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本編
33 両手に(ある意味)花とはまさにこのこと。
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「今日遅かったね。」
「すみません、それなりに色々とありまして。」
「ふーん、何してたの?」
「…色々です。」
………ここだけ見たら浮気した彼氏に問い詰めてる女みたいだが断じて違う。けど正直僕だけ仲間外れにされてて寂しいのだ!!!知らない間にクリスと仲良くなっちゃって!!!
「クリスと商人には教えたのに?」
「………クリス様にはたまたまその場で居合わせたのでお伝えしたまでです。……それはそうと、はて商人とは一体誰のことでしょうか?」
「ヤンだよ。知り合いでしょ?」
「?存じてませんが。」
?、え?じゃあなんでヤンは彼が何をしているのか知っていたんだ?……こっわ、怖すぎる。ポチのことは隠しはしていないものの、大きく公にしているわけでもないしよくよく考えたら存在を知っている時点でおかしな話だ。
(どうしてそんなことに気がつかなかったんだろう。まるで思考に霧がかかったようだった。)
うーん、情報屋とかでもやっているのか?ゲームでそんな話は耳にしなかったがありえない話ではない。
「まあ無理にとは言わないよ。ごめんね問い詰めちゃって。」
「……話が確定してからお伝えしようと思っていただけなんです。」
かなり渋るそぶりを見せてからポチは教えてくれた。
「え!つまり英雄ってことじゃないか!!」
「そこまでのものじゃないです。」
聞いた話をざっくりまとめると、実は僕のお付きになったあたりから夜間は冒険者として活動。尚且つ名を挙げていて、今回大規模モンスター襲撃を食らった前線にある砦を一人でほとんど死守したとのことだ。
普段からコツコツした活動による評価、人々からの熱い声援、痛手になるところを低コストで抑えられたモンスターの襲撃、王子の付き人のこともあり地位も無いのも可笑しいという父上の計らいにより、伯爵の地位を受け取ることが決まったそう。もちろんこれは今後の期待も含めてなので妥当だと思う。
クリスはチート級魔法剣士だし、ポチは偉大な戦績を残すしで転生者である僕より異世界主人公並みに無双するのやめてもらっていいですかね。
「出会いは最悪なのですが…初めてお会いした日、殿下から冒険者に向いていると言われて、興味本位で夜はモンスターの討伐に勤しむことにしたのです。」
まさか僕の何気ない一言を覚えて、尚且つ実行するとは思わなかった。しかしかなり嬉しいものだな。
「お金で爵位を買ってしまうより、名誉あることじゃないか。授与式はちゃんと僕を呼んでよね?」
「もちろんですとも我が君。」
なんて真剣に敬礼を取るものだから少しだけ笑ってしまった。
「すみません、それなりに色々とありまして。」
「ふーん、何してたの?」
「…色々です。」
………ここだけ見たら浮気した彼氏に問い詰めてる女みたいだが断じて違う。けど正直僕だけ仲間外れにされてて寂しいのだ!!!知らない間にクリスと仲良くなっちゃって!!!
「クリスと商人には教えたのに?」
「………クリス様にはたまたまその場で居合わせたのでお伝えしたまでです。……それはそうと、はて商人とは一体誰のことでしょうか?」
「ヤンだよ。知り合いでしょ?」
「?存じてませんが。」
?、え?じゃあなんでヤンは彼が何をしているのか知っていたんだ?……こっわ、怖すぎる。ポチのことは隠しはしていないものの、大きく公にしているわけでもないしよくよく考えたら存在を知っている時点でおかしな話だ。
(どうしてそんなことに気がつかなかったんだろう。まるで思考に霧がかかったようだった。)
うーん、情報屋とかでもやっているのか?ゲームでそんな話は耳にしなかったがありえない話ではない。
「まあ無理にとは言わないよ。ごめんね問い詰めちゃって。」
「……話が確定してからお伝えしようと思っていただけなんです。」
かなり渋るそぶりを見せてからポチは教えてくれた。
「え!つまり英雄ってことじゃないか!!」
「そこまでのものじゃないです。」
聞いた話をざっくりまとめると、実は僕のお付きになったあたりから夜間は冒険者として活動。尚且つ名を挙げていて、今回大規模モンスター襲撃を食らった前線にある砦を一人でほとんど死守したとのことだ。
普段からコツコツした活動による評価、人々からの熱い声援、痛手になるところを低コストで抑えられたモンスターの襲撃、王子の付き人のこともあり地位も無いのも可笑しいという父上の計らいにより、伯爵の地位を受け取ることが決まったそう。もちろんこれは今後の期待も含めてなので妥当だと思う。
クリスはチート級魔法剣士だし、ポチは偉大な戦績を残すしで転生者である僕より異世界主人公並みに無双するのやめてもらっていいですかね。
「出会いは最悪なのですが…初めてお会いした日、殿下から冒険者に向いていると言われて、興味本位で夜はモンスターの討伐に勤しむことにしたのです。」
まさか僕の何気ない一言を覚えて、尚且つ実行するとは思わなかった。しかしかなり嬉しいものだな。
「お金で爵位を買ってしまうより、名誉あることじゃないか。授与式はちゃんと僕を呼んでよね?」
「もちろんですとも我が君。」
なんて真剣に敬礼を取るものだから少しだけ笑ってしまった。
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