晴れのち智くん

ももゆき

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『自分でする』
そう言った智に、多田は「へー」と興味なさげな返事をした。

「ま、どっちでもいいけど。俺らも暇じゃないから30分以内に終わらせてな?」

言いながら、多田は渡辺に手を離すように指示する。

自由になった智は、どうにか逃げれ無いかと静かに周囲を覗う。


(あぁ…無理だ…これ)

智の周りを隙間無く囲む多田達の様子を見て、智は絶望した。

「早くヤれよ。もうタイマー回してっから」

多田に急かされた智は、焦って下着に手をかける。
が、ふと、30分以内に出来なければどうなるのか?と思った。

「あ…あの、もし…30分以内に出来なかったら…ど、どうなる…の?」

「あー?」

多田は、その後の事を考えていなかったのか、すぐには答えず考えている様子だったが、数秒後にニヤっと笑うと林を指さした。

「林が動画撮ってくれるから、30分以内に終わらしきれなかったらネットにあげるわ」

「…!!」

驚き林を見やると、林はニヤニヤ笑いながら携帯を向け、智にヒラヒラと手を振った。

智は一瞬で青ざめる。
てっきり、出来なくても多少の暴力くらいかと踏んでいたからだ。

(絶対に30分以内でイかなきゃ…)

智は躊躇いながらも下着に手を入れ、やわやわと自身のものを扱き始めた。

「はぁ?なにやってんのお前。」

「え…?」

多田の苛立った声に、智は手を止めて多田を見る。

「何パンツ履いたまやってんの?脱げよ。」

「えっ…で、でも」

モジモジとするだけで、一向に下着を脱ぐ様子の無い智をみて、多田は渡辺に向かって顎をしゃくると、渡辺が再び智を羽交い締めにする。

「いやだ!」と抵抗するも虚しく、多田によって智の下着はあっという間に取り払われてしまった。

「はい、カメラに向かってピース(笑)」

智のあられも無い姿に、林はスマホを向けて笑っている。

渡辺からの拘束は解かれていたが、
智は恥辱の為に頭が真っ白で、ただ呆然としていると「無視してんじゃねーよ」と林に股間を蹴られた。

「い゛っ?!」

余りの痛みに悲鳴をあげて蹲る。

「ピースつってんだろ。」

「はぃっ…はぃぃっ」

智は涙で顔をグジャグジャにしながら必死にピースをして見せた。

「つか、あと20分くらいしかないけど大丈夫ー?」

多田に言われ、智は涙のまま普段以上に縮こまった性器を、皆に晒しながら扱き始めた。

「ほら、まなみー。もっと見せてやらないと勃たねぇって」

「はーい♡」

多田にそう言われると、まなみはブラを外し、露になった胸を智に見せつけた。
さらに、自身の座る椅子に足をあげ、パンツが丸見えの体勢になると、パンツを指で横に引き、恥部を晒した。

「?!!」

智は、まなみのあまりの格好に赤面した。

「ヒュー!まなみやるぅ~。青木真っ赤なってんじゃんっ(笑)」

林の言葉に、まなみは「今日だけ特別ねぇ♡」とペロッ舌を出して笑ってみせた。

「これでちゃんとイけたらホモじゃないって認めてやるよ。ほら頑張れ頑張れ」

多田が笑う。

しかし実際のところ、智は興奮するどころか
誰かを辱めるために、こんな事を簡単に出来るまなみに智は恐怖を感じていた。

普段なら、当たり前に誰も見ていない状況でならば、智も女性の裸体の画像や動画で勃起するし、なんなら早漏であった。

しかし今の状況では、目と鼻の先にナマの胸やマンコがあろうが、興奮できる精神状態ではなかった。

智ら頑張って勃たせようと扱くも、智のそれは鎌首をもたげたまま時間だけが過ぎていった。

「あと、10分ー」

多田が残り時間を知らせる声が響く。

(あぁ…もう、こんなのっ無理だ……)

智は、20分近く痴態を晒した努力も虚しく、この痴態を全国に晒されるんだと思うと、再び涙が出てきた。

「うっ…ぅ、ひっく…ぅう゛う゛~~~」

泣きながら、懸命に自慰を続けるが、もう半ば投げやりだった。

「あーあー。青木全然ダメじゃん。オカズが悪かった?(笑)」

「はぁ?!ふざけんな!こっちはFカップとまんこ晒してんですけど?!ご褒美だろうが!!」

多田の言葉に、まなみがキレている。

「はぁ、まじホモキショい!もうアタシ帰るわー!」

まなみは衣服を手早く整え、智を見やる。

「これから、本田にヤらせてあげるって約束あるから♡」

まなみは意地悪そうに笑いながら言い捨てると、1人先に帰って行った。

(え…本田って、あの本田…?)

智は、あと10分で射精しないといけない事も忘れ、まなみの残した言葉に戸惑っていた。

(本田は、俺を虐めるような女とエッチするの…?…あんな…あんな、いじめの為に恥ずかしげも無く体を晒す女と…?)

まなみの、智を傷つけるための嘘だったかもしれないが、智はそこまで頭が回らず、
ただただショックを受け、自慰をする手は完全に止まってしまった。


「はーい、時間切れーーー。」

多田の声が、無慈悲に響いた。






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