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25歳の憂鬱
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私は朝から緊張していた。
今日は私、立花 瑞稀25回目の誕生日だ。
いつも聞くだけで憂鬱な気持ちになる、携帯のアラーム音も、今日は何故か祝福のファンファーレに聞こえてくる。
昨日は眠る時から、胸の高鳴りが抑えられなかった。
もちろん、朝目覚めてもその高鳴りは治るどころか、どんどん増していた。
私は部屋着のまま洗面所へ行き、顔を洗う。
6畳とキッチンとお風呂と洗面所、トイレだけの狭い一人暮らしのマンション。
こんな、マンションでも私にとったらお城だ。
大好きな家具や、雑貨や洋服に囲まれて、全て自分の好きなように作った、お気に入りの部屋だ。
ぬるま湯で顔を洗って、自分の顔を見る。
『おめでとう。25歳の私。』
私は、つい自分に向かって話しかける。
いやいや、私はこの朝の自分に突っ込みたくなる。
浮かれ過ぎでしょう。いくらなんでも。
でもこの時の私は、誰にも止められないくらいの有頂天さだった。
本当に、自分のアホさ加減に嫌気がさしてくる。
私は、その後水に溶かすだけで飲めるプロテインを朝食代わりに飲み干す。
美容に良い成分や、タンパク質が気軽に取れると、インスタグラマーが宣伝していた。
だからと言って、何か効果があったかわからないが、手軽さからいつも朝はこればかりだ。
私は、念入りにメイクをして、前日に悩みに悩んで決めたドッキングワンピースに着替えた。
鏡に映る自分を見て、今出せる最高値の自分は出せていると思う。
今日は私、立花 瑞稀25回目の誕生日だ。
いつも聞くだけで憂鬱な気持ちになる、携帯のアラーム音も、今日は何故か祝福のファンファーレに聞こえてくる。
昨日は眠る時から、胸の高鳴りが抑えられなかった。
もちろん、朝目覚めてもその高鳴りは治るどころか、どんどん増していた。
私は部屋着のまま洗面所へ行き、顔を洗う。
6畳とキッチンとお風呂と洗面所、トイレだけの狭い一人暮らしのマンション。
こんな、マンションでも私にとったらお城だ。
大好きな家具や、雑貨や洋服に囲まれて、全て自分の好きなように作った、お気に入りの部屋だ。
ぬるま湯で顔を洗って、自分の顔を見る。
『おめでとう。25歳の私。』
私は、つい自分に向かって話しかける。
いやいや、私はこの朝の自分に突っ込みたくなる。
浮かれ過ぎでしょう。いくらなんでも。
でもこの時の私は、誰にも止められないくらいの有頂天さだった。
本当に、自分のアホさ加減に嫌気がさしてくる。
私は、その後水に溶かすだけで飲めるプロテインを朝食代わりに飲み干す。
美容に良い成分や、タンパク質が気軽に取れると、インスタグラマーが宣伝していた。
だからと言って、何か効果があったかわからないが、手軽さからいつも朝はこればかりだ。
私は、念入りにメイクをして、前日に悩みに悩んで決めたドッキングワンピースに着替えた。
鏡に映る自分を見て、今出せる最高値の自分は出せていると思う。
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