【完結】イケメン高身長オメガな悪役令息を溺愛します。※主人公攻め

本編

20 童⚫︎は努力するかもしれない生き物である。

「お手をどうぞ。クリス殿」
「～～ｯ！は、反則ﾃﾞｽ…」

ぷしゅーと顔を真っ赤に染めたクリスを見て鼻血が出そうなのを祖母の顔を思い出し、熱を冷まして我慢する。

今宵は準備してきた僕が主催のパーティの当日で、エスコートするためにクリスが待機している客室へ足を運んでいた。招待者はもう会場内にいるだろうから、僕ら主役を待っていることだろう。

実は前から「エスコートイケメン王子」をやりたくて誰もいない鏡で己が1番かっこよく映る角度を確認していたのは内緒だ。だが見事そのトラップにハマったクリスがくそかわいいのでやりがいがある。またやろう。

「やっぱり僕の見込み通りその正装かっこいいね。あっ、ネックレスもつけてくれてる！」
「もちろんです！送られてきた時…本当に嬉しかったんですから…。それに…殿下はどの花よりも美しいです。」

急に顔を近づけられてイケメン顔で顎クイ&口説かれたら流石の僕も狼狽えてしまい、後ずさった。いや僕の婚約者がイケメンすぎる。

「……コホンッ。殿下、そろそろ。」

従者たちが僕たちの間に入れずにあたふたしていた所を、ポチが動いてくれたから感謝の視線が送られていた。あっ、二人の世界に入っちゃってごめん。