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番外編ストーリー要素強めなR-18
1 初夜の不安 レオ×クリス
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結婚式が終わり、街ではお祭り開かれていたがそれも閉じたであろう時間。午前の出来事が嘘かのように辺りは静まり返っていた。
僕は普段より遅めの時間から身を清めている。何故なら今夜は初夜にあたるらしい。
今から心臓が嫌な音を立てて跳ねており、これ大丈夫か?童貞ってやばくねえかと悶々としていた。
ファーストキスを一年前にして、あれから会えてないのだから当たり前だけど進展はなし。これからクリスはここで過ごすのだから会える時間は増えるし、もっとナチュラルにあんなことやこんなことができると思う。もちろんそれは嬉しい限りだ。
だけどそれを手に入れるためにはまずは乗り越えないといけない壁というのがありまして……今晩で番にならなければいけないのだ……。
頸を噛む。営みの知識は幼い頃に入れられたので、そこは安心してもらっていい。ただ、聞いた話によると僕のような者は理性を無くして噛み付く場合が多く、いくら噛みつかれてもいいように出来ているオメガでも、痛々しい傷を残す可能性があるのは躊躇った。
「大丈夫かなあ…。」
正直不安でしかない。ある程度フェロモンに慣らせているとはいえ、クリスのフェロモンに耐えられるだろうか。魔法で抑えているようなので、なにぶん嗅いだことはないので分からない。
「クリス様がお待ちです。」
女のように髪に油を塗られたり、香水をかけられたりなど侍女にされたい放題にしている間、従者が入ってきてそう言った。
よくよく考えたら初めてを廊下などに警備が控えている中で行ってしまうなど、一体なんていう公開処刑だろう。……考えるのはやめた。だって動けなくなりそうだから。
「殿下、そう緊張なさらないでください!」
グッと馴れ馴れしく親指を立てるのは小さい頃から僕の専属従者であるやつだった。あいつ……絶対面白がってるな。
「入るよ?」
「…はい、どうぞ。」
部屋は薄暗く、雰囲気は完璧でどうぞヤってくださいと言わんばかりの空気に僕は固まった。頑張って手足を動かしているがぎこちなさすぎる。
「お水飲まれますか?」
「あー、確かに喉乾いてたかも。」
一応風呂上がりなので水が欲しかったのを思い出す。緊張ですっかり忘れていた。
クリスから器を受け取って喉を潤す、先ほどから僕を凝視するのでちょっと飲みづらかった。
「ん、ありがとう。…それじゃベッドに行こうか?」
「はい、」
クリスの方がガチゴチに表情が堅いので、逆にゆとりができる。押し倒すのもお互い自滅しそうなので、とりあえずベッドに腰掛けるように隣に座らせた。
「何、緊張してるの?」
「でん……レオはそんなことないんですか?」
「まさか。ほら、触ってご覧。」
「……ふふ、心臓の音すごいですね。私より?」
クリスの手首を掴み、うるさくなるそこへ持っていく。あまりにも跳ねるものだから、彼はちょっと笑っていた。
僕は普段より遅めの時間から身を清めている。何故なら今夜は初夜にあたるらしい。
今から心臓が嫌な音を立てて跳ねており、これ大丈夫か?童貞ってやばくねえかと悶々としていた。
ファーストキスを一年前にして、あれから会えてないのだから当たり前だけど進展はなし。これからクリスはここで過ごすのだから会える時間は増えるし、もっとナチュラルにあんなことやこんなことができると思う。もちろんそれは嬉しい限りだ。
だけどそれを手に入れるためにはまずは乗り越えないといけない壁というのがありまして……今晩で番にならなければいけないのだ……。
頸を噛む。営みの知識は幼い頃に入れられたので、そこは安心してもらっていい。ただ、聞いた話によると僕のような者は理性を無くして噛み付く場合が多く、いくら噛みつかれてもいいように出来ているオメガでも、痛々しい傷を残す可能性があるのは躊躇った。
「大丈夫かなあ…。」
正直不安でしかない。ある程度フェロモンに慣らせているとはいえ、クリスのフェロモンに耐えられるだろうか。魔法で抑えているようなので、なにぶん嗅いだことはないので分からない。
「クリス様がお待ちです。」
女のように髪に油を塗られたり、香水をかけられたりなど侍女にされたい放題にしている間、従者が入ってきてそう言った。
よくよく考えたら初めてを廊下などに警備が控えている中で行ってしまうなど、一体なんていう公開処刑だろう。……考えるのはやめた。だって動けなくなりそうだから。
「殿下、そう緊張なさらないでください!」
グッと馴れ馴れしく親指を立てるのは小さい頃から僕の専属従者であるやつだった。あいつ……絶対面白がってるな。
「入るよ?」
「…はい、どうぞ。」
部屋は薄暗く、雰囲気は完璧でどうぞヤってくださいと言わんばかりの空気に僕は固まった。頑張って手足を動かしているがぎこちなさすぎる。
「お水飲まれますか?」
「あー、確かに喉乾いてたかも。」
一応風呂上がりなので水が欲しかったのを思い出す。緊張ですっかり忘れていた。
クリスから器を受け取って喉を潤す、先ほどから僕を凝視するのでちょっと飲みづらかった。
「ん、ありがとう。…それじゃベッドに行こうか?」
「はい、」
クリスの方がガチゴチに表情が堅いので、逆にゆとりができる。押し倒すのもお互い自滅しそうなので、とりあえずベッドに腰掛けるように隣に座らせた。
「何、緊張してるの?」
「でん……レオはそんなことないんですか?」
「まさか。ほら、触ってご覧。」
「……ふふ、心臓の音すごいですね。私より?」
クリスの手首を掴み、うるさくなるそこへ持っていく。あまりにも跳ねるものだから、彼はちょっと笑っていた。
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