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番外編ストーリー要素強めなR-18

33 愛しくて、優しい2人と僕

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一応ひと呼吸おいて心を落ち着かせる。そして

「僕の妻としての立場を得てるクリスもポチもどちらも大切なんだ………尚且つどちらも愛するなんて卑怯かなって」

僕の告白に2人は大きく目を見開かせる。短い沈黙だったが、自分にとってはとても長く感じてしまい目を合わせられなかった。

「………な、こと………」
「?」
「何だそんなことですか。」
「ふぅ、緊張しました。」
「!?」

一緒に悩んで損した。とクリスもポチも一息つく。思ってもみない返しに今度は逆に僕が驚きに目を大きく開くことになった。

「…2人はそれ嫌じゃないの?どっちがいいかハッキリして欲しいとか…」
「ポチはもう身内みたいなものですし、平等にしてくれる方が気持ちは楽だったりします。」
「…それに私は一応腹違いとはいえレオナルド様と血が繋がってますから子供は作れませんけど、クリス様とのお子を一緒に育てたいと思ってしまうくらいには今の立場だけで満足してます。」
「え!そうなのですか!」

クリスはパァと顔を明るくさせ、未来の子供の第二の母親宣言に感動して手を握っていた。そして「私が頑張らないといけませんね……」と不安気な顔もしている。次の発情期は上手くいくか悩んでいるのだろう。

「後継者なんてそれこそ未来の話だし、別にヤンみたいに養子か親戚でもいいんだけどね。」
「!そ、それはだめですよ。」
「クリスは真面目だなあ。」

くすくすと笑えばそれこそ真面目な彼はちょっと怒った顔で抗議してきた。本心は僕の代でこの国終わってもいいかななんてことも考えたりする。もちろん民が困るだろうからそんなことしないが。

「ッ!レオナルド殿下!!そこにいらっしゃったのですね、っはあ、ぜー、ぜー、ッ」
「おや、見つかったか。」
「見つかったかじゃありませんよ!!!!」

せっかく探しにきてくれた顔馴染みの部下だけ帰らすのも可哀想なので席を立つ。長居しすぎたみたいだ。

「…2人そう言ってくれてありがとう、気が楽になっちゃった。」
「私たちも安心しましたので良かったです。」
「平等に大切にしてくださると聞けたことですしね。」 

また2人の世界に入りつつあるので、軽く手を振ってから踵を返す。この世界の一夫多妻の文化であるせいかもしれないが、それだけでなくクリスもポチも心が広いのだろう。僕がその立場だったら、嫉妬で塗れるかもしれないことは想像に容易い。

「………同意を得ちゃったな…いいのか…もう。」

レーナも妻たちもそれが良いと言ってくれた。それだけで心は嘘のように軽くなった。本当に良い人に巡り会えたようだ。
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感想 17

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