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番外編ストーリー要素強めなR-18
15 側室BBA再び!?
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「……お久しぶりです。それで何のようでしょうか。」
「呼びだされてここにいるのです。だからお会いできたのはただの偶然ですよ?」
うふふと悪魔の顔を隠したように怪しく微笑まれる。僕はどうしてもそれが苦手だった。
「左様ですか。なら僕はこれで失礼し」
「発情期にも満足になれない方が未来の王妃だと噂されていますが本当ですか?」
言いかけていた言葉が途絶える。表向きは流行り風邪ということになっているが、ここで完璧に歩くスピーカー達を止める手立てなどあるはずもなく。
「そんなデタラメが回っているのですか?安心してください。普段の頑張りのせいで妻は少々体調を崩しているだけですから。」
「あら、そうですの?わたくしも御見舞に行ってよろしいかしら。」
「いいえ、なりません。貴方様に移ってしまわれたら父上になんと言われるか。」
お互い笑顔だかバチバチと見えない火花が散る。背後には虎と龍がいそうなくらいには。
「そんな必死に隠そうとされなくても。やはりわたくしの言ったとおり、あの方では不出来だと言ったでしょう。」
「………。」
「まあ!そんな怖い顔しないでくださいよ。わたくしが優秀な方を紹介しようとしているだけではありませんか。もちろん側室が義務なのもご存知ですよね?」
ああ、それでこいつが父上から呼び出されたのだと理解する。本来は僕の本当の母が提案することだが、あいも変わらず床に伏せっている。それでよりによって変わりと選ばれたのが………はあ。
「側室は僕が王の座を引き継いでからで十分と昔から言ってるではありませんか。」
「お父上に心配をかける気です?」
ぐぬぬと手に力を込める。だけど正論だからこそ言い返せなかった。
元々臣下達、他の大きな力を持つ貴族からも「早く側室を作れ」という催促が絶えなかった。
大体は婚約者と結婚した後、恋人ともすぐ結婚してしまうので、側室を作る時期は明確には決まっていないが、暗黙の了解で『結婚後すぐに』というものが多い。
だが例外として僕はクリスが好きになってしまった。レーナの感情が入ってる込みとしても。
そして現在、そろそろ来るであろう発情期あたりで流行り風邪。勘のいい人間なら気がついているはずだ。
「殿下、ラレンド様、お話中失礼します。」
そう間に入ってきたのは水を入れ替えに行ってくれていたはずのポチだった。しかし手にはオケはもっていない。
「至急お伝えしたいことが。」
「そうか…それは行かなくてはな。……ではまた後ほど。」
「………。」
ポチが助け船を出してくれたのでガッツポーズを心の中でとる。優秀な護衛かつ右腕として育ったものだ。
「呼びだされてここにいるのです。だからお会いできたのはただの偶然ですよ?」
うふふと悪魔の顔を隠したように怪しく微笑まれる。僕はどうしてもそれが苦手だった。
「左様ですか。なら僕はこれで失礼し」
「発情期にも満足になれない方が未来の王妃だと噂されていますが本当ですか?」
言いかけていた言葉が途絶える。表向きは流行り風邪ということになっているが、ここで完璧に歩くスピーカー達を止める手立てなどあるはずもなく。
「そんなデタラメが回っているのですか?安心してください。普段の頑張りのせいで妻は少々体調を崩しているだけですから。」
「あら、そうですの?わたくしも御見舞に行ってよろしいかしら。」
「いいえ、なりません。貴方様に移ってしまわれたら父上になんと言われるか。」
お互い笑顔だかバチバチと見えない火花が散る。背後には虎と龍がいそうなくらいには。
「そんな必死に隠そうとされなくても。やはりわたくしの言ったとおり、あの方では不出来だと言ったでしょう。」
「………。」
「まあ!そんな怖い顔しないでくださいよ。わたくしが優秀な方を紹介しようとしているだけではありませんか。もちろん側室が義務なのもご存知ですよね?」
ああ、それでこいつが父上から呼び出されたのだと理解する。本来は僕の本当の母が提案することだが、あいも変わらず床に伏せっている。それでよりによって変わりと選ばれたのが………はあ。
「側室は僕が王の座を引き継いでからで十分と昔から言ってるではありませんか。」
「お父上に心配をかける気です?」
ぐぬぬと手に力を込める。だけど正論だからこそ言い返せなかった。
元々臣下達、他の大きな力を持つ貴族からも「早く側室を作れ」という催促が絶えなかった。
大体は婚約者と結婚した後、恋人ともすぐ結婚してしまうので、側室を作る時期は明確には決まっていないが、暗黙の了解で『結婚後すぐに』というものが多い。
だが例外として僕はクリスが好きになってしまった。レーナの感情が入ってる込みとしても。
そして現在、そろそろ来るであろう発情期あたりで流行り風邪。勘のいい人間なら気がついているはずだ。
「殿下、ラレンド様、お話中失礼します。」
そう間に入ってきたのは水を入れ替えに行ってくれていたはずのポチだった。しかし手にはオケはもっていない。
「至急お伝えしたいことが。」
「そうか…それは行かなくてはな。……ではまた後ほど。」
「………。」
ポチが助け船を出してくれたのでガッツポーズを心の中でとる。優秀な護衛かつ右腕として育ったものだ。
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