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本編

61 ドM2号の爆誕だけはやめてくれ。

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「つまり元々革命を起こす予定だった人々の援助と士気をあげてきたってこと?」
「ハイ!オレ頑張ってきましタ!それはもう王の首を取るくらいには。」

尚且つ国の財産はすべて横領し、国民に配ってきたそうだ。確かに人殺しではないけど、それ母国から見たら犯罪なのでは……

「戸籍上死んでるから出来ることデス!」

あ、そうかヤンは亡くなったことになっているのだから自由が効く。それに我が国から見たらヤンはヒーローとなるのか。なんとも恐ろしいことだ。

「それで革命が成功しようが失敗しようが、戦どころじゃなくなるってワケデス。オレ頑張ったでしょウ!」

褒めてと言わんばかりに怪しい箱を渡してきた。この大きさからして王の首とかではなさそうだから怖くはないが、こいつが持ってくるものなど想像に容易いからこそ開けたくない。

「……うわぁ、ムチじゃん……………」
「!?」

目にキラキラとした期待の星が散らばっているヤンを見ると、ドMじゃなかったら純粋系でもいけたんだろうなあ、なんて他のことを考えて現実逃避する。

こんなふうにしたのも僕のせいなので、最後まで責任はもつが正直エスカレートしていってる気がする。

「踏まれるのは飽きた?」
「そんなことありまセン!ただレオナルド様のタメに頑張っタのでそっちも使ってみたいのデス!!!」

鞭を握ると手のところは柔らかい素材で僕の身体には一切傷がつかないようになっていた。紐の方は若干ザラザラとしていて切れ味がよさそう……………これオーダーメイドなのでは?

戦争を完全に止めた人物がまさかの王子直々の鞭打ちでいいなんて、僕は安くはないと思うが、それにしても見合わなさすぎる。

最近ヤンにちょっぴり情が湧いたのは内緒だ。あくまで価値は野良犬から飼い犬になったくらいだけど。

「ポチも打たれる?」
「?!え、いや私は結構です!!」
「そういえばレオナルド様ぁ~。ポチも今回の惚れ薬の黒幕捕まえて活躍してくれたんデスヨ!ご褒美の鞭打ちしてあげないト!」
「は?」

バッと振り返るとポチは気まずそうに目線を反らせ「お伝えするタイミングがなかったもので…。」と言った。

あーそういや起きてすぐクリスとイチャイチャしちゃったっけ、なんて思い返す。うーむこんなにも上手くいっていいのだろうか。

上司がポンコツだと部下が育つというが…まさかそれだったりしないだろうな。はは、まさかな。

「大手柄じゃないかポチ!褒美は何がいい?……鞭打ちは流石にないと思うけど、何でもしてあげるよ。」
「……何でも、ですか?」

反芻するポチの次の言葉を待った。ヤンは何故かニヤニヤしており「さっきのクリス様への嫉妬すごかったから碌でもないお願デスネ~。」と笑っていた。

彼は何を言っているんだろう。

「そ、その、ぎゅってしてもらってもいい、ですか?」
「…ぎゅ?」
「アっははははハ!オレもそれやって欲しいデス!!!」

ぎゅってする。牛する?いや、え?というかそのイケメン顔で「ぎゅっ」は合わなさすぎだろ。女だったらギャップ萌えってやつで堕ちていた。間違いなく。

ぎゅって何?締め付けプレイか何かだろうか。………ハッ、まさかロープ縛りとかああいう…………

ドM2号の誕生か???

「あの…嫌だったらすみません、忘れてください。……って何してるんですか?」

僕がロープを探しているとポチは不思議そうに首をかしげた。ん?これじゃないの?
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