55 / 117
本編
54 もっと自分の身体大切にしろよな!
しおりを挟む
今までが都合よくいきすぎていたようで、今回の件は難航した。ヤンの反省を生かしてか、戸籍、入学歴、留学歴等何も怪しい点は見つからず、ヤンも兄弟の可能性を考慮してもらって探してもらったが「変装されていたら分からない。」と首を振られた。
正直身内以外、全員敵に見えてくるのが怖い。誰もが怪しく見えてしまうのだ。
何より最悪なのが最近頭痛が酷いこと。キンッと内側から殴られるような痛さにいつも欠席しようか迷ったが、席を空けてクリスに何かあってはいけないので我慢した。
ノイズのようなものも聞こえる気がする。これだけで病気になっちゃったかなって思うくらい気が弱っていた。メタい話をすると1話前から見たら即オチ2コマ展開だ。
あまりにもしんどいので天の声でも聞こえてきそうではある。
『ぃ……おーい!聞こえる?』
ほらこんな風に…………ってえ?
「この声はまさか……レーナ?」
『あっ!良かった!繋がったみたいだね。頑張って君と会話できないか探ってたんだけど。』
す、すげえこの王子。なんでも出来るじゃないか。もしかしてずっと頭が痛いのも脳みそとか叩いてたりしてたんじゃないか?………いやまさかな。
レーナの声は僕の口からではなく、脳内に直接語りかけてくるようで、周りを見ても誰にも聞こえてないみたいだ。僕が独り言を言わない限りは大丈夫そうである。
レーナと通話完了になってしまい、またしても人外ムーブをかましてからすぐクリスが現れた。
「殿下!お顔が真っ青ですよ。少しお休みになられた方が…!」
「あ、クリス。」
『クリスだ!!』
用事で席を外していたと思っていたのに、どうやら顔色が悪い僕への気遣いで温かいものや冷たいものまで持ってきてくれたみたいだった。天使か?まじもんの天使だ。
レーナが大声で話すとキーンと頭に響き、風邪よりもたちが悪い。
(ちょ、ちょっとレーナ!黙っといてくれないかな。今話されるとしんどい…。)
『ご、ごめんね。そうだよね!無理させてるわけだし、落ち着いたら話しかけるよ。』
(ありがとう、そうしてくれると助かる。)
こんな強引な手段をとる彼のことだから何かしら話でもあったのだろう。しかしそうも言ってられない。
そう話していると、クリスは怪訝な顔であたりを見渡した。まるで誰かいるかのように。
「……つかぬことをお聞きしますが。」
「うん?何かな」
「一体どなたと話されてるんですか?」
「え?」『え?』
今声に出てたかな?思わず口を押さえてしまったが多分話していない。
「えっと僕はクリスとしか話していないけど?」
「先ほどから声が聞こえる気がして。……私がおかしかったみたいですね。すみません変なことを口にしてしまって。」
え、これってもしや……
レーナの声聞こえてたりする!?
見えないはずのレーナが腰を抜かしたような姿が想像ついた。僕の妄想かもしれないけど。
正直身内以外、全員敵に見えてくるのが怖い。誰もが怪しく見えてしまうのだ。
何より最悪なのが最近頭痛が酷いこと。キンッと内側から殴られるような痛さにいつも欠席しようか迷ったが、席を空けてクリスに何かあってはいけないので我慢した。
ノイズのようなものも聞こえる気がする。これだけで病気になっちゃったかなって思うくらい気が弱っていた。メタい話をすると1話前から見たら即オチ2コマ展開だ。
あまりにもしんどいので天の声でも聞こえてきそうではある。
『ぃ……おーい!聞こえる?』
ほらこんな風に…………ってえ?
「この声はまさか……レーナ?」
『あっ!良かった!繋がったみたいだね。頑張って君と会話できないか探ってたんだけど。』
す、すげえこの王子。なんでも出来るじゃないか。もしかしてずっと頭が痛いのも脳みそとか叩いてたりしてたんじゃないか?………いやまさかな。
レーナの声は僕の口からではなく、脳内に直接語りかけてくるようで、周りを見ても誰にも聞こえてないみたいだ。僕が独り言を言わない限りは大丈夫そうである。
レーナと通話完了になってしまい、またしても人外ムーブをかましてからすぐクリスが現れた。
「殿下!お顔が真っ青ですよ。少しお休みになられた方が…!」
「あ、クリス。」
『クリスだ!!』
用事で席を外していたと思っていたのに、どうやら顔色が悪い僕への気遣いで温かいものや冷たいものまで持ってきてくれたみたいだった。天使か?まじもんの天使だ。
レーナが大声で話すとキーンと頭に響き、風邪よりもたちが悪い。
(ちょ、ちょっとレーナ!黙っといてくれないかな。今話されるとしんどい…。)
『ご、ごめんね。そうだよね!無理させてるわけだし、落ち着いたら話しかけるよ。』
(ありがとう、そうしてくれると助かる。)
こんな強引な手段をとる彼のことだから何かしら話でもあったのだろう。しかしそうも言ってられない。
そう話していると、クリスは怪訝な顔であたりを見渡した。まるで誰かいるかのように。
「……つかぬことをお聞きしますが。」
「うん?何かな」
「一体どなたと話されてるんですか?」
「え?」『え?』
今声に出てたかな?思わず口を押さえてしまったが多分話していない。
「えっと僕はクリスとしか話していないけど?」
「先ほどから声が聞こえる気がして。……私がおかしかったみたいですね。すみません変なことを口にしてしまって。」
え、これってもしや……
レーナの声聞こえてたりする!?
見えないはずのレーナが腰を抜かしたような姿が想像ついた。僕の妄想かもしれないけど。
23
お気に入りに追加
1,010
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ド平凡な俺が全員美形な四兄弟からなぜか愛され…執着されているらしい
パイ生地製作委員会
BL
それぞれ別ベクトルの執着攻め4人×平凡受け
★一言でも感想・質問嬉しいです:https://marshmallow-qa.com/8wk9xo87onpix02?t=dlOeZc&utm_medium=url_text&utm_source=promotion
更新報告用のX(Twitter)をフォローすると作品更新に早く気づけて便利です
X(旧Twitter): https://twitter.com/piedough_bl

