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14話
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ハンスの話をまとめるとリーゼン家は人ならざる得体の知れない者から魔力を搾取し、そこから兵器を作り出して王家に売買しているという話だった。
彼の家族がそこに住んでいるらしく、地元ではちょっと有名な話らしい。
「でも人ではないなら問題ないわよね。貴方の話が本当ならワタシたちもその事業に加えさせてもらうのはどうかしら。これからもっと伸びるだろうし、良い投資だと思うの。」
アルレアの提案に、確かにそれもそうだなと頷きかけた時、鋭い視線を感じ慌てて振り返る。
そこにはいつも通りニコニコ微笑んでいるハンスがいるだけで、気のせいかなと思いたかったが彼の行動を思い出す。
普段間に入って来ないハンスが態々リーゼン家を悪く言ったのだ。そこには絶対に好感度を下げるような何かがあるに違いない。
「……所詮急成長している男爵だ。むやみに支援するのは早急かと思う。それに何から魔力を吸っているのかわからないまま近づくのは良くない。違反物ならまずいしな。」
「それならワタシが調べようかしら。」
「………いや、この件は俺に任せてくれ。」
アルレアなら正確で信頼のある情報を得られるだろう。しかし今回はきっとハンスと因縁の関係があると踏んでいる。なら俺が動いてできるだけ情報を漁る他あるまい。それに……
「私も同行してよろしいでしょうか。問題ないと連絡は頂いてますがどうしても家族が心配なのです。」
やはり声をかけてきた。もしここで断っても勝手に動いて知らぬ間に戻ってくることだろう。それなら共に行動をした方がいいに決まってる。
予想以上にアルレアから負のオーラを感じるがフル無視である。お前は俺に故意に怪我をさせたのだからこれは一種の罰だ。
「えっ、ならワタシも行くわ!」
「お前はダメだ。ここを留守にするのは不安だしな。」
「ええ~~~!?」
嫌よと子供みたいに暴れるが「頼りにしてる。」と言えばすんっと大人しくなった。……この好感度96%………便利すぎる。
「それにハンスだけじゃない。トーアも連れて行くからな。安心してくれ。」
「ぐっ……」
また泥棒猫ちゃんが増えたと戯言を言っている彼を放置し、ハンスに長期パーティの予定とトーアへの連絡、それから仕立て屋を呼ぶように伝える。彼は「かしこまりました。」とだけ言うと部屋を出て行った。
「もしかしたら、同業者かもしれないのに。」
ぽそりと呟いたアルレアに「……同業者?」と尋ねようとしたが魔法を使ったのか部屋を出ていったようで、そこにはまだすやすやと寝息を立てている妹と俺だけだった。
彼の家族がそこに住んでいるらしく、地元ではちょっと有名な話らしい。
「でも人ではないなら問題ないわよね。貴方の話が本当ならワタシたちもその事業に加えさせてもらうのはどうかしら。これからもっと伸びるだろうし、良い投資だと思うの。」
アルレアの提案に、確かにそれもそうだなと頷きかけた時、鋭い視線を感じ慌てて振り返る。
そこにはいつも通りニコニコ微笑んでいるハンスがいるだけで、気のせいかなと思いたかったが彼の行動を思い出す。
普段間に入って来ないハンスが態々リーゼン家を悪く言ったのだ。そこには絶対に好感度を下げるような何かがあるに違いない。
「……所詮急成長している男爵だ。むやみに支援するのは早急かと思う。それに何から魔力を吸っているのかわからないまま近づくのは良くない。違反物ならまずいしな。」
「それならワタシが調べようかしら。」
「………いや、この件は俺に任せてくれ。」
アルレアなら正確で信頼のある情報を得られるだろう。しかし今回はきっとハンスと因縁の関係があると踏んでいる。なら俺が動いてできるだけ情報を漁る他あるまい。それに……
「私も同行してよろしいでしょうか。問題ないと連絡は頂いてますがどうしても家族が心配なのです。」
やはり声をかけてきた。もしここで断っても勝手に動いて知らぬ間に戻ってくることだろう。それなら共に行動をした方がいいに決まってる。
予想以上にアルレアから負のオーラを感じるがフル無視である。お前は俺に故意に怪我をさせたのだからこれは一種の罰だ。
「えっ、ならワタシも行くわ!」
「お前はダメだ。ここを留守にするのは不安だしな。」
「ええ~~~!?」
嫌よと子供みたいに暴れるが「頼りにしてる。」と言えばすんっと大人しくなった。……この好感度96%………便利すぎる。
「それにハンスだけじゃない。トーアも連れて行くからな。安心してくれ。」
「ぐっ……」
また泥棒猫ちゃんが増えたと戯言を言っている彼を放置し、ハンスに長期パーティの予定とトーアへの連絡、それから仕立て屋を呼ぶように伝える。彼は「かしこまりました。」とだけ言うと部屋を出て行った。
「もしかしたら、同業者かもしれないのに。」
ぽそりと呟いたアルレアに「……同業者?」と尋ねようとしたが魔法を使ったのか部屋を出ていったようで、そこにはまだすやすやと寝息を立てている妹と俺だけだった。
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