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本編
8 拉致されても余裕ゲー…ではない?
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記憶がある限りはふかふかのベッドで眠っていたはずが、今は硬いコンクリートの上である。つまり拉致完了ってことだ。
そう簡単に拉致される王家があるかと思うがゲームの強制力が働いているのだろう。
「実は幼少期にヒロインと出会ってました」的な展開をするための必要事項なのだ。
見事結ばれたあと、誘拐された時助けてくれたのは貴方だったのね!?というアレである。既視感はあると思う。
つまりヒロインともここで出会うわけで。
まあ殺されないだろうし、無事に帰れるとわかっているから鼻をほじってやろうかくらいの余裕である。
王子だし殴られて傷モノにもしないはず。多分。
そんなことより大切な睡眠が削れてしまうのはかなり不満だ。生活リズムを崩して骨が反抗期になったらどうしてくれる!
再び寝入ろうとしたとき突然背後から声がかかった。
「随分と余裕そうだな。」
慌てて後ろを振り返るとそこにはガタイのいい高身長黒マスク男が立っていた。なにその8頭身高身長。足切断して僕にくれ。
「僕は非力で何もできやしないから無抵抗を選んだのみだよ。」
「俺に何かされるとは思わないのか?」
「まさか。」
だってヒロインに助けられる確定演出だし~。はて、ちなみにヒロインっていつ現れるんだ。
「とにかく僕は寝る。身長欲しいし。」
「……呑気なもんだな王族サマは。ちなみにここは海の上だ。助けがくるなんて思わないことだ。」
「え?」
あれ、あれれ、ゲームでは森の中じゃなかったっけ?確かたまたま通りかかったヒロインに助けてもらうとかそういう……ん?つまり大ピンチなのでは?
「…僕をどうするつもりだ。」
「おっ、やっと焦りだしたようだな。」
ニヒヒと笑う姿はイケメンぽい雰囲気が醸し出されていて、ふーむ、こいつもしや攻略対象とかでは?
「隣国の人質となってもらう。どうせお前には何も出来ないのだろう。サービスで教えてやる。」
そう笑う誘拐犯の赤い目が一瞬、黄金色に光って見えた。いや気のせいだろうか。しかしそのことに気がついたらどんどん誘拐犯の目が黄金にしか見えなくなっていく。
黄金の目というのは何を意味するのかご存知だろうか。王族の血を継ぐものにしかその目の色にはならない。
もしやこのオニイサンはワケあり王族の血縁者とか?ふ、複雑な事情ありそう……
何らかで目を変色させていたがその効果が切れたか、僕が王族だから見破れるのかは不明だが、たしかに目は黄金色だ。
ここは思い切って聞いてみるべきか。人質とのことだし殺されはしないだろう。殴られはするかもだけど。
「…オニイサンは、もしかして王族の血をひいてたりする?」
比較的穏やかだった空気が一瞬で凍った。
そう簡単に拉致される王家があるかと思うがゲームの強制力が働いているのだろう。
「実は幼少期にヒロインと出会ってました」的な展開をするための必要事項なのだ。
見事結ばれたあと、誘拐された時助けてくれたのは貴方だったのね!?というアレである。既視感はあると思う。
つまりヒロインともここで出会うわけで。
まあ殺されないだろうし、無事に帰れるとわかっているから鼻をほじってやろうかくらいの余裕である。
王子だし殴られて傷モノにもしないはず。多分。
そんなことより大切な睡眠が削れてしまうのはかなり不満だ。生活リズムを崩して骨が反抗期になったらどうしてくれる!
再び寝入ろうとしたとき突然背後から声がかかった。
「随分と余裕そうだな。」
慌てて後ろを振り返るとそこにはガタイのいい高身長黒マスク男が立っていた。なにその8頭身高身長。足切断して僕にくれ。
「僕は非力で何もできやしないから無抵抗を選んだのみだよ。」
「俺に何かされるとは思わないのか?」
「まさか。」
だってヒロインに助けられる確定演出だし~。はて、ちなみにヒロインっていつ現れるんだ。
「とにかく僕は寝る。身長欲しいし。」
「……呑気なもんだな王族サマは。ちなみにここは海の上だ。助けがくるなんて思わないことだ。」
「え?」
あれ、あれれ、ゲームでは森の中じゃなかったっけ?確かたまたま通りかかったヒロインに助けてもらうとかそういう……ん?つまり大ピンチなのでは?
「…僕をどうするつもりだ。」
「おっ、やっと焦りだしたようだな。」
ニヒヒと笑う姿はイケメンぽい雰囲気が醸し出されていて、ふーむ、こいつもしや攻略対象とかでは?
「隣国の人質となってもらう。どうせお前には何も出来ないのだろう。サービスで教えてやる。」
そう笑う誘拐犯の赤い目が一瞬、黄金色に光って見えた。いや気のせいだろうか。しかしそのことに気がついたらどんどん誘拐犯の目が黄金にしか見えなくなっていく。
黄金の目というのは何を意味するのかご存知だろうか。王族の血を継ぐものにしかその目の色にはならない。
もしやこのオニイサンはワケあり王族の血縁者とか?ふ、複雑な事情ありそう……
何らかで目を変色させていたがその効果が切れたか、僕が王族だから見破れるのかは不明だが、たしかに目は黄金色だ。
ここは思い切って聞いてみるべきか。人質とのことだし殺されはしないだろう。殴られはするかもだけど。
「…オニイサンは、もしかして王族の血をひいてたりする?」
比較的穏やかだった空気が一瞬で凍った。
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