85 / 117
番外編ストーリー要素強めなR-18
19 カルチャーショック!
しおりを挟む
「レオ!ポチさんを側室にどうですか?」
あれから数日が過ぎた。
全てを終わらせ城に帰宅後、クリスから大事な話があると言われており、あらかた予想はついていたが………
「…彼はベータじゃないか。」
「それは少々殿下の協力を仰ぐことになりますが…。大したことはありません。ね、ポチさん。」
「はい…実は私人間味が濃くて誰にも気が付かれませんでしたが、エルフとハーフなので性別を変えることができます。」
「!?」
「もちろん本質は変わらないのでベータのままなのですが、擬似的にフェロモンなど出すことは可能です。」
側室云々よりも爆弾な話に眩暈がする。そういや昔読んでた漫画のエルフの村って女性しかいなかったりするよな。なるほどと全ての合点がいった。……まあそういうことにしておこう。
「ポチはそれでいいの?王室に身を売るようなことをして。ここは煌びやかなんかじゃない。」
「はい。クリス様がお許しくださるならその座を私にください。」
「……うーんそうだな。一旦考えさせてもらっていいか?」
なんともないような顔をしているが、正直キャパオーバーだったので2人を置いて冷たい空気を浴びに行く。
側室?エルフ?ポチが?
間違いなくクリスもポチもここの常識しかないからトントンと話が進んだように思う。
だけど僕には前世の記憶というしがらみがある。一夫多妻なんて縁もなかったし、1人を1人が愛すのが当たり前だった時代で過ごした自分が2人も………もしかしたら今後増えるかもしれない。勘弁して欲しいが。
これほど記憶さえなければいいと思ったことはない。
『悩んでるね。』
「!?」
聞き覚えしかない声。間違いなくこれは……
「レーナ!?」
『そんなに驚かないでよ。僕もびっくりするじゃないか。』
「てっきり死んだのかと…。」
『…はは、失礼だな。最近起きたんだよ。』
いつしか学園以来聞こえなくなった声は幻聴じゃなかったのかと疑っていたが、どうやら昔の僕は間違いないらしい。
『で?側室の件だよね。信用ある相手が望むなら作っちゃえばいいのに。』
「かっる!!!」
そうなものなのか?うーん、そんなノリでいいのか?
『君のいた世界は知ってるけど真面目な人たちだよね。僕は好きだよ。…だけどここはまた違う。そう気を追わなくていいんだ。』
「そ、そうかな?」
『それに君、ポチのこと好きだろ?』
「え?」
レーナは鈍いなとケラケラ笑っている。自分の気持ちくらい分かっとけと言わんばかりに。
「そんなことない!クリスが好きだよ?」
『それは僕の感情だから。』
「?」
『クリスのことを愛している僕の魂に君が乗り移ったからそう思ってるだけだよ。本物の魂はポチのことが好きだって。』
何かを触られているような感覚に少々ドキドキする。じゃあクリスのことが好きなのは嘘ってことになるのか?今までやってきたことは………
『それは違う。クリスのことを好きな君も本物だ。もうすぐ魂は一つになる。僕の意識が消える分2人とも愛してあげて欲しいんだ。今日はそれを言いにきた。』
「何、消えるの?」
『そう悲しそうな顔をしないでよ。元々魔族とそういう契約だ。上手くいったら生をあげるとね。肉体は向こうが保管してるし。』
見えないはずの彼が笑って肩を叩いてる様が想像つく。なぜかわからないけど。
『ほら、早く戻らないと夜は冷えるてしまうよ。』
「…ありがとうレーナ。」
『ふふ、どういたしまして。』
少し元気をもらい立ち上がる。もう話しかけても声は聞こえなくなった。
あれから数日が過ぎた。
全てを終わらせ城に帰宅後、クリスから大事な話があると言われており、あらかた予想はついていたが………
「…彼はベータじゃないか。」
「それは少々殿下の協力を仰ぐことになりますが…。大したことはありません。ね、ポチさん。」
「はい…実は私人間味が濃くて誰にも気が付かれませんでしたが、エルフとハーフなので性別を変えることができます。」
「!?」
「もちろん本質は変わらないのでベータのままなのですが、擬似的にフェロモンなど出すことは可能です。」
側室云々よりも爆弾な話に眩暈がする。そういや昔読んでた漫画のエルフの村って女性しかいなかったりするよな。なるほどと全ての合点がいった。……まあそういうことにしておこう。
「ポチはそれでいいの?王室に身を売るようなことをして。ここは煌びやかなんかじゃない。」
「はい。クリス様がお許しくださるならその座を私にください。」
「……うーんそうだな。一旦考えさせてもらっていいか?」
なんともないような顔をしているが、正直キャパオーバーだったので2人を置いて冷たい空気を浴びに行く。
側室?エルフ?ポチが?
