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番外編ストーリー要素強めなR-18
32 早すぎだろ。
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あれから数週間後、ヤンは本格的に引越しが決まった。
「アーーー!!!レオナルドサマァ嫌デス!!離れたくないデス!!!」
「…………。」
「相変わらずレオにはすごいですね。」
「はあ………その通りですよ全く……。」
最初は引き剥がそうと必死だったが、どこにその体力があるのか朝から腰に抱きつかれたまま離れようとしなくて、仕方なく今は引きずったまま歩いている。僕だって暇ではないので。
「ほら、約束の時間までに行かないと失礼だろう。」
「うっ、うう………」
「寂しくなるのでまた会いに来てくださいね。」
「…さっさと行ってこい。」
3人それぞれ自分なりの言葉で見送りをする。身内のようだった。
それでも駄々をこねる彼を使いのモノが強制的に引きずって行ったのでみんなで笑ってしまった。…しかし騒がしいやつがいなくなるとちょっぴり寂しいものである。
「向こうでも元気でいてくれたら嬉しいです。でもここに来る機会は多いでしょうから然程悲しくありませんね。」
「……彼、すぐにでも来そうな勢いでしたがね…。」
としばらくその話題でつきっきりだったが、次の日に我慢できなくて会いに来るなんて流石にこの時の3人は夢にも思わなかった。
「レオ?」
「レオナルド様?」
食事もいいところに僕が休憩がてら立派で広大な庭園を散歩していたところ、そこにはクリスとポチが座っていた。
「!?どうしてここに?」
「今日は2人でお茶しようと約束してたんです。男会ってやつですかね?」
僕も男、いやこの世全員男だろうというツッコミは置いておいて、女子会的なあれをしているらしく、完全に僕はお邪魔だった。
「レオも入ります?」
「いや遠慮しておくよ。今は息抜きしてるだけでこの後予定が詰まってるんだ。」
「そうなんですね!足をとめてしまいすみません。」
「気にしなくていいよ。まだもぎ取った時間はあるし。」
そう言い残し去ろうとした僕を「あ、やっぱり待ってください!」と2人が呼び止めた。
「実は丁度レオについて話してたんです。」
「……僕?」
「私が側室になってから何か悩み事があるように思われて……」
「!」
正直驚いた。僕は心の中では騒がしいが、王子様補正というものがあるのか知らないがポーカーフェイスで第一印象は『何を考えているかわからない』らしい。そんなつもりはないが。
そんな僕が悩んでいるように見える………?
………まあ思い当たるのは一つあるにはある。僕が色々励まされつつもいまだに2人を愛していいのかハッキリせず、のらりくらりと躱していたのが2人の目には何か映ったのだろうか。女は鋭いらしい。性別は違くても何か共通するものでも持っているのか…。
「んー、悩みなんてないよ?少し疲れてたのかな。気を遣ってくれてありが」
「嘘ですね。」
言葉を遮ってまでも強く否定したクリスは全てを見透かしたような目で見つめてくるので、思わず目を逸らす。
「少し考える素振りをする時は図星なんですよ?知ってましたか?」
「………知らなかった。」
「この際言ってしまった方が気持ちは楽だと思うんです。何か粗相をしてしまったのでしたら直したいです。」
「そうです。それにどんなことでも受け止めますから!」
クリスとポチは自分のことに関わっているとなると気になってしまうらしく、グイグイと迫ってくる。たまに強引になるのが2人は似てるなと思いつつ現実逃避したい。あんまり言いたくもないが………言ってしまえば簡単にスッキリするのでは?とも頭によぎった。
「アーーー!!!レオナルドサマァ嫌デス!!離れたくないデス!!!」
「…………。」
「相変わらずレオにはすごいですね。」
「はあ………その通りですよ全く……。」
最初は引き剥がそうと必死だったが、どこにその体力があるのか朝から腰に抱きつかれたまま離れようとしなくて、仕方なく今は引きずったまま歩いている。僕だって暇ではないので。
「ほら、約束の時間までに行かないと失礼だろう。」
「うっ、うう………」
「寂しくなるのでまた会いに来てくださいね。」
「…さっさと行ってこい。」
3人それぞれ自分なりの言葉で見送りをする。身内のようだった。
それでも駄々をこねる彼を使いのモノが強制的に引きずって行ったのでみんなで笑ってしまった。…しかし騒がしいやつがいなくなるとちょっぴり寂しいものである。
「向こうでも元気でいてくれたら嬉しいです。でもここに来る機会は多いでしょうから然程悲しくありませんね。」
「……彼、すぐにでも来そうな勢いでしたがね…。」
としばらくその話題でつきっきりだったが、次の日に我慢できなくて会いに来るなんて流石にこの時の3人は夢にも思わなかった。
「レオ?」
「レオナルド様?」
食事もいいところに僕が休憩がてら立派で広大な庭園を散歩していたところ、そこにはクリスとポチが座っていた。
「!?どうしてここに?」
「今日は2人でお茶しようと約束してたんです。男会ってやつですかね?」
僕も男、いやこの世全員男だろうというツッコミは置いておいて、女子会的なあれをしているらしく、完全に僕はお邪魔だった。
「レオも入ります?」
「いや遠慮しておくよ。今は息抜きしてるだけでこの後予定が詰まってるんだ。」
「そうなんですね!足をとめてしまいすみません。」
「気にしなくていいよ。まだもぎ取った時間はあるし。」
そう言い残し去ろうとした僕を「あ、やっぱり待ってください!」と2人が呼び止めた。
「実は丁度レオについて話してたんです。」
「……僕?」
「私が側室になってから何か悩み事があるように思われて……」
「!」
正直驚いた。僕は心の中では騒がしいが、王子様補正というものがあるのか知らないがポーカーフェイスで第一印象は『何を考えているかわからない』らしい。そんなつもりはないが。
そんな僕が悩んでいるように見える………?
………まあ思い当たるのは一つあるにはある。僕が色々励まされつつもいまだに2人を愛していいのかハッキリせず、のらりくらりと躱していたのが2人の目には何か映ったのだろうか。女は鋭いらしい。性別は違くても何か共通するものでも持っているのか…。
「んー、悩みなんてないよ?少し疲れてたのかな。気を遣ってくれてありが」
「嘘ですね。」
言葉を遮ってまでも強く否定したクリスは全てを見透かしたような目で見つめてくるので、思わず目を逸らす。
「少し考える素振りをする時は図星なんですよ?知ってましたか?」
「………知らなかった。」
「この際言ってしまった方が気持ちは楽だと思うんです。何か粗相をしてしまったのでしたら直したいです。」
「そうです。それにどんなことでも受け止めますから!」
クリスとポチは自分のことに関わっているとなると気になってしまうらしく、グイグイと迫ってくる。たまに強引になるのが2人は似てるなと思いつつ現実逃避したい。あんまり言いたくもないが………言ってしまえば簡単にスッキリするのでは?とも頭によぎった。
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西条ネア
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