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

兄たちが弟を可愛がりすぎです
クロユキ
BL
俺が風邪で寝ていた目が覚めたら異世界!?
メイド、王子って、俺も王子!?
おっと、俺の自己紹介忘れてた!俺の、名前は坂田春人高校二年、別世界にウィル王子の身体に入っていたんだ!兄王子に振り回されて、俺大丈夫か?!
涙脆く可愛い系に弱い春人の兄王子達に振り回され護衛騎士に迫って慌てていっもハラハラドキドキたまにはバカな事を言ったりとしている主人公春人の話を楽しんでくれたら嬉しいです。
1日の話しが長い物語です。
誤字脱字には気をつけてはいますが、余り気にしないよ~と言う方がいましたら嬉しいです。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
【BL】どうやら精霊術師として召喚されたようですが5分でクビになりましたので、最高級クラスの精霊獣と駆け落ちしようと思います。
riy
BL
風呂でまったりしている時に突如異世界へ召喚された千颯(ちはや)。
召喚されたのはいいが、本物の聖女が現れたからもう必要ないと5分も経たない内にお役御免になってしまう。
しかも元の世界へも帰れず、あろう事か風呂のお湯で流されてしまった魔法陣を描ける人物を探して直せと無茶振りされる始末。
別邸へと通されたのはいいが、いかにも出そうな趣のありすぎる館であまりの待遇の悪さに愕然とする。
そんな時に一匹のホワイトタイガーが現れ?
最高級クラスの精霊獣(人型にもなれる)×精霊術師(本人は凡人だと思ってる)
※コメディよりのラブコメ。時にシリアス。


王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる