4人の乙女ゲーサイコパス従者と逃げたい悪役令息の俺

りゅの

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「あれ、なんだこれ。」

久しぶりの休日に、参考書を片手にコーヒーを飲みながらくつろいでいた俺はそこには買った覚えのないゲームソフトのパッケージが置かれていることに気がついた。

よく見るとパッケージには最近広告でよく見るキャラたちが描かれており、おそらくこれは妹が購入したものであろうとすぐに理解した。

右下には安定の「R-18」のマークがあり、もうこの家では見慣れたものである。まあ、間違いなく見慣れていて良いものではないが。

広告が目に入ったとき妹が好きそうだなとは思っていたが案の定、リビングの机にある感じ予想は的中したらしい。

両親は海外で仕事をしているため、実質遠慮のいらない2人暮らし。家中が趣味で溢れることは必然だった。

「しっかし…飽きないもんかね。」

一個下の妹の部屋には大量の「乙女ゲー」とやらがずっしりら並んでおり、同じ道を志す者なら間違いなく発狂案件だ。天国になりうるからな。

そんなことを片隅で考えつつ、スマホを取り出し数タップで出てきたネット攻略にざっくりと書かれているあらすじを読んでみる。

「ふむ、いじわるな領主である兄がいて………ああ、妹が主人公かこれ。それで仲良くなった4人の従者と共に兄を殺してハッピーエンド…………ん?」

いやいや………おかしくないか?

「お兄さん殺されんの?」

魔王かよ。心の中で盛大なツッコミをしてみる。些か過剰な演出に会ったこともない、ましてや架空の人物に同情の念を送った。同じ兄である自分ならたまったもんじゃない。





《口コミ・感想》

『従者さん思ってたよりサイコパスだった笑。でもストーリーは泣けるし面白かったからそれも相まって最高!』

『ハンスさんが1番攻略しちゃいけないタイプの人間だとは思わなかった……アッチャー。見る目ないのかな。。』




と、レビューをざっくり見たあとスマホを閉じた。なんだかあまり気分のいいものではないらしい。

〈“兄”の検出を完了しました。

「…は?」

参考書に再び目を通そうとした瞬間、謎の音声と突然現れた目の前のゲームウィンドウに、身体が硬直する。

〈サン〉

普段の大学研究の疲労で幻覚と幻聴症状が現れたらしい。謎のカウントダウンが開始するのを無視してソファで一眠りすることにした。

〈二〉

まさかここまで身体が疲れているとは思いもしなっかたがな。

〈イチ〉







〈転送が完了いたしました。〉
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