31 / 117
本編
31 怒ってますから!!!!!
しおりを挟む
「待て待て待て待て!!」
「?」
クリスは普通に歩いているようだが、僕は全力ダッシュである。最近彼の身長は抜かしたはずだが、あれ?脚の長さが違うのか?…………あんまり深く考えないようにしよう。
「どうしました?」
「話がある。今から授業ってサボれる?」
「サボっ、…いやそういうわけには………」
「どうせ全部知ってる話だしいいだろう。クリスは真面目だなあ。」
少し迷ってる節はあるが、僕が手を引くと大人しく着いてくるので一安心だ。
正直僕は怒っている。この何十年もの愛がちっとも伝わっていなかったなんて。
みな授業を受けているため誰もいない木陰のあるベンチに一緒に座った。
「それでお話とは?」
「クリス……君のことを僕は愛しているし伝えてきたつもりだったけど少しも伝わってなかったかい?」
「…殿下が私のことを愛している?」
さぞ今知りましたと言わんばかりの表情に天を仰ぐ。いや鈍すぎんか?ラブコメの主人公の幼馴染かなんかか?
「殿下がお優しいからではなく?」
「同情心とかで僕がそんな嘘をつくとでも?」
「ならこの首輪も、殿下からの本心と思ってしまっていいのですか?」
初めて僕主催のお披露目パーティを開いた日に送った首輪まで義務とかそういうのでプレゼントしていたと思ってたようで…………このニブチンが!!!!でもそこもまたいい!!!!!!!
「そ、そっかあ、そうですか……っ」
「ク、クリス!?」
突然涙をこぼす彼に驚きつつ、慌てて抱きしめる。
「っ、私、愛されてるのですね。」
「……だから昔から君に一途だってば。」
ハンカチで涙を拭いてあげると「すみません、何故か涙が止まらなくて」と言いさらに寄ってきた。
彼が泣いている所を見るは初めてで、もしかしたら最初で最後の表情かもしれないので目に焼き付けておく。変態でごめん。
「こんな腫れた目では人前に出れませんね。」
「うーん、ならお茶でもしちゃおうか。」
「ふっふふ、とことん学業をサボるおつもりですね。」
笑う彼の言葉は聞こえなかったことにして、背後についていた専属の従者に部屋と紅茶を用意するように頼んだ。準備が整うまで結構時間があるので、とあることを聞いてみる。
「ねえクリス。今回の誤解の件も私情も含めての話だけど、僕のことはレオって呼んでよ。」
「!そ、そんな!恐れ多い!」
「どうして?これで嫌でも僕はクリスのことが大好きって伝わるでしょ。ほら、レオって2文字だけだ。」
「~~~っ~!急にはだめです!心の準備が」
ずっと前から愛称で呼んで欲しかったのだが、言うタイミングもなかったもので。その分早く言って欲しくて顔を真っ赤にさせるクリスを急かしてしまう。
「二人っきりのときだけでいいからさ。」
「………………っ、………レ、オ」
「はあ、無理好き可愛い。」
心の声がダダ漏れだったが、クリスはキャパオーバーで耳に入ってすらいないようで、僕の肩に顔を埋めると従者が来るまでそうしていた。
正直僕への破壊力も飛んでもなかったので鼻血が出そうなのをなんとか耐えた。それだけで偉いぞ。よくやった。
「?」
クリスは普通に歩いているようだが、僕は全力ダッシュである。最近彼の身長は抜かしたはずだが、あれ?脚の長さが違うのか?…………あんまり深く考えないようにしよう。
「どうしました?」
「話がある。今から授業ってサボれる?」
「サボっ、…いやそういうわけには………」
「どうせ全部知ってる話だしいいだろう。クリスは真面目だなあ。」
少し迷ってる節はあるが、僕が手を引くと大人しく着いてくるので一安心だ。
正直僕は怒っている。この何十年もの愛がちっとも伝わっていなかったなんて。
みな授業を受けているため誰もいない木陰のあるベンチに一緒に座った。
「それでお話とは?」
「クリス……君のことを僕は愛しているし伝えてきたつもりだったけど少しも伝わってなかったかい?」
「…殿下が私のことを愛している?」
さぞ今知りましたと言わんばかりの表情に天を仰ぐ。いや鈍すぎんか?ラブコメの主人公の幼馴染かなんかか?
「殿下がお優しいからではなく?」
「同情心とかで僕がそんな嘘をつくとでも?」
「ならこの首輪も、殿下からの本心と思ってしまっていいのですか?」
初めて僕主催のお披露目パーティを開いた日に送った首輪まで義務とかそういうのでプレゼントしていたと思ってたようで…………このニブチンが!!!!でもそこもまたいい!!!!!!!
「そ、そっかあ、そうですか……っ」
「ク、クリス!?」
突然涙をこぼす彼に驚きつつ、慌てて抱きしめる。
「っ、私、愛されてるのですね。」
「……だから昔から君に一途だってば。」
ハンカチで涙を拭いてあげると「すみません、何故か涙が止まらなくて」と言いさらに寄ってきた。
彼が泣いている所を見るは初めてで、もしかしたら最初で最後の表情かもしれないので目に焼き付けておく。変態でごめん。
「こんな腫れた目では人前に出れませんね。」
「うーん、ならお茶でもしちゃおうか。」
「ふっふふ、とことん学業をサボるおつもりですね。」
笑う彼の言葉は聞こえなかったことにして、背後についていた専属の従者に部屋と紅茶を用意するように頼んだ。準備が整うまで結構時間があるので、とあることを聞いてみる。
「ねえクリス。今回の誤解の件も私情も含めての話だけど、僕のことはレオって呼んでよ。」
「!そ、そんな!恐れ多い!」
「どうして?これで嫌でも僕はクリスのことが大好きって伝わるでしょ。ほら、レオって2文字だけだ。」
「~~~っ~!急にはだめです!心の準備が」
ずっと前から愛称で呼んで欲しかったのだが、言うタイミングもなかったもので。その分早く言って欲しくて顔を真っ赤にさせるクリスを急かしてしまう。
「二人っきりのときだけでいいからさ。」
「………………っ、………レ、オ」
「はあ、無理好き可愛い。」
心の声がダダ漏れだったが、クリスはキャパオーバーで耳に入ってすらいないようで、僕の肩に顔を埋めると従者が来るまでそうしていた。
正直僕への破壊力も飛んでもなかったので鼻血が出そうなのをなんとか耐えた。それだけで偉いぞ。よくやった。
28
お気に入りに追加
1,000
あなたにおすすめの小説
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話
みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。
数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品
【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。
白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。
最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。
(同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!)
(勘違いだよな? そうに決まってる!)
気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)
目が覚めたら囲まれてました
るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。
燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。
そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。
チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。
不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で!
独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。
【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった
cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。
一途なシオンと、皇帝のお話。
※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。
普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。
山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。
お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。
サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる