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番外編ストーリー要素強めなR-18
18【クリス・イグリエ視点】逆手の法則
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「急遽呼び出してごめんなさいね。」
「いえ、嬉しいです。」
お茶会には私以外にも呼ばれていたが、どれも顔ぶれが知らないので取り巻きに近いのだろう。
「そちらの方は?」
「護衛です。皆さんの安全を保証します。」
ポチさんには念の為変装魔法と魔導具を使用し、今は別人のような外見をしている。私の計画ではもしかしたらポチさんが側室の座を手に入れるかもしれないのだ。今顔を見せるのは都合が悪い。
「ただのお茶会ですのに……ねえ?」
『体裁が良くありませんよ?』
周りは全く敵意を隠そうともしない。なんと居心地の悪い。
「レオナルド様が何かあってはいけないとつけて下さったので。」
「あら、そうなのです?でしたら安心ですね。」
名前を出した途端人が変わったかのように肯定してくる様を見るに、今回とことん私を貶めてくるのか。それとも…
「一週間ほど流行病で伏せていたとお聞きしましたが体調はいかがです?」
『『流石ラレンド様お優しい。』』
チラッとポチの表情を伺うと、わかりやすすぎる彼は下を向きながらパーツが入れ替わるのではというくらい変な顔をしていた。……側室にするのならもう少し教養が必要かもしれない。
「この場にお邪魔するくらいには元気です。お見舞いにも来てくださろうとしていたことは存じていますよ。みなさんが仰られる通りラレンド様は素晴らしい方ですね。」
『そうなのですよ!』『良い着眼点ですね!』
逆に取り巻きを利用してラレンド様を褒めちぎることにする。隙があれば持ち上げたい彼らのことだから操るのは簡単だ。
本当にみんなが思ってるのか知らないが、ラレンドが作り上げてきた人像は「優しさ」というブランドがある。それを利用すれば、今この褒めちぎられてる状況に彼が怒り狂えるはずもなく……。
「ふふっ、ああでもみなさんその辺に……」
「お恥ずかしながら私はまだまだラレンド様のことに関して無知なのです。皆さん教えてくださる?もちろんいいですよね、ラレンド様?」
「……私のことを知らずに茶会に参加したと言うのですか?」
「なにせ体調が悪かったもので。」
目が全く笑ってない彼ら達にラレンド様というものはなんたるかを語られ、適当に相槌をする。この場の主導権は私が握ったのを確信しながら笑顔で褒め称えた。
気づかれないように様子を伺えば、鬼のような形相をしている彼の姿映る。そんなに剥き出しではみんなにバレてしまうだろうに。
小1時間ほど盛り上がったあと、そろそろ話題も尽きどうしようかなと考えていれば
「失礼しますクリス様。お医者様があまり病み上がりで長居はよろしくないと伝言を預かっています。」
私の従者である彼が耳打ちなどではなく、みんなに聞こえるように言ってくれる。間違いなく助け船だった。むろん自分がそうするよう命じただけだが。
「そんなに経っていたのですか?とても有意義な時間でした。本当はまだ居座りたいのですが残念です。」
『またいらしてくださいね。』『とても楽しかったです。』
「……それもそうね、突然のことに応じてくださりありがとうございました。」
「ええ、こちらこそありがとうございました。」
こうして茶会は事なきを得た。
ーーーーーーー
一方その頃のレオナルド殿下
「落ち着いてください殿下!」
「だっ、だってクリスがあのBBAと茶会だって!?食事の事前準備なんてやってられるか!仕事はクソだ!!!!」
「声が大きいです殿下!!クリス様を信じてあげてください!!」
と報告を受けたレオは1人の部下を(例の腐れ縁従者の前だけだが)困らせていた。
「………….待てよ?そうだよな、クリスは強くて賢いから大丈夫だ。」
「うわーーー!!!急に冷静になるな!!!!!」
まるでコントである。
「いえ、嬉しいです。」
お茶会には私以外にも呼ばれていたが、どれも顔ぶれが知らないので取り巻きに近いのだろう。
「そちらの方は?」
「護衛です。皆さんの安全を保証します。」
ポチさんには念の為変装魔法と魔導具を使用し、今は別人のような外見をしている。私の計画ではもしかしたらポチさんが側室の座を手に入れるかもしれないのだ。今顔を見せるのは都合が悪い。
「ただのお茶会ですのに……ねえ?」
『体裁が良くありませんよ?』
周りは全く敵意を隠そうともしない。なんと居心地の悪い。
「レオナルド様が何かあってはいけないとつけて下さったので。」
「あら、そうなのです?でしたら安心ですね。」
名前を出した途端人が変わったかのように肯定してくる様を見るに、今回とことん私を貶めてくるのか。それとも…
「一週間ほど流行病で伏せていたとお聞きしましたが体調はいかがです?」
『『流石ラレンド様お優しい。』』
チラッとポチの表情を伺うと、わかりやすすぎる彼は下を向きながらパーツが入れ替わるのではというくらい変な顔をしていた。……側室にするのならもう少し教養が必要かもしれない。
「この場にお邪魔するくらいには元気です。お見舞いにも来てくださろうとしていたことは存じていますよ。みなさんが仰られる通りラレンド様は素晴らしい方ですね。」
『そうなのですよ!』『良い着眼点ですね!』
逆に取り巻きを利用してラレンド様を褒めちぎることにする。隙があれば持ち上げたい彼らのことだから操るのは簡単だ。
本当にみんなが思ってるのか知らないが、ラレンドが作り上げてきた人像は「優しさ」というブランドがある。それを利用すれば、今この褒めちぎられてる状況に彼が怒り狂えるはずもなく……。
「ふふっ、ああでもみなさんその辺に……」
「お恥ずかしながら私はまだまだラレンド様のことに関して無知なのです。皆さん教えてくださる?もちろんいいですよね、ラレンド様?」
「……私のことを知らずに茶会に参加したと言うのですか?」
「なにせ体調が悪かったもので。」
目が全く笑ってない彼ら達にラレンド様というものはなんたるかを語られ、適当に相槌をする。この場の主導権は私が握ったのを確信しながら笑顔で褒め称えた。
気づかれないように様子を伺えば、鬼のような形相をしている彼の姿映る。そんなに剥き出しではみんなにバレてしまうだろうに。
小1時間ほど盛り上がったあと、そろそろ話題も尽きどうしようかなと考えていれば
「失礼しますクリス様。お医者様があまり病み上がりで長居はよろしくないと伝言を預かっています。」
私の従者である彼が耳打ちなどではなく、みんなに聞こえるように言ってくれる。間違いなく助け船だった。むろん自分がそうするよう命じただけだが。
「そんなに経っていたのですか?とても有意義な時間でした。本当はまだ居座りたいのですが残念です。」
『またいらしてくださいね。』『とても楽しかったです。』
「……それもそうね、突然のことに応じてくださりありがとうございました。」
「ええ、こちらこそありがとうございました。」
こうして茶会は事なきを得た。
ーーーーーーー
一方その頃のレオナルド殿下
「落ち着いてください殿下!」
「だっ、だってクリスがあのBBAと茶会だって!?食事の事前準備なんてやってられるか!仕事はクソだ!!!!」
「声が大きいです殿下!!クリス様を信じてあげてください!!」
と報告を受けたレオは1人の部下を(例の腐れ縁従者の前だけだが)困らせていた。
「………….待てよ?そうだよな、クリスは強くて賢いから大丈夫だ。」
「うわーーー!!!急に冷静になるな!!!!!」
まるでコントである。
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