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3話 お前かよ
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「ああ…なんだお前か。」
「いやぁぁぁぁぁぁ!!!!」
どこから声を出しているのか知らないが、女のように甲高い声で悲鳴をあげると、布団にくるまって出てこなくなった。
「やめて!まだ悪いことしてないから!!!あっ、違う今後も悪いことしないから!!ほんと!ほんとだからァ!」
「いや、僕何も言ってねえからな。」
ここで疑問に思う方もいるだろうから説明しよう!
僕アルノアは魔王は討伐していない。うーん別に倒せないほど弱いわけじゃないけど、こいつらにも物語があり、家族がいる。会ってそう判断したから弱体化させてどこにでもいる魔物にした。まあ見目は変えられなかったので鬱陶しいくらいの美男子ってやつだ。
とにかく正確には魔王という存在は倒したが、一般魔物になってしまったこいつまでは倒していない。
「それで時の魔女?だっけ。なんでやってんの。」
「うっ、それは、お金稼ぎに決まってるでしょう。もちろん人間に迷惑はかけてませんよ。」
「魔女の名が村で広まってたがな。」
「はへ!?」
魔王の次はポンコツ魔女か……と遠い目で思いつつ、元魔王はブツブツと「あんにゃろう!」とブチギレている。本当にこいつが犯人ではなさそうだ。
「まあいい。とりあえず仕事内容詳しく吐け。」
「うえっ!?あ、えっと、過去に帰りたい同胞にタイムスリップさせて人生のやり直しをさせてるんです!まあ未来をかえるほどの影響力はないですけどね。」
「ほう。」
「例えば食べてしまったケーキをもう一度食べたい!だとかもう会えない家族に会いたい!だとかーーーー」
「故人に会えるというのか…?」
他にもペラペラと話し続ける彼の言葉は全く耳に入らず、ただ「会える」その単語だけがうるさいくらいに反芻する。
もう諦めがついていたと思っていたのに心は全くそうではなくて、手脚が覚えのある不規則さで震え始める。頭の中は『ロノ』という文字で埋め尽くされ、キーンと耳鳴りがするくらいに彼の言葉が脳内再生される、あ、やば
「~~~!!アルっ!ノア!!アルノアさん!!!」
「っ、、!、?」
知らぬ間にキリキリと彼の首を締めていたことに驚き後ずさる。
「はっ、あ、はあ、、すまない、」
「あ~~~、ほんとビックリした。私何かやらかしたかと思いました……。」
人間と違う肉体は首の痣などなかったかのように一瞬で消え、何事もなかったかのようにケロッとした顔を見せるので一息つく。仮にも首を絞めた相手なんだが、その辺りの感性はよく分からない。
「………早速だけど君、お願いがあるんだが。」
「!え、アルノアさんが私に!!もしかしてタイムスリップしちゃいます???大サービスしますよ???」
何か企んでいそうな笑顔で、そしてどことなく嬉しそうな彼は僕の次の言葉を待つ。
「過去に戻りたい。そうだな今から10年くらい前に。」
「ほーーん、なるほどなるほど、完璧人間にもワケアリってやつで………あっ!いえ!深掘りはしませんよ!商売なんで!!!」
「対価は…君の力を少し返してやる。魅力的な提案だと思わないか?」
「ふふ、良いですよ乗りましょう。」
まあ僕が生きている内は人間に悪戯したら力が減っていく呪い仕様なので返すくらい然程問題ない。もちろんそのことは黙っておくが。
「いやぁぁぁぁぁぁ!!!!」
どこから声を出しているのか知らないが、女のように甲高い声で悲鳴をあげると、布団にくるまって出てこなくなった。
「やめて!まだ悪いことしてないから!!!あっ、違う今後も悪いことしないから!!ほんと!ほんとだからァ!」
「いや、僕何も言ってねえからな。」
ここで疑問に思う方もいるだろうから説明しよう!
僕アルノアは魔王は討伐していない。うーん別に倒せないほど弱いわけじゃないけど、こいつらにも物語があり、家族がいる。会ってそう判断したから弱体化させてどこにでもいる魔物にした。まあ見目は変えられなかったので鬱陶しいくらいの美男子ってやつだ。
とにかく正確には魔王という存在は倒したが、一般魔物になってしまったこいつまでは倒していない。
「それで時の魔女?だっけ。なんでやってんの。」
「うっ、それは、お金稼ぎに決まってるでしょう。もちろん人間に迷惑はかけてませんよ。」
「魔女の名が村で広まってたがな。」
「はへ!?」
魔王の次はポンコツ魔女か……と遠い目で思いつつ、元魔王はブツブツと「あんにゃろう!」とブチギレている。本当にこいつが犯人ではなさそうだ。
「まあいい。とりあえず仕事内容詳しく吐け。」
「うえっ!?あ、えっと、過去に帰りたい同胞にタイムスリップさせて人生のやり直しをさせてるんです!まあ未来をかえるほどの影響力はないですけどね。」
「ほう。」
「例えば食べてしまったケーキをもう一度食べたい!だとかもう会えない家族に会いたい!だとかーーーー」
「故人に会えるというのか…?」
他にもペラペラと話し続ける彼の言葉は全く耳に入らず、ただ「会える」その単語だけがうるさいくらいに反芻する。
もう諦めがついていたと思っていたのに心は全くそうではなくて、手脚が覚えのある不規則さで震え始める。頭の中は『ロノ』という文字で埋め尽くされ、キーンと耳鳴りがするくらいに彼の言葉が脳内再生される、あ、やば
「~~~!!アルっ!ノア!!アルノアさん!!!」
「っ、、!、?」
知らぬ間にキリキリと彼の首を締めていたことに驚き後ずさる。
「はっ、あ、はあ、、すまない、」
「あ~~~、ほんとビックリした。私何かやらかしたかと思いました……。」
人間と違う肉体は首の痣などなかったかのように一瞬で消え、何事もなかったかのようにケロッとした顔を見せるので一息つく。仮にも首を絞めた相手なんだが、その辺りの感性はよく分からない。
「………早速だけど君、お願いがあるんだが。」
「!え、アルノアさんが私に!!もしかしてタイムスリップしちゃいます???大サービスしますよ???」
何か企んでいそうな笑顔で、そしてどことなく嬉しそうな彼は僕の次の言葉を待つ。
「過去に戻りたい。そうだな今から10年くらい前に。」
「ほーーん、なるほどなるほど、完璧人間にもワケアリってやつで………あっ!いえ!深掘りはしませんよ!商売なんで!!!」
「対価は…君の力を少し返してやる。魅力的な提案だと思わないか?」
「ふふ、良いですよ乗りましょう。」
まあ僕が生きている内は人間に悪戯したら力が減っていく呪い仕様なので返すくらい然程問題ない。もちろんそのことは黙っておくが。
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