悪役令嬢の兄、僕は婚約者じゃありません!

りゅの

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7話

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 1人で盛り上がる妹の内容はあまり耳に入ってこなかったが、楽しそうにしてる姿がそれはもう可愛くて…

 (はあ…シスコンもほどほどにしといてね。)

 突然殿下の声が脳内再生された。数週間前、ぬるいとは言え、セリスが侍女の失態でお茶を零してしまった現場を見かけたため瞬時にかけつけた救護したことがある。

 その勢いに終始、妹と一緒にいたトレアノス殿下が見ていたため、呆れたような表情でそう言ったのだ。

その顔があまりにも面白くて、声まで鮮明に脳みそに焼き付いている。

 そういえばあの顔すら知らない侍女がどうなったかは知らないが、おそらくクビになって辺境に飛ばされたのだろう。ここはそういう世界だもんね。


「___さまっ!お兄様たら!」
「……ん?」
「その者死んでしまっていますわ!」

 え?と思い、授業用に牢から連れ出してきた死刑囚を見ると、すっかり呼吸を止め、とても生きている者の表情をしていなかった。考え事をしていたら無意識に締め上げていたようである。

「ははは、まさか。今日の授業を忘れたのかい?息の根を止めたら元も子もないからね。これは気絶しただけだよ。」
「で、ですが…」
「彼は生きてる?ね?」
「っ、はい!」

 死んでしまったことで授業も続けられなくなったため、外に出ようと妹の肩に触れようとした途端ビクッと少しだけ怯えるように揺れた気がした。














「それで?トレアノス殿下とはどうよ。」
「またその話ですか?何度も言いますけど、私は婚約者という立場ですが…色恋は関係ありません、役目を全うするまでです。」
「うーーん、でも彼同じ歳の殿方の中では1番綺麗な顔立ちをしてると思うけどな。あれは確実に美しい王女様の血を濃く引いてるよ。言い寄られたらコロッといっちゃいそうじゃない?」
「それでも私の好みの顔ではありませんわ。」

難しい。女の子って難しい。

僕も前世は女性をやらしてもらってたけど、少しでも顔が整ってたら惚れてたから、僕が妹の立場なら真の悪役令嬢になってしまうだろうなと思う。まあ今は驚くほど興味が無いけど。

それとも妹が相当な面食いなのか。殿下以上のモノを求めるとかそういう___

「僕は?」
「っ!?」
「セリスも昔は、大きくなったらおにいしゃまと結婚するーとか言ってくれてただろ?」
「いっ、いつの話ですか!?」
「昨日のことように覚えてる。」
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