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番外編ストーリー要素強めなR-18
31 そういや忘れてたな。
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「レオナルドサマァ!!!」
「!」
懐かしいといったらアレだけど久しい声が聞こえてきたと同時に飛びついてきた。
「…一応人の目もあるんだからさヤン、飛びつくのはちょっと…」
「今は誰もいません!もうすぐあそこの角から人が曲がってくるでしょうけど!」
ワザと大きな声でその人物に聞こえるように言ったヤンに、ヒエっと変な声を出して消えて行った。
「はあ。……久しぶりだね。そういや今までまた何してたの。」
「オレ宰相の養子になることになったんです!だからベンキョーしてましタ!」
「ふーん、………へ!?」
驚いている僕にしてやったりと笑う彼は胸を張って自慢げにする。…そりゃそうか、元王子からの身分のない商人、(それでも上手くいってたけど)その次は貴族の立場になるのだ。
あそこは後継者がいないことで有名だったが、まさかヤンが選ばれるとは。
まあ確かに彼が王子の時代は人間兵器としてあまり教養を受けてなかった割に、学園時代もノー勉で学年上位をキープし剣術の腕も悪くない、むしろ教えてもらったことさえある。さらには容姿もアジア風で一目惚れしましたと声をかけられそうなくらいには…………あれ?めちゃくちゃハイスペックなのでは?
しまった、Mの一面が強すぎて素晴らしい人材ということを忘れていた。それを現宰相は遠目からでも見抜いたのだろう、さすが父上の右腕なだけある。
「それでオレここから出て、向こうの領土でお世話になることになったんデス……つまりもうレオナルド様にお会いできないのデス!!!」
ギャーーと抱きついてきそうになった彼を引き剥がし、「そう。」と相槌をうつ。「反応薄すぎませんカ!?」と抗議の声が聞こえたが無視だ。だって死ぬわけじゃないし会う機会は全然あるだろうからあまり寂しくない。…………というかカルデア家すぐ隣だし、魔道具くらいで転移できる範囲だ、大袈裟すぎる。
「そっそんなア!レオナルドサマ!!!!オレは寂しいデス!!!!迷惑かけたくないから相応しい身分を手にしたのにあんまりデス!!!!………………でもそこがスキッッッ!!!」
びしょびしょに泣いたと思ったら急にニタリと不敵に笑い始めた。ちょっと酷かったかなと思った0.5秒前の過去の自分を殴りたい。完全に不必要な施しだった。
「でも今までオレ殿下に尽くしてきましたヨネ!!これからも立場をもっていっぱい尽くしますケド、最後にご褒美欲しいデス………あ、別に本当の意味の最後じゃないデスヨ!商人としての功績としてご褒美が欲しいです♡」
へたりと座り込み、妄想に入り出した彼にもう僕は映っていない。
「ええ…………今のうちに置いて行ってもいいかな?まじで。」
思考が完全に別世界にイッていたはずの彼は僕がこぼした発言が耳に入ると、逃がさないと言わんばかりに足首を掴んできた。終わったと思うと同時にこいつの顔面が一種のホラーである。
「!」
懐かしいといったらアレだけど久しい声が聞こえてきたと同時に飛びついてきた。
「…一応人の目もあるんだからさヤン、飛びつくのはちょっと…」
「今は誰もいません!もうすぐあそこの角から人が曲がってくるでしょうけど!」
ワザと大きな声でその人物に聞こえるように言ったヤンに、ヒエっと変な声を出して消えて行った。
「はあ。……久しぶりだね。そういや今までまた何してたの。」
「オレ宰相の養子になることになったんです!だからベンキョーしてましタ!」
「ふーん、………へ!?」
驚いている僕にしてやったりと笑う彼は胸を張って自慢げにする。…そりゃそうか、元王子からの身分のない商人、(それでも上手くいってたけど)その次は貴族の立場になるのだ。
あそこは後継者がいないことで有名だったが、まさかヤンが選ばれるとは。
まあ確かに彼が王子の時代は人間兵器としてあまり教養を受けてなかった割に、学園時代もノー勉で学年上位をキープし剣術の腕も悪くない、むしろ教えてもらったことさえある。さらには容姿もアジア風で一目惚れしましたと声をかけられそうなくらいには…………あれ?めちゃくちゃハイスペックなのでは?
しまった、Mの一面が強すぎて素晴らしい人材ということを忘れていた。それを現宰相は遠目からでも見抜いたのだろう、さすが父上の右腕なだけある。
「それでオレここから出て、向こうの領土でお世話になることになったんデス……つまりもうレオナルド様にお会いできないのデス!!!」
ギャーーと抱きついてきそうになった彼を引き剥がし、「そう。」と相槌をうつ。「反応薄すぎませんカ!?」と抗議の声が聞こえたが無視だ。だって死ぬわけじゃないし会う機会は全然あるだろうからあまり寂しくない。…………というかカルデア家すぐ隣だし、魔道具くらいで転移できる範囲だ、大袈裟すぎる。
「そっそんなア!レオナルドサマ!!!!オレは寂しいデス!!!!迷惑かけたくないから相応しい身分を手にしたのにあんまりデス!!!!………………でもそこがスキッッッ!!!」
びしょびしょに泣いたと思ったら急にニタリと不敵に笑い始めた。ちょっと酷かったかなと思った0.5秒前の過去の自分を殴りたい。完全に不必要な施しだった。
「でも今までオレ殿下に尽くしてきましたヨネ!!これからも立場をもっていっぱい尽くしますケド、最後にご褒美欲しいデス………あ、別に本当の意味の最後じゃないデスヨ!商人としての功績としてご褒美が欲しいです♡」
へたりと座り込み、妄想に入り出した彼にもう僕は映っていない。
「ええ…………今のうちに置いて行ってもいいかな?まじで。」
思考が完全に別世界にイッていたはずの彼は僕がこぼした発言が耳に入ると、逃がさないと言わんばかりに足首を掴んできた。終わったと思うと同時にこいつの顔面が一種のホラーである。
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