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雨
7(!)(微※)
しおりを挟む「じ…かん…ぎれ…?」
智は、本田の事で頭がいっぱいで、一瞬なんの事か理解出来ずにいた。
「そー。なので青木ホモ君の動画はネットで晒しまーす。世のゲイ達に沢山抜いてもらえるじゃん!良かったねホモ君!」
多田は、こんなに楽しい事は無いみたいな顔で笑い、智を見下ろしている。
「え、あ、ぁ、あの…ぁの、晒さないで!…あっあ、な、なんでもするから…するのでっ…!」
智は必死に多田の足元に縋り、土下座で懇願した。
下半身丸出しで、みっともなく土下座する智に、林と渡辺は『うわ~(笑)』『やば(笑)録画録画~』と笑っている。
「えー?んー…じゃあ、口で抜いて?」
「「は?」」
多田の言葉に驚いたのは、智では無く、林と渡辺だった。
当の智は、性的な意味の"抜く"を、勿論知っていたが、ホモをネタに虐めをする多田が、智に対して「抜いて?」と言うはずが無いと思っていた為、何を言われてるのか理解出来ずにいた。
「ホモなんだから、チンコしゃぶれるの嬉しいだろ?」
言いながら、多田はスマホでAVでも見始めたのか、女性のセクシーなうめき声が聞こえてくる。
「えっ?ぇ…?」
智は"抜く"の意味が、本当に性的なものだったことに戸惑う。
何でもするとは言ったが、パシリやカツアゲ的な事を想定していた智は、まさかペニスをしゃぶれと言われるとは思わず、早速後悔していた。
「多田、お前ガチで言ってんの…?」
渡辺と林が不安そうに多田を見やる。
「あー?だってAVでも見てりゃ男がしゃぶろうが気持ちよさは一緒じゃね?」
そう言うと多田は、早くやれと言わんばかりに智を見据えて顎をしゃくった。
そんな風に急かされても、智はペニスを口に含むなど、公開オナニーより余程嫌だった。
(まなみさんが帰って1人減ったし、渡辺と林が困惑してる今なら逃げれるんじゃ…?!)
智は思うが早いか、下半身も丸出しのまま、一気に出口に向かって走り出した。
「あ!待て!!」
叫んだのは渡辺か林か、怒号を背にして智は必死に走った。
が、
「っ゛?!!」
ダガーーーーーン!
という激しい音と共に、背中と後頭部に衝撃を受け、智は床に倒れた。
智の背中を滑って視界に入ったそれはパイプ椅子だった。
「渡辺ナイス~!」
林のはしゃぐ声が聞こえる。どうやらパイプ椅子を投げたのは渡辺のようだ。
智は痛みを堪えて再度逃走を図るが、起き上がり切る前に背中を踏まれ、再び地面に倒れた。
「お前、なめてんな」
多田の冷たい声が上から降ってくる。
「ぁ、あぁぁ、す、すみまっ…すみませ…ん゛ぅ゛!!」
何かを考えるより先に、勝手に口が謝罪の言葉を吐いたが、それも多田に頭を踏みつけられ遮られた。
雨のような暴力が続いた。
林や渡辺が何か罵倒している声が聞こえるが、聞き取る余裕など智にはなかった。
どれくらいの時間が経ったのか、智が気づいた時には、先程まで痴態を晒していた場所まで戻されていた。
智の眼前には、ソファに凭れる様に座る多田の下半身があった。
「!」
意識のハッキリした智は、多田から距離を取る為に体を起こそうと試みたが、誰かに体を押さえつけられていて、逆に股間に顔を押し付けられた。
「ん゛ん゛ん゛!!!」
「大人しくしろや」
渡辺の声だった。
「いつでも撮れるよ~」
林の声が智の横あたりで聞こえてくるが、顔を渡辺に固定されており確認はできない。
「はいはい~。じゃあ、ラストチャンスだから。あ、歯立てたら晒すから。」
多田は冷たく言い放つと、AVの視聴を再開する。
(いやだ…いやだ…いやだ…いやだ)
心の中で思っても、もう逃げられない。
智は観念して多田のズボンに手を伸ばし、恐る恐るチャックを下ろした。
既に持ち上がってる下着を見て、一瞬、躊躇したが、意を決して下着も下ろす。
ぶるん。
と出てきた性器は先の方が濡れており、多田の興奮感が伝わる。
不快な臭いは無いが、ぬらぬらと光る性器を口に含む勇気が出ず、智は性器を前にして動けなくなってしまった。
「手伝ってやるよ」
渡辺が、智の頭を多田のペニスに擦り付ける。
玉の辺りに、思い切り顔を押さえつけられ、鼻と口が塞がって上手く息ができない。
「んぶっ!ん゛っ、ん゛ー!」
