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雨
6(微※)
しおりを挟む『自分でする』
そう言った智に、多田は「へー」と興味なさげな返事をした。
「ま、どっちでもいいけど。俺らも暇じゃないから30分以内に終わらせてな?」
言いながら、多田は渡辺に手を離すように指示する。
自由になった智は、どうにか逃げれ無いかと静かに周囲を覗う。
(あぁ…無理だ…これ)
智の周りを隙間無く囲む多田達の様子を見て、智は絶望した。
「早くヤれよ。もうタイマー回してっから」
多田に急かされた智は、焦って下着に手をかける。
が、ふと、30分以内に出来なければどうなるのか?と思った。
「あ…あの、もし…30分以内に出来なかったら…ど、どうなる…の?」
「あー?」
多田は、その後の事を考えていなかったのか、すぐには答えず考えている様子だったが、数秒後にニヤっと笑うと林を指さした。
「林が動画撮ってくれるから、30分以内に終わらしきれなかったらネットにあげるわ」
「…!!」
驚き林を見やると、林はニヤニヤ笑いながら携帯を向け、智にヒラヒラと手を振った。
智は一瞬で青ざめる。
てっきり、出来なくても多少の暴力くらいかと踏んでいたからだ。
(絶対に30分以内でイかなきゃ…)
智は躊躇いながらも下着に手を入れ、やわやわと自身のものを扱き始めた。
「はぁ?なにやってんのお前。」
「え…?」
多田の苛立った声に、智は手を止めて多田を見る。
「何パンツ履いたまやってんの?脱げよ。」
「えっ…で、でも」
モジモジとするだけで、一向に下着を脱ぐ様子の無い智をみて、多田は渡辺に向かって顎をしゃくると、渡辺が再び智を羽交い締めにする。
「いやだ!」と抵抗するも虚しく、多田によって智の下着はあっという間に取り払われてしまった。
「はい、カメラに向かってピース(笑)」
智のあられも無い姿に、林はスマホを向けて笑っている。
渡辺からの拘束は解かれていたが、
智は恥辱の為に頭が真っ白で、ただ呆然としていると「無視してんじゃねーよ」と林に股間を蹴られた。
「い゛っ?!」
余りの痛みに悲鳴をあげて蹲る。
「ピースつってんだろ。」
「はぃっ…はぃぃっ」
智は涙で顔をグジャグジャにしながら必死にピースをして見せた。
「つか、あと20分くらいしかないけど大丈夫ー?」
多田に言われ、智は涙のまま普段以上に縮こまった性器を、皆に晒しながら扱き始めた。
「ほら、まなみー。もっと見せてやらないと勃たねぇって」
「はーい♡」
多田にそう言われると、まなみはブラを外し、露になった胸を智に見せつけた。
さらに、自身の座る椅子に足をあげ、パンツが丸見えの体勢になると、パンツを指で横に引き、恥部を晒した。
「?!!」
智は、まなみのあまりの格好に赤面した。
「ヒュー!まなみやるぅ~。青木真っ赤なってんじゃんっ(笑)」
林の言葉に、まなみは「今日だけ特別ねぇ♡」とペロッ舌を出して笑ってみせた。
「これでちゃんとイけたらホモじゃないって認めてやるよ。ほら頑張れ頑張れ」
多田が笑う。
しかし実際のところ、智は興奮するどころか
誰かを辱めるために、こんな事を簡単に出来るまなみに智は恐怖を感じていた。
普段なら、当たり前に誰も見ていない状況でならば、智も女性の裸体の画像や動画で勃起するし、なんなら早漏であった。
しかし今の状況では、目と鼻の先にナマの胸やマンコがあろうが、興奮できる精神状態ではなかった。
智ら頑張って勃たせようと扱くも、智のそれは鎌首をもたげたまま時間だけが過ぎていった。
「あと、10分ー」
多田が残り時間を知らせる声が響く。
(あぁ…もう、こんなのっ無理だ……)
智は、20分近く痴態を晒した努力も虚しく、この痴態を全国に晒されるんだと思うと、再び涙が出てきた。
「うっ…ぅ、ひっく…ぅう゛う゛~~~」
泣きながら、懸命に自慰を続けるが、もう半ば投げやりだった。
「あーあー。青木全然ダメじゃん。オカズが悪かった?(笑)」
「はぁ?!ふざけんな!こっちはFカップとまんこ晒してんですけど?!ご褒美だろうが!!」
多田の言葉に、まなみがキレている。
「はぁ、まじホモキショい!もうアタシ帰るわー!」
まなみは衣服を手早く整え、智を見やる。
「これから、本田にヤらせてあげるって約束あるから♡」
まなみは意地悪そうに笑いながら言い捨てると、1人先に帰って行った。
(え…本田って、あの本田…?)
智は、あと10分で射精しないといけない事も忘れ、まなみの残した言葉に戸惑っていた。
(本田は、俺を虐めるような女とエッチするの…?…あんな…あんな、いじめの為に恥ずかしげも無く体を晒す女と…?)
まなみの、智を傷つけるための嘘だったかもしれないが、智はそこまで頭が回らず、
ただただショックを受け、自慰をする手は完全に止まってしまった。
「はーい、時間切れーーー。」
多田の声が、無慈悲に響いた。
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