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番外編ストーリー要素強めなR-18
38 なんでもない日が1番いい
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「レオナルド様!」
「レオ!」
僕が帰ってきた途端クリスが飛びついてきた。安定するまではあまり走ったりするのは良くないと言われているが、止める間もなかったのだから仕方がない。
「おめでとうクリス、そしてありがとう。」
「レオナルド様、クリス様改めましておめでとうございます!」
「っ、ありがとうございます。」
今にも走り出しそうなくらい興奮している彼をどうどうと落ち着かせながら椅子に座らせた。
「体調はどう?」
「全く問題ありません。ですから今まで休みを頂いていた分の書類を少し回し…」
「先程まで気分が優れなかったみたいですが、今は落ち着いてるようです。」
「ちょっと!ポチさん!!」
「…ほう。」
誤魔化そうとするクリスにすかさず間に入ったポチはストッパーとして案外いいのかもしれない。居ないと普通に無理をしてしまいそうだから。
「実はここに来れたのも臣下たちのおかげなんだよね。一日休みもらっちゃった。」
「……ああ!私あの人たち優しくて好きです。この前、業務外ですが色々と手伝ってくれました。」
「!……それは褒美をやらなければな。」
これからも僕の味方であろう彼らはたとえ下心があったとしても親切にしてくれるなら残しておいた方がいい。
「………わ、私、」
「ど、どうした!」
突然顔を色を変えて俯いたクリスにポチと2人で慌てる。一応親としては初心者なので何が起こったのか分かっていない。
「!あっ、今は体調が悪いわけではなく、ただ………」
「…ただ?」
「今更ですが、お腹に子供がいるなんて想像が出来なくて…でもとても嬉しいです。」
「!」
言い切る前にポロポロと泣き始めたクリスにつられて僕まで泣きそうになるが永久機関が完成しそうなので我慢する。
そう言えば、ここに来るまで本当に色々なことがあった。僕の奮闘は些細かもしれないくらいクリスだって苦しいことが多くあったに違いない。
「僕は父親にクリスとポチは母親になるんだよね?」
「っ、はい。」
「…私も混ぜてもらっていいのですか?」
「そりゃあもちろん!…………それにずっと言いたかったことだけど、僕だって完璧じゃないからこれから先、失敗があるかもしれない。だけどその分子供を含めて、たくさん3人を愛するし大切にする。城に何かあっても3人だけは絶対に守る………だからそれまで一緒に居てくれますか?」
僕が今まで伝えれてなかったものが流れるように口から溢れる。実質プロポーズみたいなものだった。クリスとポチは瞬きしながら目を合わせると、ふふっと笑っている。
「愚問ですね。」「むしろこちらが離さないというか。」
「私たちが貴方のことをどれだけ愛してると思ってるのですか?」「完璧に見えて抜けてる所があるのはもうとっくに知っていますよ。でもそこが庇護欲が唆られるというか。」
「んー、あれ?もしかして僕が守られちゃう立場?」
「そうですね。私たち強いですから。」
「おっと、それは頼もしすぎるなあ。」
「………でもレオに守られるのも悪くないですね。」「それは確かに。」
クリスはお腹に気を遣いながら2人で僕に乗り上げて甘えてきた。なんともむず痒くて微笑ましい。
「どうぞ、これからも私たちをよろしくお願いしますね!」
「ははっ、喜んで。」
2人の手の甲にキスをしてやればそれはそれは嬉しそうに頬を染めていた。
「レオ!」
僕が帰ってきた途端クリスが飛びついてきた。安定するまではあまり走ったりするのは良くないと言われているが、止める間もなかったのだから仕方がない。
「おめでとうクリス、そしてありがとう。」
「レオナルド様、クリス様改めましておめでとうございます!」
「っ、ありがとうございます。」
今にも走り出しそうなくらい興奮している彼をどうどうと落ち着かせながら椅子に座らせた。
「体調はどう?」
「全く問題ありません。ですから今まで休みを頂いていた分の書類を少し回し…」
「先程まで気分が優れなかったみたいですが、今は落ち着いてるようです。」
「ちょっと!ポチさん!!」
「…ほう。」
誤魔化そうとするクリスにすかさず間に入ったポチはストッパーとして案外いいのかもしれない。居ないと普通に無理をしてしまいそうだから。
「実はここに来れたのも臣下たちのおかげなんだよね。一日休みもらっちゃった。」
「……ああ!私あの人たち優しくて好きです。この前、業務外ですが色々と手伝ってくれました。」
「!……それは褒美をやらなければな。」
これからも僕の味方であろう彼らはたとえ下心があったとしても親切にしてくれるなら残しておいた方がいい。
「………わ、私、」
「ど、どうした!」
突然顔を色を変えて俯いたクリスにポチと2人で慌てる。一応親としては初心者なので何が起こったのか分かっていない。
「!あっ、今は体調が悪いわけではなく、ただ………」
「…ただ?」
「今更ですが、お腹に子供がいるなんて想像が出来なくて…でもとても嬉しいです。」
「!」
言い切る前にポロポロと泣き始めたクリスにつられて僕まで泣きそうになるが永久機関が完成しそうなので我慢する。
そう言えば、ここに来るまで本当に色々なことがあった。僕の奮闘は些細かもしれないくらいクリスだって苦しいことが多くあったに違いない。
「僕は父親にクリスとポチは母親になるんだよね?」
「っ、はい。」
「…私も混ぜてもらっていいのですか?」
「そりゃあもちろん!…………それにずっと言いたかったことだけど、僕だって完璧じゃないからこれから先、失敗があるかもしれない。だけどその分子供を含めて、たくさん3人を愛するし大切にする。城に何かあっても3人だけは絶対に守る………だからそれまで一緒に居てくれますか?」
僕が今まで伝えれてなかったものが流れるように口から溢れる。実質プロポーズみたいなものだった。クリスとポチは瞬きしながら目を合わせると、ふふっと笑っている。
「愚問ですね。」「むしろこちらが離さないというか。」
「私たちが貴方のことをどれだけ愛してると思ってるのですか?」「完璧に見えて抜けてる所があるのはもうとっくに知っていますよ。でもそこが庇護欲が唆られるというか。」
「んー、あれ?もしかして僕が守られちゃう立場?」
「そうですね。私たち強いですから。」
「おっと、それは頼もしすぎるなあ。」
「………でもレオに守られるのも悪くないですね。」「それは確かに。」
クリスはお腹に気を遣いながら2人で僕に乗り上げて甘えてきた。なんともむず痒くて微笑ましい。
「どうぞ、これからも私たちをよろしくお願いしますね!」
「ははっ、喜んで。」
2人の手の甲にキスをしてやればそれはそれは嬉しそうに頬を染めていた。
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