苦しくて目に涙が浮かんだ頃、漸く解放された智は、また同じ目に遭わされる前にと、焦ってペニスを咥えた。
少ししょっぱい様な、微妙に生臭いような、なんとも言えない味がする。
ぬるぬるしてて気持ち悪い。
男性器を咥えてる事を実感させられ、智は途端に吐き気が込み上げてきた。
「ぅ゛ぉえ゛っ…」
我慢できずに嘔吐くと、多田は「吐いても晒す」と冷たく言い放った。
「ぅうう……ふぅーーっ、ふーーー。」
絶対吐く訳にはいかないと、智は涙を流しながらも、ペニスを口に含んだまま必死で息を整える。
智は以前みたAVの口淫を思い出しながら、片手でペニスを扱きながら頭を上下に動かす。
時折、裏筋や鬼頭を舌で舐めてみる。
智は早くイかせて終わらせたい一心で、丁寧に記憶をなぞった。
「上手~(笑)やっぱホモじゃんお前!」
林や渡辺が智を馬鹿にして笑い合っているが、智は吐かない事、手早く気持ち良くすることに一生懸命で、2人の揶揄いは耳に入らなかった。
「んんっ…ふっ…ん゛」
ちゅぱちゅぱ、ジュブジュブと恥ずかしい音を立てながら必死にしゃぶる。
「あっ~。青木、上手いじゃん…バキュームもしてよ」
多田は、気持ちよさそうに顔を紅潮させ、智を見下ろしながら言った。
智は多田の様子に手応えを感じ、解放される近い未来を想像し、多田の要望に応えようとペニスを吸い上げる。
やり方が合っているのか分からないが、多田の表情を見るに気持ちよさそうだ。
(もう少し…もう少しっ)
智は一心不乱にペニスをしゃぶる。
その扇情的な様子に、渡辺と林が欲情している事に、智は1ミリも気づかなかった。
しばらく続けていると、多田の息が上がってきた。
「あ゛っ~~、イきそっ」
(きたっ!)
智が密かに終わりの時に喜びを感じた瞬間。
ガッと頭を掴まれ、喉の奥まで一気にペニスが挿し込まれる。
「ん゛ぶっ?!!」
多田は、智の頭を掴んだまま激しく上下に揺さぶった。
「あ゛っ~~~イクっイクっ!!」
「ん゛ーーーーー!!!」
多田は智の口の中に勢いよく射精した。
瞬間、智の口内に経験したことの無い味が広がる。
ティッシュに包んでも嫌な臭いのするそれが、ダイレクトに鼻を通る。
(は、吐くっ!!!)
「ぅ゛お゛っ」
「吐いたら晒すけど?」
智の様子に、すかさず多田が言い放つ。
智は急いで口を手で塞いだ。
ちょっと戻ってきた胃液で、口の中はパンパンだ。
必死で呼吸を整えながら、少しずつ少しずつ、吐かないよう様子を見ながら飲み下した。
「……飲み…ま、した」
「んじゃカメラに向かって証拠見せて」
智はボロボロ泣きながら、べぇっと口を開いて、空になった口内をカメラに向けた。
泣きながらも、これでやっと解放されると、心はどこか晴れやかだった。
「んじゃ、次俺っ!」
はぁはぁと興奮した様子で林が名乗りをあげる。
「林の後、俺のもよろしく~」
渡辺も林に続いて、ヒラヒラと手を振った。
「え?!嫌だよ!な、何で?!」
智は、天国を目前に地獄へ引きずり戻されたような状況に、恐怖も忘れ叫んだ。
「データは俺が持ってんだよ。考えろやノータリン」
林はスマホを智に向けると、先程までの動画を再生し見せつけた。
とても人に見られたくない智の姿が、しっかりと映されている。
「ぁ…や、やめて!…やめてください…」
先程の威勢も一瞬でひっこみ、智はみっともなく泣いて懇願することしか出来なかった。
「舐めさせてください。だろーが」
林は、ドカッとパイプ椅子に腰を下ろすと智に向かって股を開く。
「な、舐めさせて下さぃ…」
先程の地獄を2度繰り返し、智は漸く開放された。
涙とヨダレと精液でグチャグチャになりながら項垂れていると、帰り支度を終えた多田が、智の傍にしゃがんだ。
「お前やっぱホモだからダメだわ。統万優しいからさ、お前に優しくするかもだけど、本心では迷惑がってるから。
アイツに近寄んなよ?近寄ったら動画晒すから」
凄む多田に智は顔を上げる。
「今日の事も、統万にいうなよ?
言ったら晒すだけじゃすまねぇから。」
「…はい。近づきません…言いません。」
智は寧ろ綾野が苦手なので、言われなくても近付きたくないが、そんな忠告の為にこんな目に合わされたのかと、綾野を逆恨んだ。
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