間違いなくクリスもポチもここの常識しかないからトントンと話が進んだように思う。
だけど僕には前世の記憶というしがらみがある。一夫多妻なんて縁もなかったし、1人を1人が愛すのが当たり前だった時代で過ごした自分が2人も………もしかしたら今後増えるかもしれない。勘弁して欲しいが。
これほど記憶さえなければいいと思ったことはない。
『悩んでるね。』
「!?」
聞き覚えしかない声。間違いなくこれは……
「レーナ!?」
『そんなに驚かないでよ。僕もびっくりするじゃないか。』
「てっきり死んだのかと…。」
『…はは、失礼だな。最近起きたんだよ。』
いつしか学園以来聞こえなくなった声は幻聴じゃなかったのかと疑っていたが、どうやら昔の僕は間違いないらしい。
『で?側室の件だよね。信用ある相手が望むなら作っちゃえばいいのに。』
「かっる!!!」
そうなものなのか?うーん、そんなノリでいいのか?
『君のいた世界は知ってるけど真面目な人たちだよね。僕は好きだよ。…だけどここはまた違う。そう気を追わなくていいんだ。』
「そ、そうかな?」
『それに君、ポチのこと好きだろ?』
「え?」
レーナは鈍いなとケラケラ笑っている。自分の気持ちくらい分かっとけと言わんばかりに。
「そんなことない!クリスが好きだよ?」
『それは僕の感情だから。』
「?」
『クリスのことを愛している僕の魂に君が乗り移ったからそう思ってるだけだよ。本物の魂はポチのことが好きだって。』
何かを触られているような感覚に少々ドキドキする。じゃあクリスのことが好きなのは嘘ってことになるのか?今までやってきたことは………
『それは違う。クリスのことを好きな君も本物だ。もうすぐ魂は一つになる。僕の意識が消える分2人とも愛してあげて欲しいんだ。今日はそれを言いにきた。』
「何、消えるの?」
『そう悲しそうな顔をしないでよ。元々魔族とそういう契約だ。上手くいったら生をあげるとね。肉体は向こうが保管してるし。』
見えないはずの彼が笑って肩を叩いてる様が想像つく。なぜかわからないけど。
『ほら、早く戻らないと夜は冷えるてしまうよ。』
「…ありがとうレーナ。」
『ふふ、どういたしまして。』
少し元気をもらい立ち上がる。もう話しかけても声は聞こえなくなった。
23
お気に入りに追加
1,010
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ド平凡な俺が全員美形な四兄弟からなぜか愛され…執着されているらしい
パイ生地製作委員会
BL
それぞれ別ベクトルの執着攻め4人×平凡受け
★一言でも感想・質問嬉しいです:https://marshmallow-qa.com/8wk9xo87onpix02?t=dlOeZc&utm_medium=url_text&utm_source=promotion
更新報告用のX(Twitter)をフォローすると作品更新に早く気づけて便利です
X(旧Twitter): https://twitter.com/piedough_bl

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

転生したら同性から性的な目で見られている俺の冒険紀行
蛍
BL
ある日突然トラックに跳ねられ死んだと思ったら知らない森の中にいた神崎満(かんざきみちる)。異世界への暮らしに心踊らされるも同性から言い寄られるばかりで・・・
主人公チートの総受けストリーです。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
【BL】どうやら精霊術師として召喚されたようですが5分でクビになりましたので、最高級クラスの精霊獣と駆け落ちしようと思います。
riy
BL
風呂でまったりしている時に突如異世界へ召喚された千颯(ちはや)。
召喚されたのはいいが、本物の聖女が現れたからもう必要ないと5分も経たない内にお役御免になってしまう。
しかも元の世界へも帰れず、あろう事か風呂のお湯で流されてしまった魔法陣を描ける人物を探して直せと無茶振りされる始末。
別邸へと通されたのはいいが、いかにも出そうな趣のありすぎる館であまりの待遇の悪さに愕然とする。
そんな時に一匹のホワイトタイガーが現れ?
最高級クラスの精霊獣(人型にもなれる)×精霊術師(本人は凡人だと思ってる)
※コメディよりのラブコメ。時にシリアス。
国を救った英雄と一つ屋根の下とか聞いてない!
古森きり
BL
第8回BL小説大賞、奨励賞ありがとうございます!
7/15よりレンタル切り替えとなります。
紙書籍版もよろしくお願いします!
妾の子であり、『Ω型』として生まれてきて風当たりが強く、居心地の悪い思いをして生きてきた第五王子のシオン。
成人年齢である十八歳の誕生日に王位継承権を破棄して、王都で念願の冒険者酒場宿を開店させた!
これからはお城に呼び出されていびられる事もない、幸せな生活が待っている……はずだった。
「なんで国の英雄と一緒に酒場宿をやらなきゃいけないの!」
「それはもちろん『Ω型』のシオン様お一人で生活出来るはずもない、と国王陛下よりお世話を仰せつかったからです」
「んもおおおっ!」
どうなる、俺の一人暮らし!
いや、従業員もいるから元々一人暮らしじゃないけど!
※読み直しナッシング書き溜め。
※飛び飛びで書いてるから矛盾点とか出ても見逃して欲しい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる