晴れのち智くん

ももゆき

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豪雨

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「ぁ…ぁ…、あぁ…ぁ」

智は初めて他人に射精させられ、自身で抜くのとは全然違う強烈な刺激に、暫く頭が真っ白になり動けずにいた。

「智くん、気持ちよかったんだね~」

綾野の声が自身の足元から聞こえてくる。
急速に正気に戻された智は、下の方に視線を向けると、無意識に綾野の頭を足で挟み込んだままになっている事に気づき慌てた。

「あっ!ご、ごめんなさい…っ」

急いで足を開いて綾野を解放すると、綾野は「見て…♡」と言い、口から智の放った精液を出した。

「…!!」

どロリと白濁した精液が綾野の唾液と混じって垂れるのを、綾野が手で受け止める。

吐き気がした。
自分の出した物だけど、ゲロを見せられてるような気分だった。
これ以上見たら本当に吐きそうで、智は顔を逸らしギュッと目を瞑った。

しかし、数秒も置かずに不快感に襲われ、智は慌てて下腹部に視線を戻す。

「ヒッ?!や、何してんの?!!」

そこには、先程の精液を智のアナルに塗りつけている綾野の姿があった。
そしてそのまま何の躊躇もなく、綾野は智のアナルに人差し指を捩じ込んだ。

「い゛っ!!?や!嫌だ!やめて!!!」

智は上体を起こし、綾野に掴みかかり止めさせようとしたが、綾野のグーパンチが顔面に飛んできて再びベッドへ倒れた。

「う゛っっ!!」

鼻から熱いものが垂れたのを感じて、手をやるとやはり鼻血が出ていた。

「"何でも”  するんじゃなかったの?」

綾野の冷たい声に、ビクりと体が震える。

「え…でもっ、さっきのは…?」

「はぁ?さっきのって、智君がイっただけだよね?何でもするじゃなくて、してもらったの間違いじゃない?(笑)」

「っ…」

智はモヤモヤしたが、上手く言語化出来そうにない上に、これ以上何か言って綾野に殴られるのが怖くて口を噤んだ。

綾野は、智が黙ったのを見て合意を得たと思ったのか、再び指の抜き差しを始めた。

「ぅ…っ、ぅう…」

気持ちは悪いが、幸い痛みなどは無い。

(耐えれる…耐えれる…耐えれる…。)

智は自身に言い聞かせるように心で繰り返した。
が、綾野が指を完全に抜いたかと思うと、今度は2本になって侵入してきた。

「ぅひ?!!」

明確な痛みを感じている訳じゃないが、不快感と不安感が急増する。
綾野が指を抜き差ししたり、中で指を開いたりギュッと押したり、ぐにゃぐにゃ動かされる度、智はヒッと息を飲んだ。

しかし不思議なもので、時間が経つと徐々に不快感も消える。
智の身体から力が抜けたのを見計らったように綾野は指を引き抜き、代わりにペニスをあてがう。

智はバッと上体を起こし目を見開いた。

「えっ…!まっ、待って!ソレ…入れるの…?」

「…はぁ?ここまできて入れないとか無いでしょ。智くんセックス知らないの?(笑)」

智の言葉に、綾野はバカにしたように笑うと「早く横になってよ」と促してくるが、こればかりは智も素直に従えずにいた。

「セ、ックス、するつもり…なの?」

「当たり前じゃん。何でもするって言ったよね?動画消して欲しくないの?」

「っ……で、でも…」

消して欲しい。
消して欲しい気持ちと同じくらい綾野とセックスしたくない。

「どうすんの?動画晒されてもいいの?」

「…ぃゃ、だ…」

絞り出すように答えた智に、綾野はニヤリと笑った。

「じゃあ、俺のチンコどうして欲しいの?」

「……入れて、くださぃ…。」

智は泣いて、綾野は嗤っている。

綾野は「良いですよー」と言うと、智のアナルに当てたペニスをゆっくりと挿入した。

「ヒィぃいっ!!ぃ゛、たい……!!」

指とは全然違う質量が、智のアナルをミシミシと押し広げて侵入してくる。
ブチブチちぎれるみたいに痛くて熱い。

「っ、智くん、力抜かないと入らないよ…?」

「っ…!ふ、っうぅ…!!」

必死に力を抜こうとしても、締め付けが弱まったタイミングで綾野も挿入を深めるから、痛くてまた力が入ってしまう。


結局、綾野は強引に抜き差しを繰り返し、腸液なのか綾野のカウパーなのか、はたまた出血のためなのか、とにかく先程よりはスムーズになった。
痛みもズキズキとした激痛から、ジクジクと熱を持ったような痛みに変わり、幾分かまだ楽だ。


(男同士のセックスって…何が気持ち良いんだろう…)

智は綾野に揺すられながら漠然と思った。

確かに入れている綾野は気持ちよさそうだが、入れられている側の智は痛いし苦しい。
辛すぎて、勝手に呻き声が出てしまうくらいだ。
慣れたら気持ちよくなるのだろうか。
…これが?

「智くん。」

ぼんやりと考えていると綾野に呼ばれる。

「智くん、ずっとチンチン萎えてるね…。初めてだし痛いよね。…ごめんね?」

そう言うと、綾野は智の額にキスをした。
そのまま頬、首筋へとキスを落とし、最後は唇にフレンチキスをすると、耳元でハァハァと興奮した息遣いで囁く。

「はっ、ア…智くんの中…気持ちよくてイッちゃいそう…。イっていぃ?」

「あっ…ぅ、ん、イイよっ早く…!」

智は漸くこの行為が終わる。とコクコク頷いた。

綾野は一段とスピードをあげて智に腰を打付ける。
ギシッギシッとベッドが激しく軋む。

「…っあぁ、イくっ、智くんっ!!」

「んっ、ぅ~~…」

ビクビクっと智のなかで綾野が脈打った。

綾野が智の上に倒れ込み、抱きしめるよう優しく智の髪を撫でた。
智は終わったなら今すぐ離れて欲しかったが、抵抗する力は微塵も残っていない。


あぁ、何してるんだろう。
男同士で、俺の部屋で。
なんで、こうなったんだろう。



智が呆然としていると、綾野がムクリと起き上がった。
「ティッシュ使うねー」と、自身の股間を拭い、テキパキと身支度を整え始めた綾野をみて智は不安になった。

「あ、あのっ。動画、消してくれるよね…?」

お尻が痛いので上半身だけを、どうにか起こして綾野に訊ねる。


「……えー?
    俺、
    消すって言ってなくない?」


綾野は酷く悪い顔で嗤った。

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