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本編
11 クズ父爆誕の匂い…
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「この男殺してもいいですか?」
そう聞く彼の手が少しだけ震えてるのが見えた。元々殺す気はないので肯定することはないが。
「いや、縛ってくれるだけでいい。父上に報告する。流石に僕がいなくて慌てているだろうから。」
ほっとした表情を見せるクリスを横目に、僕はある計画を立てていた。
名付けて『ドキドキ★クズ疑惑な父上の弱みを握っちゃうぞ⁉』
………ドキドキはいらなかったか。それはさておき、誘拐犯が王族の血を継ぐ可能性が出てきたんだ。隠れ子がいましたとかいう禁断の愛ってやつ。知らんけど。
黄金の目…あれはアルファである僕や、僕の下の兄弟、父のようなものがチョメチョメしないと継ぐわけがない。僕はまだ第二性が顕著に出ていないから、もう犯人は言わずともというやつだ。
とにかく何か裏がありそうなので、いつか登場するヒロインの味方になりかねない一人である父を無理やり縛り付けるためにも大きなチャンスなのは間違いない。
親への愛は特にあるわけではない。だってゲームのレオナルドが持っていた記憶を引継いでいるのだが、両親に対して特に想っている節はなかったからだ。王家ってそんなもんなのか?第一王子なのに?
さて、この男が王族だとして………
「…つまり義兄さんになる?」
王位継承権が危うくなるのも困る。都合よく動かすために何かとしら権力が強くて困ることはないからね。第二王子派の者たちや、僕を敵視している貴族らはここぞってとこに漬け込んでくるだろう。
公にするのも駄目ときた。ならまずは父の口を縫いにいかなくては。
「殿下、捕縛完了しました。」
「ありがとうクリス。一度僕の部屋に送ってくれないかな。お礼をしたいんだ。」
「で、殿下の私室………い、いえ当然のことをしたまでです。そんな大層なものは…」
不自然に後ろに組んだクリスの手を掴むと、その手は近くにあった荒い縄を使ったせいで傷だらけになっていた。
「なら治療をさせてくれ」
「しかし…」
クリスは戦闘向けの魔法使いなので、ヒールなどの治癒能力は持ち合わせていない。
部屋に転移をしてもらうと、さっそく救急箱を取り出した。この顔面になってから美容にはかなり気をつけているので、王宮医からお願いして渡してもらった魔力入りの薬はかなりある。きっとこの傷もすぐ治るだろう。まさかこんなとこで役に立つとは思っていなかったが。
男を床に寝転がせると、すぐ消毒液もどきを使って手当を始める。ガーゼは持っていなかったので、かけていた私服のレースを破いてそれを使った。
クリスの止める声、いや悲鳴が聞こえた気がしたがフル無視である。
そう聞く彼の手が少しだけ震えてるのが見えた。元々殺す気はないので肯定することはないが。
「いや、縛ってくれるだけでいい。父上に報告する。流石に僕がいなくて慌てているだろうから。」
ほっとした表情を見せるクリスを横目に、僕はある計画を立てていた。
名付けて『ドキドキ★クズ疑惑な父上の弱みを握っちゃうぞ⁉』
………ドキドキはいらなかったか。それはさておき、誘拐犯が王族の血を継ぐ可能性が出てきたんだ。隠れ子がいましたとかいう禁断の愛ってやつ。知らんけど。
黄金の目…あれはアルファである僕や、僕の下の兄弟、父のようなものがチョメチョメしないと継ぐわけがない。僕はまだ第二性が顕著に出ていないから、もう犯人は言わずともというやつだ。
とにかく何か裏がありそうなので、いつか登場するヒロインの味方になりかねない一人である父を無理やり縛り付けるためにも大きなチャンスなのは間違いない。
親への愛は特にあるわけではない。だってゲームのレオナルドが持っていた記憶を引継いでいるのだが、両親に対して特に想っている節はなかったからだ。王家ってそんなもんなのか?第一王子なのに?
さて、この男が王族だとして………
「…つまり義兄さんになる?」
王位継承権が危うくなるのも困る。都合よく動かすために何かとしら権力が強くて困ることはないからね。第二王子派の者たちや、僕を敵視している貴族らはここぞってとこに漬け込んでくるだろう。
公にするのも駄目ときた。ならまずは父の口を縫いにいかなくては。
「殿下、捕縛完了しました。」
「ありがとうクリス。一度僕の部屋に送ってくれないかな。お礼をしたいんだ。」
「で、殿下の私室………い、いえ当然のことをしたまでです。そんな大層なものは…」
不自然に後ろに組んだクリスの手を掴むと、その手は近くにあった荒い縄を使ったせいで傷だらけになっていた。
「なら治療をさせてくれ」
「しかし…」
クリスは戦闘向けの魔法使いなので、ヒールなどの治癒能力は持ち合わせていない。
部屋に転移をしてもらうと、さっそく救急箱を取り出した。この顔面になってから美容にはかなり気をつけているので、王宮医からお願いして渡してもらった魔力入りの薬はかなりある。きっとこの傷もすぐ治るだろう。まさかこんなとこで役に立つとは思っていなかったが。
男を床に寝転がせると、すぐ消毒液もどきを使って手当を始める。ガーゼは持っていなかったので、かけていた私服のレースを破いてそれを使った。
クリスの止める声、いや悲鳴が聞こえた気がしたがフル無視である。
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