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そうしている間に、オリエンテーリングの前日準備の日になった。
一年生の学級委員は、裏山の登山口前に集まる。
「自分達の、チェックポイントはわかってるな!くれぐれも気をつけて行ってこいよ!」
先生が言う。
皆んなジャージに、リュックという、服装で並ぶ。
私は隣りの一彩に話しかける。
「あの、相沢君。私1組の方の設置に行くから、
うちのクラスは、前橋さんが来てくれるから、じゃぁ!」
そう言って私が去ろうとすると一彩が私の腕を引っ張る。
「何で?」
一彩が私に聞いてくる。私は少し驚いて掴まれた腕を見る。
なんて言えばいいんだろう?
私が理由を探して少し黙る。
『前橋さんが相沢君の事好きだからだよ。』
って正直に言ったら、前橋さんに悪いし。
私は返事に悩む。
そうしていたら、1組の男子の学級委員の奈良 一真《なら かずま》が私の所へ来ていう。
「立花さん!俺とまわるんでしょ?早く行こう!」
と言ってくる。
確か、、、私の記憶が正しければ、奈良君は鉄道マニアのちょっと変わった男子だった。
私は咄嗟に一彩に言う。
「あの、私鉄道興味あるから!ちょっと話し聞きたくて!」
そう言って、私は一彩の手を降り解いて奈良君の方へ行く。
奈良くんが
「立花さん鉄道興味あるの?」
と聞いてくる。
「ま、、まぁちょっと。」
と私は返事をする。
奈良君は、私が本当に鉄道に興味を持ってると勘違いしてか、私の隣りでマシンガントークを繰り広げていく。
けれど私は殆ど話しを聞いてなかった。
登山をしながらたまにすれ違う、一彩と前橋さんが気になって仕方なかった。
自分で、選んだ事なのにやっぱり一彩が他の女の子といるのは嫌なのだ。
しかも、二人が楽しそうに何か喋っていると、胸がひりひりしてくる。
自分でも勝手だなぁと思う。
本当だったら私と一彩は、スポットを設置しながら色々な話しで盛り上がって、凄く楽しかった記憶がある。
この時初めて私は、一彩といると楽しいなぁと感じて、一彩の事を好きになりはじめていたのだ。
記憶にあるのは、帰りに疲れた私のリュックを一彩が持ってくれた事だ。
「立花さん。貸してリュック!俺が持ってやるわ。」
「え?いいの?重くない?悪くない?」
「いいから貸して。」
「ありがとう。」
「今、俺の事いい奴って思ったでしょ?」
「最高って思ってるよ。」
「俺も今日二人でまわって楽しかったから、最高って思ってるわ。」
ただそれだけの事だけど、私はそれから一彩の事が気になり出したのだ。
教室にいても目で追って、少しでも話せた日は嬉しかった。
そんな事から始まっていったんだっけ、、、。
「立花さん、立花さん!」
私の名前を奈良くんが呼ぶ。
私はすっかり奈良君の話しを聞いてなかった。
「どうしたの?」
「俺、今日これから塾のテストだったの忘れてた!」
「え?本当?やばいじゃん。後一箇所だけだから、私やっとくよ。」
そう言うと、奈良君は両手を合わせて私に感謝する。
「まじで!ありがとう!道わかる?」
「うん。地図あるから多分大丈夫だよ。頑張ってね!」
そう言って、奈良君は下山していく。
私は一人になって、ため息をついて、あと一箇所目指して登って行く。
最後の一箇所は簡単な道のはずだった。
間違えるはずがないのに、私はなかなか辿り着かず焦ってきた。
もうすぐ、日も暮れ始めるし、どうしよう、、
、。
携帯を見ると圏外だ。
一人森の中で不安になってきた、、、。
その時、バサバサッと、木の葉が揺れる音がした。
一年生の学級委員は、裏山の登山口前に集まる。
「自分達の、チェックポイントはわかってるな!くれぐれも気をつけて行ってこいよ!」
先生が言う。
皆んなジャージに、リュックという、服装で並ぶ。
私は隣りの一彩に話しかける。
「あの、相沢君。私1組の方の設置に行くから、
うちのクラスは、前橋さんが来てくれるから、じゃぁ!」
そう言って私が去ろうとすると一彩が私の腕を引っ張る。
「何で?」
一彩が私に聞いてくる。私は少し驚いて掴まれた腕を見る。
なんて言えばいいんだろう?
私が理由を探して少し黙る。
『前橋さんが相沢君の事好きだからだよ。』
って正直に言ったら、前橋さんに悪いし。
私は返事に悩む。
そうしていたら、1組の男子の学級委員の奈良 一真《なら かずま》が私の所へ来ていう。
「立花さん!俺とまわるんでしょ?早く行こう!」
と言ってくる。
確か、、、私の記憶が正しければ、奈良君は鉄道マニアのちょっと変わった男子だった。
私は咄嗟に一彩に言う。
「あの、私鉄道興味あるから!ちょっと話し聞きたくて!」
そう言って、私は一彩の手を降り解いて奈良君の方へ行く。
奈良くんが
「立花さん鉄道興味あるの?」
と聞いてくる。
「ま、、まぁちょっと。」
と私は返事をする。
奈良君は、私が本当に鉄道に興味を持ってると勘違いしてか、私の隣りでマシンガントークを繰り広げていく。
けれど私は殆ど話しを聞いてなかった。
登山をしながらたまにすれ違う、一彩と前橋さんが気になって仕方なかった。
自分で、選んだ事なのにやっぱり一彩が他の女の子といるのは嫌なのだ。
しかも、二人が楽しそうに何か喋っていると、胸がひりひりしてくる。
自分でも勝手だなぁと思う。
本当だったら私と一彩は、スポットを設置しながら色々な話しで盛り上がって、凄く楽しかった記憶がある。
この時初めて私は、一彩といると楽しいなぁと感じて、一彩の事を好きになりはじめていたのだ。
記憶にあるのは、帰りに疲れた私のリュックを一彩が持ってくれた事だ。
「立花さん。貸してリュック!俺が持ってやるわ。」
「え?いいの?重くない?悪くない?」
「いいから貸して。」
「ありがとう。」
「今、俺の事いい奴って思ったでしょ?」
「最高って思ってるよ。」
「俺も今日二人でまわって楽しかったから、最高って思ってるわ。」
ただそれだけの事だけど、私はそれから一彩の事が気になり出したのだ。
教室にいても目で追って、少しでも話せた日は嬉しかった。
そんな事から始まっていったんだっけ、、、。
「立花さん、立花さん!」
私の名前を奈良くんが呼ぶ。
私はすっかり奈良君の話しを聞いてなかった。
「どうしたの?」
「俺、今日これから塾のテストだったの忘れてた!」
「え?本当?やばいじゃん。後一箇所だけだから、私やっとくよ。」
そう言うと、奈良君は両手を合わせて私に感謝する。
「まじで!ありがとう!道わかる?」
「うん。地図あるから多分大丈夫だよ。頑張ってね!」
そう言って、奈良君は下山していく。
私は一人になって、ため息をついて、あと一箇所目指して登って行く。
最後の一箇所は簡単な道のはずだった。
間違えるはずがないのに、私はなかなか辿り着かず焦ってきた。
もうすぐ、日も暮れ始めるし、どうしよう、、
、。
携帯を見ると圏外だ。
一人森の中で不安になってきた、、、。
その時、バサバサッと、木の葉が揺れる音がした。
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