5 / 117
本編
5 ここで登場陰キャオタクのコミュ障!
しおりを挟む「…この紅茶どう?僕のお気に入りなんだ。」
「とても美味しいです。お気遣いありがとうございます。」
「「…………」」
父上から呼び出された理由は婚約者との絆を深めてこいというもので、政略結婚ではあるがお互いを知っていた方が何かと良いだろうという好意であった。
前世の僕なら言っていそうな言葉が落ち着いたふうに補正される…王子の僕すっっっげえ!教育の賜物だろう。
それにしても気まずい。予め用意していた話題も推しを前にすると一瞬で真っ白だ。ときどき向こうからも話題を飛ばしてくれるが、どれも相槌を打ったら終わってしまうような内容で
………待って向こうも緊張してるのに頑張って話題振ってくれてるわけだよな!無理好き。顔に出さないようにしてるって思ったら可愛すぎる。僕の考え過ぎって可能性もあるけど。やめろそんな目でみるな。
「クリスはさ、どんな感じの飲み物が好き?」
「えっ」
よく言った僕。会話の王道は相手の趣味や好物を聞くこと。紅茶の話題を出しているし自然な流れ。perfect nice guy!(?)
「えっと…そうですね、さっぱりしたものとかが飲みやすくて好きですよ。」
「…じゃあ今の飲んでる紅茶は苦手だったかな?」
「え?あっ、いえ!そんなわけでは!!」
若干甘めの万人受けしそうな紅茶を選んだが、少なくとも好きではないのだろう。図星と言わんばかりに目を泳がせている。
「不快になんてちっとも思ってないから気にしなくていいよ。むしろクリスのこと知れて嬉しいな。」
「っ…!?」
少し顔を近づけて笑うと、顔は澄ましたままだが耳が真っ赤だ。え、何この可愛い生き物。もう頂いていいですかね。
僕の顔面はかなりイケている。流石二次元と言いたいくらいには。いや、結局は三次元か。使える武器は使っていくスタイルは崩さないつもりだ。
「レモンの酸味を落ち着けたのとかそういうのが好き?今度用意しとくから」
「は、はい!ありがとうございます。…で、でもこの紅茶も好きですから。貴方様がくださったものは何でも好き…です。」
王子妃教育って男を喜ばせる方法も学ぶのだろうか。一周回って賢者である。案外初心だと今日判明したので敬語を辞めてもらうのはもう少し先延ばしにしよう。
30
お気に入りに追加
1,000
あなたにおすすめの小説
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話
みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。
数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品
【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。
白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。
最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。
(同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!)
(勘違いだよな? そうに決まってる!)
気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)
目が覚めたら囲まれてました
るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。
燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。
そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。
チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。
不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で!
独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。
【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった
cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。
一途なシオンと、皇帝のお話。
※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。
普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。
山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。
お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。
サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる