使うなとか書いてあったな……」
しかし、あおいはもうひとつの手紙のコメントを同時に思い出していた。
【燃料がなく、わしのいた時代、300年前に戻れなくなった。10年先の未来や過去なら往復分の燃料はあるが……万が一、時空間嵐に巻き込まれたりしたら、燃料タンクが壊れて、帰りの燃料を失う危険性がある……】
「10年分の往復のエネルギーがあるのなら、奏太が亡くなった3週間前なら十分行けるんじゃないの……。それに、『万が一』ってことは、時空間嵐に遭遇する可能性の方が低いってことよね」
あおいは、青く光るタイムカプセルツールの中で、しばし考えていた。
よし!
あおいは一呼吸した。そして「タイムマシンよ、止まれ~」と強く念じた。
するとタイムカプセルツールは、青白く発光していた光が次第に消えていき、周りの回転が静かに止まった。
プシュ~
タイムマシンは完全に止まった。
「ふう~、取りあえず止まったあ。このタイムマシンってしゃべらなくても、キャップに思いを強く念じても操縦できるようね」
あおいは、タイムカプセルツールの難しい原理はわからなかったものの、タイムマシンの操作はおおよそ理解できた。
ところで、あおいはなぜ発進を止めたのだろうか。実は、気になることが思い浮かんだからだった。
「そういえばお兄ちゃん。奏太が亡くなったのは霊界通信機の実験が原因って言ってたな。
確か、黒魔術の秘宝で死んだ霊を呼び出す実験に夢中になってて……。お兄ちゃんが反対したにもかかわらず、一人で実験したからだとか……。
たとえ奏太が亡くなった3週間前に戻って事故を防げたとしても、奏太の性格からするとあの危険な実験を続けるだろうな。お兄ちゃんでさえ説得できなかったことをあたしに説得できるのかな。
きっとあの霊界通信機がある限り、奏太はどこかでまた事故に……」
あおいは目をつぶって、昔の兄との会話を思い返していた。
「え~~っと、奏太とはじめて出会ったのは3年前の9月。お兄ちゃんはそのときから1ヶ月前の8月に奏太と初めて会って、霊界通信機のことを聞いたって言ってたっけな……。
そうそう、夏休みに入って、奏太がおじいちゃんの研究所で面白い発明品がないかなあって探していたら、偶然、霊界通信機を見つけたって言ってたっけ。
そうだ……そもそも、奏太が霊界通信機を見つけなければ、こんな事態にならなかった……。奏太が霊界通信機を見つける前に、壊してしまえばいいんだ」
あおいは、すべての原因は霊界通信機の存在にあると考えた。
「よし、今から3年前、夏休みが始まる3日前くらいに行けばいいんだね!」
あおいは、その日、家に帰った。
「過去に戻るなんて、この先どうなるかわからない。それなりに準備しないと……」
次の日、あおいは大きなバッグに携帯食や飲物、着替えを入れ、銀行カードや学生手帳なども入れた。
「よし、これで十日はもつかな。奏太、待っててね。あたしが必ず助けに行けくからね」
あおいは明日、タイムマシンに乗って3年前に行き、霊界通信機を壊すことを決意したのだ。
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